04:正義の能力
「……わ、わたっても……」
物体を直す……それが正義の能力。
かもしれない。
もし、違う能力だとしたら、この床を渡った瞬間再び壊れ、俺は落ちるかもしれない……
2つに、1つ……
「信じよう……この正義を……」
【建物 1階】
「ふぅ……」
壁にもたれかかり、すこし休憩する。
だいぶ楽になってきた。
急がなきゃ……いけないが、こんな状態で行っても死ぬだけだ。
それだけは、それだけは避けなくてはならない。
「ふぅ……ん?」
ふと、カードの裏を見る。
何か違和感が……
「あ、あれ……?」
●が5個?
確か……6つじゃ……
「覚え間違いか……?」
いや、そんなはずはない。
……だったら、なんで?
「後で考えよう……」
体力が回復した今、彼女を助けに行かなくては……
幸い、あれから爆発音はしていない
死んでは……居ないだろう。
「えっと……確か、あった」
出口まで歩く。
「待ち伏せ……は、居ないな」
少しドアが開いていたのでそこから外をのぞく、居ない。
押しドア式だから…横に隠れられていたらおしまいだが、声も聞こえない。
俺が、外に出ようとドアを開いた瞬間だった。
「……え?」
目の前を何か黒いボールが落ちてきた。
時間にして、本の一瞬。
だけど俺にはそれが何秒にも感じた。
カチリ、と音がした瞬間時の流れが元に戻る
「ジャァァァアアアスティィィィィイイイイスッ!!!」
俺は反射的に、その名を叫んだ。
手で顔を防御する。
爆発が襲って……
「……う、……とと……はぁっ……はぁっ……」
一瞬光ったが、ボールは何も変わらず床に転がっていた。
ほんの少しの衝撃があるだけだった。
少し、押されるが何ともならない。
「はぁっ……はぁっ」
だが、もつかの間の安心だった。
再び、爆発音。
バグゥォォンと音と衝撃が建物を包む。
「なっ!? ……にぃっ!?」
上!?
上から音が!?
なんでだ!?
男はさっき森の方へ!!!
音からしてだいぶ大きい
俺は音の正体を確認しようと2階へ上がろうとする
が……
「な……なん……で……?」
床が、再び壊れていた。
直ったはずじゃ……ないのか?
物体を直すのが、正義の能力じゃ……
「ボールは直せた……まさか……」
俺はボールを置き、その場から離れた。
距離にして……数10m
「よし、このぐらい離れれば……」
近くにあったコップを床にたたきつける。
コップは音をたて、壊れる。
破片が辺りに散らばり、光を反射させる
どこか、きれいに感じた
「ジャスティス……!」
コップに意識を集中し、念じる。
「や……やはり」
コップが直ると同時に、ボールが爆発する。
驚きはしなかった。
「理解した!」
たった今、そうたった今全てを理解した!
「正義の能力は……壊れた物体を直す、すさまじい速さで……でも、1度に直せるのは1つまで……間違いない」
何気なく、カードの裏を見た。
●が2つ減り、残りは3つになっていた。
「こ、この丸は……まさか……」
能力を、ジャスティスを使える回数?
後、3回……
「てことは……えっと」
男は、あと何回だ?
「森で1回……ビルで、……3回……あと2回!」
俄然、力がわいてきた。
これを知っているだけで、だいぶ有利だ……!
負けるわけにはいかない。
「よし……」
俺はボールのかけらを拾い、森の方へ歩きだした
「ジャスティス……」
ボールは手元で直り、後ろでコップが割れる音がした




