メリーさん?後編
これちゃんとコメディーになってる?
ただ変態が出てるだけになってない?
メリーが動くようになって1週間が過ぎた
。
突然の事で動揺し、疑っていた輪廻もメリーに小さい頃の恥ずかしい思い出をつらつらと語られ、何時もやっていたおはようとおやすみのキスを求められた頃には考えるのを放棄して少女をメリーと認めていた。
メリーは掃除、洗濯を自分がやるといって聞かず、輪廻も最低限の家事しかやっていなかったのでこれは嬉しい申し出と喜んだ。
…洗濯の時に輪廻の衣服に顔を埋めて匂いを嗅ぐのを見た時は何とも言えない気持ちになったが。
メリーは140cm程の小さな身長に黒髪で腰まで届くほどの長髪、人形のように整った顔をした美少女だ。
そんな美少女の出現で今までは静かだった輪廻の家が騒がしくなった。
メリーは人形だった頃と違って飲食が必要らしい。
メリーは料理が苦手だ。しかし食べる事は一流といえる。
輪廻の作った料理は何でも最高級の料理のように食べるのだ。もうほっぺたが落ちるんじゃないか?みたいな笑顔で何でも食べる。
輪廻はそこまで料理が得意じゃなかった。
でも、幸せそうに自分の作った料理を食べるメリーを喜ばせたくてどんどん料理の腕前は上がっていった。
今まではお金を稼いで寝るだけの日々だった輪廻の毎日がガラリと変わった。
何もかもが楽しい毎日だ。メリーと一緒にいるだけで全てが輝いているような気がしていた。
・・・
メリーが動くようになって50年が過ぎた。
メリーは昔のままの美しい少女の姿だが、輪廻は老いた。
今では寝たきりの状態だ。輪廻の寿命は尽きようとしている。
甲斐甲斐しくメリーは輪廻の世話をしているが、もうどうにもならない事は2人にもわかっていた。
「メリー、今まで一緒にいてくれてありがとうな。もう俺は死ぬみたいだ。」
「輪廻…」
「俺が死んだあと、おまえがどうなるかは分からない。財産は遊んで暮らせるくらいは残っているから自由に生きてくれ。」
輪廻はそう言ったあと、笑顔のまま息を引き取った。
メリーの涙が輪廻の顔を濡らす。
「やだよぅ…私を一人にしないでよ。」
メリーは大粒の涙を流しながら声にならない叫びを上げる。
それを輪廻は少し上の方から幽霊になって眺めていた。
「輪廻、りんねぇ!目を開けてよぅ!」
メリーが輪廻の体に抱きついて大泣きしている。
輪廻はそれを見て何とも言えない居心地の悪さを感じていた。
「あー、えっと。メリー?」
「輪廻リンネりんねぇ!起きてよぉ!…って、輪廻?」
「成仏ってどうやるのか知ってる?」
「知らない。」
どうやら彼等の日々はまだまだ終わりそうもないみたいだ。




