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レジスタンス  作者: 猪仲
既知で未知の場所
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8/15

力の代償

【Г2058/8/21】



アンドレイと日野、佐藤、青木は戦艦のブリーフィングルームにいた。国防軍の装備や編成、人物像などを語った後、一番問題になっている戦闘母艦について語った。



正式名称を”ヴァストーク国防軍秘匿戦闘母艦”全長1200m、全高240m、全幅670mの超巨大な双頭式の宇宙戦闘艦である。主機関は縮退炉というミニブラックホールからエネルギーを取り出だし動力源としている。


主砲は150cm50口径三連装砲でこの戦艦の46cmを遥かに凌駕している。それよりも問題なのがこの戦艦にのみ搭載されている物質変換砲と錬金結界だ。


物質変換砲とは、射線上全ての物質を物質エネルギーに変換し、消滅させる兵器だ。もともと小惑星を物質エネルギーにするために開発されたものだったが、兵器に転用している。



そしてもう一つ厄介なのが錬金結界だ。これも物質変換砲と原理が同じで、物質を物質エネルギーに変換してしまうために実弾は一切通用しない。レーザーなどは当たりはするが主装甲の強化樹脂剤を破壊することは困難である。


唯一弱点があるとすれば、セーフティの都合で武器を使った瞬間武器付近の結界が解けること、そして生物は変換不可能という点だ。とくに生物を変換できない点は物質変換砲でも同じである。



それでも難攻不落の要塞が浮遊していてさらに強力な火器を搭載しているとなるともはやどうにもならないレベルである。これの対応作を一ヶ月で練らなければならない。


日本軍とアンドレイはそれぞれ案を出し合ったがどれも決定打に欠けているものだった。



アンドレイが日本軍と会談を行っている頃、リナは神父の準備が完了して記憶を取り戻すために魔法を行使してもらうところだった。



「それではいきます。準備はいいですね」


「お願いします」


「それでは行きます。オーバーマジック!」



神父が両手を合わせて唱えた瞬間神父の周りに三重の輪が広がった。輪が消えたあと、神父はリナの額に手を当てて再び唱えた。



「スーパーアクティブ、インプレグナブル、オーバーヒール!」


「わ、なにこれ・・・・怪我が治っていく」


「フフ、これぞ魔法の終着点というべき魔法”オーバーマジック”ですよ」


「アダッ!!・・・・あ」


「なにか思い出せましたか?」


「そうだ、私はヴァストークで兄の援護を・・・そしたらナビさんが出てきて・・・」


「どうやらあまり明るい記憶ではなさそうですね・・・よかったんですか?」


「いいです、これで・・・」



ふらつきながら窓の方へ行ったリナを心配して神父がつきそい、ふと窓の外を覗き込むとかなり遠くの方に何やら人工物のようなものが浮いているのが見える。



「おや?なんだかすごく遠いですが何か浮いていますね」


「あれは・・・?戦艦?ということはもう国防軍が!?大変」


「敵ですか?」


「そうです、アレが日本軍と戦うって」


「それはよくありませんね」


「神父様手伝ってくださるのですか!?」


「いいえ、魔法は人に危害を加える目的で使わないことにしています」


「わかりました・・・ではまたあとできます」


「お気をつけて」



リナは手持ちに転送装置があるのを思い出し、急いで転送装置を使い戦艦のもとへ向かった。近くで見るとかなり大きい、よく見るとタイムマシンらしき姿が見えた。まさか兄はもう捕まっているのだろうか?そう不安になりながらも、リナはとっておきのスキルを使った。



「このままじゃいけない、アレ疲れるから使いたくないんだけど。スキル複製、縮地!」



リナの虹彩が青色になったかと思うと一瞬で戦艦へ移動した。



スキル複製とは、リナの父親の血筋に代々伝わる特殊なスキルである。簡単に言うと劣化コピー能力で、ある条件を満たせばスキルを劣化はするがコピーして記憶することができる。ただし異常なまでに体力を消耗する挙げ句、劣化の影響でかなり限定的なスキルになってしまうので乱用や連続使用は不可能。


特徴としてはアンドレイのスキル同様虹彩が青くなる。何故青くなるのかはシガールも研究しているが未だに結果はでていない。



今発動したのは母親のスキルである縮地だ。縮地は本来500mほどを一瞬で移動するスキルで、剣術と非常に相性がいい。ナビの空間移動と大きく違うのはナビの場合は瞬間移動で移動する地点に自身が転移する際にじゃまになるようなサイズの固形物があった場合は移動できない。



一方で縮地は移動先に障害物があった場合はそれをどけて移動することが可能だ。リナのスキル複製では100mも移動できないが、戦艦までの距離は70m程度だったのでなんとか届く距離だった。



「やっぱりタイムマシンが着艦してる。拿捕されたのかな?」



こうなったらリナはもう止まらない、戦艦の入り口を探すまでもなく新しいRM剣で艦体を切り刻み内部に侵入した。監視カメラや赤外線センサーは全てスキルでジャミングし、制御を奪って侵入の発見を遅らせた。



そして、艦の制御室らしき場所までついたところでアンドレイと鉢合わせした。



「え?リナ!!なんでこんなところにいるんだ!?」


「え?じゃないよ兄!!助けに来たんだから早く逃げる!」


「はぁ?何言ってるんだ??ここは日本軍の戦艦で、今国防軍とどう戦うかをミーティングしていたんだが」



「・・・・・・へ?」



アンドレイは一呼吸してから、リナの記憶が戻ったことを悟った。そして改めて現在置かれている状況を説明した。国防軍の現状、山本は無事だったこと、今日本軍と共同で防衛策をねっていること。リナは頭を抱えながらも理解してくれたようだった。



「そういえば魔法とやらはどうだったんだ?詳しいやつに話を聞きに行ったんだろう?」


「そうだ、魔法って技術凄いよ!寿命を使ってスキルクラフトみたいなことができるの!」


「寿命を使って・・・?なんだかきな臭いけど見たのか?」


「みた!神父様は半人半クリーパーってすごく変な人だけど魔法使ってたよ」


「なんだそれ・・・でも会ってみたい気がするな」


「じゃあミーティング終わったら来てよ、ココから見えるあのでっかい建物だよ」


「わかった、終わったら邪魔すると神父とやらに伝えてくれ」


「はーい、転送装置作動ー!」


「アイツ、転送装置のバッテリーは3回分しかないんだから・・・あと1回しか飛べないじゃないか・・・」



壮大な勘違いをしたリナは教会に移動したあと顔を真っ赤にしながら頭を抱えていた。後ろから神父が近づいていることにも気が付かずに叫んだ。



「ああああああ神父様になんて説明したらいいんだろううぅぅぅぅう!!!」


「え?リナさんどうしたんですか?」


「ぎゃぁぁあああ!!!神父様いつのまにぃぃぃいい!!!」


「え、あ、す、すみません・・・」


「い、いいえ・・・こちらこそ大声だしてすみませんでした・・・」


「それで、戦艦はどうでした?すぐ戻られたということは大丈夫なんでしょうけど」


「え、あー・・・は、はいだ、大丈夫でした、アーハハハハ・・・・」


「それは安心しました、それで魔法について知りたいんでしたね」


「そうです、生命エネルギーを使う技術だというのは教えていただきましたけど」


「故にかなり危険な技術です。過去にこの技術を広めた結果街がほとんど滅んでしまいましたから。なので暫くの間封印していました」



「え?でも何故私に教えてくれたんですか?」


「アレは私の広め方が悪かったと今は思っているからですよ。あの頃は私も人間でしたし、少し昔話をしてもよろしいでしょうか」


「お願いします」



神父は語った。昔約500年前の話、当時ヴァストーク島は1000年前ほど栄えてはいないが今よりまだまだ人がたくさんいたという。そんなある日謎のモンスターが衰弱した状態で発見されたらしい。そのモンスターは自身を「リッチ」と名乗り、魔法技術を神父に教えてくれた。



神父は生命エネルギーの概念を安易に考え、便利なものだと街に広めたという。その結果上位の寿命を著しく減らす魔法を大した危険はないと考えて使うものが数多く現れ、ヴァストークは死の町と化してしまった。


神父はリッチに対して魔法の行使をこれ以上やらないようにするためにはどうすればいいのかを訪ねたが、もう手遅れと言われてしまい一人意気消沈してしまう。



リッチは一つだけ方法があると良い、条件として人ではなくなってしまうが助けると神父に告げた。神父は喜んでそれを受け入れて今の半人半クリーパーになったという。



しかし、その方法はあまりにも残酷だった。リッチはトランセンデントマジック「エクストラディストラクション」を発動し、ヴァストークの半分を吹き飛ばしたのだ。その結果魔法というものは危険極まりないと人々が考え、誰も使わなくなった。



条件に何故自分が人ではなくなる必要があったのかをリッチに尋ねると、トランセンデントマジックを発動するためには”人ならざる人”が二人以上存在し、二人がオーバーマジック以上の魔法を使えるというのが条件らしい。



半人半モンスターという特殊な状況になるとモンスターの「寿命がない」と人の「寿命は100年」というのが混ざり、「寿命は無制限」という魔法を使うにおいてもっともベストな状況になるという。



リッチは痛みを持って魔法を使わなくするのがベスト、使いたくなければ使わずにそのまま技術を秘匿しておけばいい。といってどこかへ去ってしまった。



「話が長くなって申し訳ありません。そもそも私が安易に広めたのが原因ということはご理解いただけたでしょうか・・・」


「そんなことが・・・聞きづらいことだったのに申し訳ありませんでした」


「いえ、お気になさらず」


「国防軍が攻めてくるのにどうしても強力な武器が必要なんです。どうしても協力していただけないですか・・・?」



「・・・非殺傷でしたらお手伝いします」


「もともとそのつもりは兄もないと思います。国防軍は仲間ですから・・・」


「それもそうですよね、わかりました。それで私はあなたに魔法技術を教えれば良いのですか?」


「是非お願いします」


「わかりました」



リナは覚悟を決めていた。魔法を使えば確実に寿命を削ることになる、それでも同国での戦闘を最大限被害が少ないようにしたいという気持ちが強かった。


そのときアンドレイが教会に現れた。アンドレイは親父の顔を見ると少し驚いた表情をしたが、冷静に聞いた。



「初めまして、アンドレイ・ワーグナーだ」


「ご丁寧にありがとうございます。ヴィンセント・C・クラークと申します」


「あんたがリナの記憶を戻してくれたのか?」


「はい、少々粗治療だったかもしれませんが本人の希望でしたので」


「そうか、感謝する」


「いえ、お気になさらず」


「魔法について質問させてくれ、今手に持っているこれを破壊することはできるか?」



アンドレイが手に持っていたのはRMと強化樹脂剤だ。戦闘母艦は基本装甲が強化樹脂剤、重要な部分がRMで構成されている。リナのスキルだけではとても暴走させることはできないほど巨大なものなので物理的に破壊したいという目的がある。



「外で実験しましょう、皆さんお手を拝借。テレポート!」



再び手を合わせて詠唱し、瞬間移動した。移動先はだだっ広い平地で、障害物は周囲にまったくない空間だった。さっきまで居たヴァストーク島とは様子が違うように見える。



「ここは・・・・どこだ?」


「ここは500年前リッチという大魔法使いが破壊したヴァストークの一部です。オーバーマジックという魔法の”リバース”で復元し別空間に封印います」



空間をまるごと再生し、それを現実世界から隔離しているというらしい。完全に科学だの錬金術だのを超越している、どちらかというとスキルに近い技術にアンドレイは見えた。



「それでは破壊できるか試してみますね、再びお手を拝借。インプレグナブル!」


何かを詠唱したかと思うと、今度は三歩ほどアンドレイたちから離れた。



「いきます、スーパーディストラクション!」



閃光が見えたかと思うと、目の前を中心に超巨大な大爆発が発生した。しかしアンドレイとリナは飛ばされるどころか、ただ爆心地に落ちただけで落ちたという実感もなく着地した。



「どうですか?破壊できましたか?」


「RMのほうは装甲だと仮定するなら十分なほど壊れている、強化樹脂材は跡形もないな。凄いなその魔法とやらは!!」


「この”オーバーマジック”は消費エネルギーは寿命1000年分です。人の域を超えた魔法です」



人外のみに許された究極の魔法がオーバーマジック、これは一日に一度しか発動できない。さらに一度発動するとオーバーマジックの魔法のうち5つまで使うことができるらしい。リナの記憶を戻すのに3つ、さっきので2つで今日はもう使えないという。



「1000年・・・確かに人じゃこれは使えないな」


「強化樹脂剤、まだありますか?」


「ああ、あるぞ」


「それでは、ディストラクション!」



今度は手を合わせたあとに詠唱した。さっきほどではないが、大爆発が起きたがやはりアンドレイとリナは無傷だった。



「強化樹脂剤はディストラクションでも破壊できますね、これは寿命100年分の魔法です」


「俺らが使ったらすぐに死にそうだな・・・」


「そうだね・・・」



二人は強力な武器であると同時にかなりのリスクを秘めていることを再確認した。たしかに強力な技術ではあるが、神父のように特殊な状況化にないとこれを使いこなすのは不可能に近いようだ。



「あ、少し閃いたかも。兄先に帰ってて」


「え?ああわかった」


「終わりましたらそちらにお送りいたします」


「それは助かる、すまないが任せた」



アンドレイはタイムマシンで大穴へ帰っていった。それを見届け兄がいなくなったのを確認したリナは、神父に語った。



「魔法でいう生命エネルギーはどうやって魔法という力に変換しているんですか?」


「簡単です、それこそが魔法技術の根本的なところです。そもそもエネルギーというものは様々な動作や減少によって減衰してしまうものなのですが、それを一度ヴィズというエネルギーに変換するんです」


「それって熱エネルギーとかでもヴィズっていうものにできますか?」


「可能です、生物は無意識に生命エネルギーをヴィズに変換して生きているわけです。もちろん食物を摂取するなどで体温を作ったり体細胞を作ったりするのですが、魂のエネルギーとでも言うんでしょうか?その手のものはこのヴィズが大本となりエネルギーを消費しています」


「ということは・・・ああこれは凄い」


「どうかしましたか?」


「いえ、兄ほどではないんですけど私もある程度錬金術や物理学を勉強していまして・・・」


「魔法技術と機械技術の融合ですか、面白いですね」


「わかってくれて助かります!できそうですか?」


「可能だと思いますよ」


「ではヴィズについてもう少し詳しくお願いします・・・」



リナがひらめいたことはエンジンの開発だ。現在ヴァストークをはじめ日本軍なども採用しているエンジンは、何らかの方法で空気を熱し、その膨張する力を使って推進力や回転力に変換している。これをもしエネルギー源から直接推進力や回転力に置き換えることができるとする。


エネルギー効率100%の超効率エンジンの完成だ。これなら魔法で寿命を減らすこともなく、技術を取り入れることができると思ったのだ。



「それはとても面白い考えですね、私もやりたくなりました。しかしその方法で魔法を発動するのは不可能ですと前もっていっておきますね」


「それは想像していました。他にも手順が必要なんですね」


「はい、念のためにそれもお教えいたします」



アンドレイに内緒で取り組み始めたヴィス式エンジン。名前をそのまま「ヴィスエンジン」と名付けることにした。完成したときのアンドレイの顔を想像しただけでニヤニヤするリナだった。




日本軍とアンドレイ、リナと神父。それぞれが互いに技術を出し合い一ヶ月という短い時間をフルに使い国防軍の襲撃に備えた。



【Г2058/9/10】



1000年前のヴァストークの気候は常に23度程度と非常にすごしやすかった気候だったが、現在のヴァストークは9月に入ると突然気温が下がり、肌寒い。アンドレイもリナも厚着をしていた。



アンドレイは黒いタートルネックにボルドーパンツ、グレーのトレンチコートを着ている。一方リナはピンクのノーカラージャケットにピンクのマフラー。緑色のセーター、焦げ茶のショートパンツに黒いニーハイとお前は一体どういう思考でそれを選んだんだという服装だ。



「お前はなんでそんな意味のわからない色の組み合わせをするんだあああ???」


「えー?そうかな?」


「まったく、一緒にいる俺が恥ずかしいわ!まあいい、お前もこれでも食え」


「なにこれ」


「これはな、エレガントでビューティフルな究極完全食物のビーフジャーキーといってな」


「ビーフジャーキー?」


「そうだ、日本軍の中でも流行っていてこれを食べただけで恋人ができたとか、戦場で帰ったら彼女と結婚するんだと言っても死ななかったとかいろいろと伝承が残っているとかなんとかってそりゃもう最高の食べ物なんだよビーフジャーキィィィァアアアア!!??」


「話が長いんだよ!ほんっとバカ兄!!」



アンドレイは記憶が戻りいつもよりキレキレのパンチを放てるリナに思い切りパンチをうけて7mほど吹き飛んだ。当然の結果である。立ち上がったアンドレイの通信端末が鳴った。


「おいアンドレイか?状況に変化があったから報告する。戦闘母艦への補給が始まった、あと10日以内にすべての準備が完了してそっちに時間跳躍する。あともう一つだけ報告がある」


「すまない、10日か・・・なんとかしよう。ところでもう一つってなんだ?」



「ああ、とりあえず時間跳躍機の前でバスタオルを持って待機してくれ」


「は?バスタオル持ってってどういうことだよ」


「いいから」



シガールからの奇妙な連絡に動揺するアンドレイだったが、とりあえずバスタオルを持って時間跳躍機の前に立った。



「いいかアンドレイ、合図をしたらバスタオルを投げろ」


「お前さっきから何を言っているんだ?」


「いまだ、投げろ!」



アンドレイがバスタオルを投げた瞬間、バスタオルは地面に落ちずに静止した。よく見ると見覚えのある、そして懐かしい姿がそこに居た。



「うわ!寒い!!なにこれ・・・あにぃこっちみないでよ!!」


「な・・・・・ナビ!!!生きてたんだな!よかった!!」


「わ!!なんで裸なのナビ姉!?」


「話はあとにしてちょっと服欲しいんだけど、リナちゃん家の位置教えて」


「うん、一緒に行こう」



二人はすぐにナビのスキルで家に向かった。一呼吸を置いて、アンドレイは思い出していた。ナビのスキルは”空間移動”そして移動するのに使った機械の特性をコピーできる。つまり1000年後に移動するという能力をコピーしていたため、ここまで時間跳躍することができたのだ。



「そうか・・・生きていたか・・・よかった・・・本当に・・・!」



アンドレイは気持ちを抑えられずしゃがみこんで涙を流した。本人もこんな感情的になることなんて滅多にないのに、今回の出来事が相当思うことがあった。シガールが一度もナビの安否を言わなかったのはナビに止められていたのだろう。


ナビがやりそうなことである。10分ほど時間がたったあと、ふとリナの絶望的なファッションセンスを思い出していそいで家に向かった。



玄関まで来たときちょうどナビとリナが出てきた。薄いグレーで丈が短めのニットワンピースに黒のストレッチニーハイブーツ姿で出てきたナビを見てアンドレイは叫んだ。



「リナ!てめぇナビみたいな普通の服装できないのかああ!!!!」


「うるさい!!これ私が選んだんだよ!!」



再びアンドレイは7m先まで殴り飛ばされた。正直こんなことをしている暇はないがたまにはこういう休息も大事だと、鼻血を流しながらアンドレイは悟りを開いたかのように思ったのであった。

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