表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
押しかけメリーさん  作者: トカゲ
ちょっとだけ帰ってきた編
PR
22/23

メリーさん?前編

ちょっとだけ帰ってきました。


都内某所に寂れた一軒家があった。

そこには大量の人形とパソコン、それと最低限生活用品しか存在しない。


家の主の名前は【遠山 輪廻】


中肉中背、おしゃれとは無縁と分かる伸びきったボサボサの黒髪がオタク臭を匂わせている。

両親は早くに飛行機事故で他界し、天涯孤独の身な輪廻だが、株で成功してちょっとした財産を築いた彼は生活にそこまで困っていない。

もう30代後半なのに彼はほとんどを家で過ごし、自堕落な生活を送っていた。


遠山 輪廻は対人恐怖症だったりする。

両親が死んだあと、親戚に親の財産を騙し取られて家から追い出されたのが高校生の時。

そこからの彼の人生は地獄といっていいものだった。

優しい両親に育てられた輪廻は人を疑うことを知らず、騙され続けたのだ。

結果、輪廻は人を信じられなくなる。


そんな輪廻の趣味は人形集めだ。

日本人形から西洋人形、果ては最近のアニメキャラのやつなんかも気に入ったものは節操なしに買い漁っている。


その中でも一番のお気に入りは小さい頃に両親からもらった日本人形で、輪廻はこの人形を【メリー】と名づけて常に傍に置いていた。

楽しい時も辛い時もどんな時でも一緒にいたメリーは輪廻にとって今では唯一の家族なのかもしれない。


「・・さて、今日の株チェックも終了っと。風呂でも入るか。」


輪廻が日課の株チェックを終えて体を伸ばし椅子から立ち上がると後ろの方からパキパキと何かにヒビが入る音がする。その音はどうやらメリーが置かれているほうから聞こえてくるようだ。


輪廻は不安になってメリーの方を見てみるとメリーの体が小刻みに震えながら全体にヒビが入っているのが見えた。


「メ、メリー!?」


最後に残った家族とも言えるメリーの異変に輪廻は動揺し、悲鳴に近い形でメリーの名前を叫ぶ。


ボワンッ


瞬間、メリーの体が煙に包まれ


「輪廻、やっと話せる!」


煙の中から黒髪の美少女が輪廻に抱きついてきた。


・・・


「輪廻りんねリンネ♪…あぁ、輪廻の匂い、いい匂い!やばい、これ想像以上!」


抱きついてきた少女は輪廻の胸に顔を埋めながら恍惚とした表情を浮かべている。

輪廻は突然の事で何が何だか分からず思考を停止していた。

しばらくして冷静になり始めた輪廻は少女を引き剥がしどういう事か聞くことにした。


「君は誰だ?ってか、なんで俺の名前を知っている?」


輪廻の質問を聞いた瞬間、少女は少し不機嫌そうな顔をする。


「私だよ、メリーだよ!何時も一緒だったでしょ?」

「はぁ?君はもしかして自分が人形のメリーだって言いたいのかい?」


輪廻の問いかけに少女は満足そうに頷く。

そんなのありえないの一言だろう。輪廻は少し呆れながら人形のメリーはそういえば無事なのか気になってそっちの方を見てみた。


「あれ?」


そして気付く

人形のメリーがいた場所には何も存在していなかった。

いや、小さな破片みたいのは落ちているが明らかに破片が少なすぎる。


「もしかして本当にあのメリーなのか?」

「だから言ってるじゃない。私、愛の力で九十九神に進化したの!」


少女…メリーはそう言ってまた輪廻に抱きついた。

ありえないと輪廻は思いながらも抱きついてきているメリーの頭を撫でる。

撫でるたびに幸せそうに顔を綻ばせるメリーを見て輪廻は色々なことがどうでも良くなり、ため息を吐くのだった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ