第15章 祇園大騒動
部屋を出て守屋達を急足で追うわんわんとのりお。
廊下でのりおがわんわんに呼にかける。
「マジでヒヤヒヤしましたよ」
「え?何が?」
「さっきの事ですよ」
「ああ。なんかムカついた」
「ムカついただけで、あそこまで殺気出せます?」
「さー?」
この適当な返答をするわんわんにのりおは心の底から思った。
この人には逆らえないっと...
飴屋の前の玄関では、あやがホウキで掃いていた。
「何で私はこんな事してるんだろう...早く一人前になって京で1番の遊女になるんだから!」
と、独り言をぼやいていると、中から守屋と拓司が出てきて、あや勢いよくぶつかる。
「痛っ」
勢いよくぶつかったあやは吹き飛ばされ、地面に転んだ。
「邪魔じゃ!!どきやぁ!!!」
殺気だった守屋に叫ばれ恐怖するあや。
「ひぃぃ、すいません」
守屋と拓司はさっきほどの出来事が相当悔しかったのか、大声で叫ぶ。
「くそそそおがぁあああ」
「絶対殺しちゃるき!!!」
あやは転倒して立ちあがろうとしたその時。
2人を追いかけて来たわんわんとのりおがあやを踏みつけて行った。
わんわんは守屋達に追いついた。
「おい守屋」
名前を呼ばれ振り返り鬼の形相をする守屋。
「なんじゃ!!何しに来たがじゃ!」
「そういきり立つなよ」
わんわんは守屋と拓司にゆっくり近付く。
さっきの事もあり、刀をいつでも抜けるように、臨戦態勢を取った。
それを見てわんわんは笑った。
「ふっ、お前らと斬り合うわけないだろう」
「俺達はいつでもやってやるき!!」
「まぁいいや...そんな事どうでも...お前らに伝える事があんだよ」
「伝えたい事?」
「ああ」
わんわんはゆっくりと頷く。
「お前ら労咳って知ってるか?」
「労咳?結核の事じゃろ?何人も見ちょるき」
「かかったら助からんのも知ってるよな」
「もちろんじゃ。現代じゃなきゃ治らんき。なんじゃ、そいがどういたじゃ」
わんわんは2人に恭子の事を伝える。
「何じゃと恭子さんが!!?」
「いつからじゃ!!?」
「半年くらい前だよ」
2人は驚きを隠せない様子だった。
「今、恭子はここの前の店に居るから会って行かないか?」
「ここって遊郭じゃろ?」
「ああ。調子がいい時はここで働いてる」
守屋は拓司は目を合わせて頷いた。
「会わせてくりや」
「ついて来い」
2人は恭子に会う為、わんわんとのりおの後を着いて行った。




