第15章 祇園大騒動
(なぜこんな事に...)
栗田紀夫
彼は初体験を14歳で済ませてから、現在まで数十人の女性と関係をもっていた。
その全ての女性が美人だった。
そう彼は面喰いである。
だが彼は今放心状態だった。
6人居た遊女の中でハズレは右端のブスだけ、伊藤と井上は、わんわんとのりおに助けて貰った恩があったので選ばせて貰えたのだった。
当然だが、右端以外なら誰でも良かった。
何よりも真ん中に座ってる遊女が飛び抜けて美しい。
美しいが恐らく...
「じゃああの真ん中の子で」
そうやはりわんわんが選ぶ。
今度はのりおの番である。
「君はどうするんじゃ?」
伊藤がのりおに尋ねると自分の髪を描きながら、悩んだ。
「どうすっかな」
右端のブスはのりおに手を振ったが、しかしのりおの目には映らない。
「じゃあ...左から2番目の子で...」
「あっ...あの子は龍馬さんの...」
「すまんの〜いつもワシはあの子なんじゃ」
「あっ...いえいえ」
のりおは次の子を物色する。
ところが、伊藤と井上にもお気に入りの遊女が居るらしく譲る事になる。
残ったのは、おゆきとブス。
当然、おゆきを選ぼうと思ったのだが、そうなると高杉がブスを選ぶ事になる。
高杉をチラ見すると、高杉は酒を飲みながらのりおを睨んでる様にも見える。
どうすればいいのか...
だが流石高杉晋作である。
「のりお君だったけか?どっちを選ぶんじゃ?ワシは誰でも良いから早く選びたまえ」
「じゃあおゆきさ...」
「あん!!?」
「え?」
急に高い声を上げる高杉。
「お〜すまんすまん。なんでもないんじゃ。どっちにするんじゃ?」
「はぁ...えっとじゃあ、おゆきさ...」
「あ!!!」
再び高い声を上げる高杉。
「ど、どうしたんですか?」
「いや...すまんの〜急にこの銃が...」
そう言うと高杉は懐に隠し持っていた、単銃を出し銃口をのりおに向けた。
銃口を向けられ焦るのりお。
「ちょっと危ないじゃないですか!」
「あ〜すまんのぅ〜急に気になってのぉ〜」
ここでわんわんが耳打ちした。
「お前このままじゃ偶然を装って殺されるぞ」
「え?」
「まだわからないのかよ...どう考えてもあの人もブスを嫌がってるじゃないか」
「やっぱり...」
「次、おゆきの名前出したら撃たれるぞ...」
「そ、そんな...」
高杉は笑みを浮かべた。
「さぁ〜早く決めるんじゃ」
のりおは目を瞑り天井を見上て決断した。
「おゆきさ...」
バン!!!!
高杉は拳銃を1発ぶっ放した。
「あちゃ〜すまんのぅ暴発じゃ」
弾はのりおの右頬を掠めた。
のりおは目だけを動かして、頬から出る血を見て恐怖で悲鳴を上げた。
わんわんは引かない2人を見て思った。
(強情なやつらだ...)
しかしのりおはここで観念したのか、静かにブスを指差した。
高杉は満面な笑みを浮かべた。
「そうかそうか〜じゃあワシはおゆきじゃのぉ」
のりおは泣いた。
そして、おゆきは酒と料理を持って来る様に大声で指示を出す。
「あや!!酒を持ってきなさい!」
そう叫ぶと襖が開き、1人の女性が酒を持ってきた。
「失礼します」
「早くしなさい。あや、あんたは本当とろくさいわねぇ」
のりおはあやを見て、おゆきに懇願した。
「あのぉ〜この子をつけてくれませんか?」
「ごめんなさいねぇ。まだこの子うちに来て3日しか経って居ないから、何も出来ないのよぉ」
「いやそれでも構わないんで...」
「あや!ほら何ぐずぐずしてるの!今度は料理運んできなさい!」
「は、はい」
あやは急いで部屋を出て行った。
こののりおとあやの出会いが後にとんでもない事には...ならなかった....。




