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運命の絆  作者: ふじわら
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第15章 祇園大騒動

遊郭出穴。


わんわんは守屋と拓司を「出穴」に招いた。


主人に事情を話し、部屋に通してもらった。


部屋に入ると沢山の酒が用意された。


「ワシら酒を飲みに来たわけじゃないがぜよ」

「わかってるわ。呼んでくるから待ってろ、それまで遊女と飲んでろ、俺の奢りだ。のりお行くぞ」


2人は坂本の下へ向かった。



その頃、坂本達はだいぶ酒が入りかなり酔っ払っていた。



そこに物凄い勢いでわんわんが部屋に入ってくる。


「おい!飲んでる場合じゃねぇよ」

「んあ?なんだわんわんかよ」

「下に守屋達が来てるぞ」

「おうおう。ここに連れて来い飲むぞぉぉ」


わんわんは坂本の頭を引っ叩き廊下に引っ張って行った。



藤堂、麻美、恭子は唖然としていた。



廊下に引っ張られた坂本は酔っ払ってて状況がいまいちよくわかってなかった。


「なんだよぉ〜」

「いつまでもラリってんじゃねーよ」

「下に守屋達が居るんですってば」

「だからここに...」

「馬鹿かお前は。藤堂さんいるだろうが!」

「ああ、そうか」

「どうしますか?」

「どうするかって...ねぇ...」


わんわんは悪そうな顔して坂本の顔を見た。

それを察したのか坂本もニヤリとした。



のりおは、この2人また何かするのかと不安そうな顔した。


守屋と拓司は待たされて苛立っていた。


そこに2人の遊女が入ってくる。


「お待たせしました」


正座をして頭を下げる遊女。


守屋と拓司は遊女の美貌に驚きを隠せなかった。


遊女が守屋達の部屋に入って行った事を確認した坂本達。


「入ったか...」

「守屋達の相手する遊女ってだれ?」

「主人に頼んでりょうとゆいかをブッ込ませた」


坂本は苦笑いをした。


「ならやる事は一つだな」

「うむ」


のりおは不安げな顔をしながら尋ねた。


「な、何するんですか?」

「ぐへへ」


坂本は汚い笑いをした。


わんわんは隣の空いてる部屋の襖を恐る恐る開けた。


部屋を見渡しある物に目をつける。


「もっさんこれだな」

「そうだな、のりお君お前も手伝え」


ある物とは箪笥(たんす)だった。

のりおは疑問に思い尋ねる。


「こんな大っきい箪笥どうするですか?」

「運ぶんだよ」

「どこにです?」

「部屋の前だよ」

「そ、そんな事したら...」


のりおは全てを察して言葉にするのをやめた。


3人は大きな箪笥を必死に運ぶ。


箪笥を廊下に出すと、廊下いっぱいに埋まった。


当然ながらこんな大きな箪笥を部屋の前に置いたら出れなくなる。


「ふぅ〜疲れた」

「けど小窓から出入りするんじゃないですかねぇ?」

「大丈夫。あの部屋小窓ないから...」

「え?」

「普段使ってないらしいよ?主人に頼んで特別に使わせてもらった」


のりおはあの2人に苦い思い出しかない。


「あの美貌に騙されて地獄を見ることになるなんて...」

「まぁ20分くらいで悲鳴をあげるだろう」


守屋と拓司は外がそんな事になってるなんて思いもしなかった。



それどころか、姉妹の美貌に浮かれていた。



守屋と拓司は2人に酒を勧める。


守屋はりょうに酒を注ぐ。


「可愛いのぅ〜ほれおまんも飲みや」

「私お酒弱いんですよ」

「酒は飲んで強くなるき。ぐっと飲みや」

「はぁ...では遠慮なく...」


りょうはぐっと一気にお酒を飲み干した。


拓司もゆいかにお酒を注ぎ飲ませる。


一気に飲み干した2人に、守屋と拓司は手を叩いて喜ぶ。


「ええぞ!ええ飲みっぷりじゃ」

「ほれもっともっと飲むがじゃ」


2人は姉妹にどんどんお酒を勧める。


その飲みっぷりに感服し、調子に乗ってどんどん飲ます。



「ええぞええぞ!!」

「おまんら気に入ったぜよ!」


何杯も飲まされて、姉妹は顔が真っ赤になった。



「顔を真っ赤にして可愛いのぅ、この後、可愛がってやるぜよ」


この時までは下心しかなかった。


そうこの時までは...



りょうは酔っ払ってて目が半開きになった。


そして...


「おい!てめぇも人に注いでばかりじゃなくて飲め!」

「え?」


突然豹変するりょう。


それを見たゆいかは大笑いした。


「ぎゃははは、お姉ちゃん酔っ払っちまった」

「あの子ひょっとして酒乱?」

「ぎゃははは、知〜らない。てかなんで出穴なんだよぉぉぉ」


ゆいかも覚醒。


「ほら!飲めよ!」


りょうは守屋の首に手を回し、無理矢理飲ませる。


「ぐぶっ何するがぜよ!!!」

「ぐぶじゃねー!ほら飲め飲め!」


更に守屋の口元に酒を当てて酒を飲ませる。



それを見ていた拓司はりょうを止めようとしたが、ゆいかに強く引っ張られ酒を飲まされる。


「ぎゃははは、逃げるな飲めぇぇぇ!何でわんわんなんだよぉぉぉぉ」


流石にこの状況はやばいと思い、部屋を出ようと襖を開けて逃げようとしたが、坂本達の仕掛けた箪笥で出れない。



「何じゃこりゃ!!!出れんじゃないか!!」

「くそぉ!!やられたぜよ!!!あいつらの仕業じゃ!!」



守屋はりょうに首根っこを引っ張られる。


「おい!今日はとことんのむぞ!!」

「ちょ!!離しや!!」


拓司も同じく引っ張られた。


「ぎゃははは、出れないならもう飲むしかないねぇ〜、でもなんでわんわんなんだよぉぉぉ誰かおしえろよぉぉぉ〜」

「くそそそそおおおお!!!」



外から守屋達の悲鳴を聞いて大笑いする坂本達。


「ほんじゃのりお君、高杉さん達の所に戻るか」

「また戻るんですか?」

「うん。あっちの飴屋だっけ?俺についた遊女めっちゃ可愛いしな」


のりおは急に暗くなった。


「俺は行きたくないんですけど...」

 

そうのりおに着いた遊女がブスだったからである。


「行くぞ!!」



わんわんは嫌がるのりおを無理矢理連れて行った。



坂本も藤堂達の所に戻る事にした。



こうして各々朝まで酒を飲み続けた。



そして長い夜が明けた。



朝になると主人が箪笥をどかし、部屋を確認するとあちらこちらで、酒瓶が散乱し、中で拓司と守屋が酔い潰れていた。


姉妹はまだ飲んでいた。


主人はため息を吐き呆れ笑った。


「おー開いた。漏れる!!」


りょうは急いで部屋を飛び出し(かわや)に向かった。


事を済ませて玄関を通りかかると、ここで思いも寄らない出会いをする。


玄関の前で大声を出し男が立っていた。


「誰かおらんか?」


りょうは酔っ払ってフラフラで男の下へ行く。


「誰あんた?」

「ん?おまんはここの人間がか?」


りょうは目を半開きにしながら頷く。


「ワシは坂本龍馬じゃ、ここにワシのツレがおるって聞いて来たがじゃ」

「あっそう」

「おまん物凄い別嬪(べっぴん)じゃのぅ」

「そりゃどうも、主人を呼んでくるから待ってて」


そう言うと、おぼつかない足元で部屋に戻った。



これが後の、りょうと結婚する事になる坂本龍馬との出会いであった。


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