第15章 祇園大騒動
頬を引っ叩かれ唖然としてると、再び麻美が部屋に戻って来る。
まだ怒りを露わにする麻美。
そして...
パチンと再び坂本の頬に平手打ち。
「痛っ!!」
「もう本当にムカつく!」
納得がいかなくて戻って来た麻美。
「ちゃんと説明して!!」
坂本は目が潤んでる麻美の表情を見て、全て話した。
「全然意味がわからない!なんで桜ちゃんの夢と私たちが繋がってるのよ!」
「俺にだってわからないよ!」
「それにあの子が提案してきた条件ってあれなんなのよ!」
坂本は深くため息ををついて暫く悩んだ末、麻美に過去の話をした。
「桜ってさ高校の時、すごい可愛くて、モテてたの知ってるでしょ?」
「うん」
「実は高2の時さ、わんわんに告ってんだよね」
「え?」
高校の時のわんわんはかなり荒れていて、幼馴染以外の人間は近づき難いものがあった。
しかし、わんわんのルックスが良いため、かなり女子から人気があった。
小学校からの幼馴染だった桜は、会う度絡みに行き、わんわんに恋心を抱くようになっていた。
しかし、わんわんの横には常に坂本、麻美、恭子が居た。
この4人の仲は周りから見ても、割って入る事が出来ないオーラみたいなものがあり、桜には嫉妬みたいな物が生まれていた。
そんなある日、坂本とわんわんが2人で下校してるのを見かけて、思いきって告白することにした。
2人が歩いて間に強引に入り込んだ。
「よっ!!」
「痛って!!」
突然にの事にびっくりする2人。
「なんだよ桜かよ」
「わんわん一緒に帰ろうよ」
「えっ?」
どうやら桜には坂本が見えてないらしい。
「俺も居るけど...」
存在をアピールするが桜には見えていない。
「ねぇ良いでしょ?わんわん?」
「無視かよおい!」
わんわんは少し困った様子で桜に言った。
「もっさんも居るけど...」
「チッ...ああもっさん居たんだ」
「チッって言った?ねぇ?今舌打ちした?」
そんな坂本を無視するかのように、桜はわんわんの右腕にしがみつく。
「ねぇわんわんちょっと話があるんだけど...」
「何?」
「ここじゃちょっと...」
「ふーん。ならそこの公園のベンチでいい?」
「いいよ」
「もっさん待ってて」
そう言うと、わんわんと桜はベンチに行き腰をかけた。
坂本は大きな木に体をより掛けて、遠くから2人を見ていた。
5分くらい話し、わんわんが坂本の方に向かって歩いて来る。
桜は座ったまま動かなかった。
坂本と合流するわんわん。
「なんだったの?」
「ん?ああ、告られた」
「えええええ!マジか...返事はしたの?」
「うん。断った」
「えええええ!!なぜだ...あんな可愛い子振るとかわけわからん」
「幼馴染じゃなかったら彼女達にしてもええけどなぁ、幼馴染はそんな事できんやろ」
「彼女達って...おまえ...いつか刺されるぞ...」
「ねぇー」
坂本は大きくため息をついた。
「まぁお前が本気で好きなやつは、アイツだけだもんな」
「うっせー殺すぞ」
「殺人予告ですね」
「はいはい。帰ろうーぜ」
2人はそのまま桜を置いて歩き出す。
そこに麻美と恭子が坂本達を見つけ、走って合流した。
4人は立ち止まり、少し話して一緒に帰宅した。
それを遠くから見ていた桜は、握り拳を作り、悔しそうに嫉妬していた。
この話は坂本とわんわんしか知らない。
もちろんこの事を2人は誰にも話してない。
話す必要もないし、なによりも桜を傷つけてしまうため、誰にも言わなかった。
この事を知った麻美は驚いた。
「それじゃ今でも好きって事?」
「そうじゃない?条件にわんわんと付き合うように協力して欲しいって言うくらいだから」
「それをアンタなんの躊躇なく承諾したよね?」
「うん...時間もないしなぁ別に協力するくらいいいでしょ、まぁ...無理だと思うけど...」
「まぁ...ねぇ...」
麻美は少し落ち着きを取り戻し、ため息をついた。
「まぁ桜ちゃんの協力が必要だってわかったから後はもっさんに任せるけど...」
「おう!」
「じゃあとりあえず藤堂さんとキョーのとこにもどうろうか」
「うん」
2人は藤堂と恭子の元に戻る事にした。




