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運命の絆  作者: ふじわら
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第15章 祇園大騒動

その日の夜、邸では恭子の体調が最近頗る良く、恭子が麻美と一緒ならと言う条件で、お座敷に出る事となった。


恭子も血を吐いた以来のお仕事で、少し緊張気味であった。


それを聞いた坂本は心配したのだが、お酒を飲まないって事で渋々了解した。


わんわんとのりおも心配していたが、麻美が居るなら大丈夫かと思っていた。


そこに藤堂が迎えに来た。


坂本は藤堂と飲みに行く事を知らなかった。


「藤堂さんこんばんわ、どうしました?」

「あれ?のりお君に聞いてませんか?」

「いえ何も」

「ちと藤堂さんと飲んでくるわ」

「ああ・・・」


坂本は半分呆れ返っていたが、藤堂がいる手前何も言えなかった。


「お前も行くか?」

「俺はちょっと用事あるからいいや」


坂本は気分が乗らない為断った。


わんわんとのりおはそのまま藤堂と出かけた。


程なく麻美と恭子も邸を出て店に向かった。


坂本は畳に大の字になって天井を見ていた。


そしてふと桜の事を思い出す。


あれから数日が過ぎていたので、もしかしたら何か進展があるかも知れないと。


坂本は飛び起き、店に向かった麻美と恭子を追いかけた。



麻美と恭子がゆっくり歩いてるとそこに、全力で走って来る坂本に気がつく。


坂本が合流する。


全力疾走のため息を切らしていた。


麻美は何事かと話かける。


「どうしたの?」

「はぁはぁはぁはぁ」


全力疾走のため息を切らしていた。


「何かあったの?」

「はぁはぁはぁはぁ」


全力疾走のため息を切らしていた。


「だいぶ疲れてるねぇ?どうしたのさ?」

「はぁはぁはぁはぁ」


全力疾走のため息を切らしていた。


「おい...」

「はぁはぁはぁはぁ」


全力疾走のため息を切らしていた。


「いや疲れすぎだろ!!!」

「ネタや」


恭子は苦笑いした。


麻美は苛立ちながら聞く。


「だから何しに来たのさ」

「あの桜似の咲って子に会いに行こうかと」

「気に入ったの?」

「いやちょっと」

「ふーん。まぁいいけど」


素気ない態度を取る麻美。


坂本達は店に向かった。



同時刻、わんわんのりおと藤堂も酒が飲めるところを探していた。



そして人混みに気がつく。


野次馬気分で覗くと、侍と浪人らしき人物が揉めていた。

浪人は7人、侍はたったの2人だった。


会話を聞いていると肩がぶつかったとか、ぶつかってないで、揉めてる様子だった。


本当この手の話はいつの時代も良くある。  


わんわんはこうゆう輩の器の小ささにうんざりしていた。


「なぁのりお君こうゆう器の小さい連中にはなるなよ?」

「は、はぁ」

「藤堂さん行きましょう」

「はい」


わんわん達が立ち去ろうとしたその時だった。



浪人が侍を殴り吹き飛ばされ、そのままわんわん

に直撃した。


「痛っ!!」


わんわんは舌打ちをして浪人を睨む。


「痛てーな!!コラぁ!!」


怒り任せにわんわんは暴れた。


刀こそ使わなかったが、殴るわ蹴るわでもう滅茶苦茶だった。


それを見たのりおは思った。


「1分前のあの人はどこへ...」


だが7人もいるので流石に無理がある。



仕方なくのりおと藤堂も参戦する。


もちろん刀は抜いていない。


浪人達に勝ち目はない。


新撰組隊長の藤堂と山南愛弟子である2人に、敵うわけがない。


あっという間に蹴散らす3人。


それを呆然と見ている観衆や2人侍は呆気に取られていた。



「わんさん器の話は...」

「え?俺はでかいよ?」

「ぶつかって暴れてましたよねぇ」

「たまたまや」

「たまたまって...」


侍はわんわん達に頭を下げた。


「巻き込んでしまって申し訳ない」


のりおはすぐさま首を横に振った。


「いやいや...こちらこそなんか申し訳ない」

「助かりました。流石に7人も相手出来なかったんで、どうしたもんかと思ってました」

「怪我なくて何よりでしたねぇ」


2人は自己紹介した。


「僕は長州藩士 伊藤俊輔でこっちが井上聞多と言います」


藤堂は険しい表情になった。


新撰組の敵でもある長州藩士を助けてしまったからである。


もちろんわんわんとのりおも、その事はわかってるいるので身分を隠した。


「我々はこの辺で商いをしている者です」

「商人であそこまで強いとは...」

「いえ...偶然です」


無理がある返答するわんわん。


わんわんは昔から言い訳に「偶然とか、うっかりとか、たまたまとか」そう言う言葉を使うが、全くもって言い訳になってない。



今回は相手を助けたので、深くは突っ込まれてない。


のりおはわんわんに小さな声で囁く。


「この2人有名な人ですかね?」

「さぁ?幕末狂のもっさんじゃないから知らんけど、毎回毎回偉人に出くわす訳ないじゃん」

「そうですねぇ映画じゃあるまいしねぇ」


わんわんは突然のりおの頭をど突く。


「痛っ!」

「タメ口聞いてんじゃねぇ」


これがわんわんの器かと思うのりお。


そして2人の見解は間違っていた。


この場に坂本が居たら、飛び上がるくらい驚いていただろう。



伊藤俊輔、後々の初代総理大臣伊藤博文である。

もう1人は伊藤の盟友、井上聞多こと後々の井上馨である、井上は伊藤の内閣政権を助け、明治政府に貢献する。



そんな話はわんわん達には、どうでもいい話である。


だがこの2人はわんわん達とある共通でがあった。


4人は大の女好きであった。



助けた事でお礼がしたいと誘ったのである。


女と聞き断る理由がない。



もちろんお供することになった。


この事が大きく大きな、女同士の争いになるなんて、この時夢にも思わなかったのである。




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