第九話 【冒険者の街ソラルディへようこそ!】
「このあたりは問題なさそうね」
斥候のフランツが周辺の警戒から戻ってきた。
「古城周辺に三頭か……」
手帳に目を落とすトラス。
「たまたま紛れ込んだのかな」
フランツが地図を手にトラスと話をする。
「微妙な数だな」
「探知魔法では、危険な大型魔獣は探知できなかったわ」
ナッティスと奏が輪に入る。
「奏ちゃんも何か見えた?」
「見えなかった!」
奏も得意げに伝えた。
あの部屋で練習した成果だ。
「え!?奏ちゃん探知魔法使えるのか?」
「ええまだ不安定だけど使えてるわ」
驚くトラスとフランツにナッティスもどこか自慢げに答える。
「ここへ来る途中で、魔力弾も教えたから小型魔獣の狩りくらいなら出来るはずよ」
「奏ちゃん見せてよ!」
フランツが的にする木を指さしてみせた。
「あ、ハイ!」
奏が背の高いフランツの圧に押されて返事をすると、不安げにナッティスの顔を見た。
「教えた通りにすれば大丈夫よ」
「見せてあげなさい!」
ナッティスが背中に手を添えた。
的の木から数メートル離れて杖を構える奏。
「いきます!」
奏は杖の先端に意識を集中すると、手から杖へ流れる魔力を感じる。
杖の先端に集まる奏の魔力。
魔力の流れに奏の服と髪が揺れ動く。
杖を握り直す。
杖の魔石の中で線香花火のように光が弾ける。
(こぶしの大きさ……)
(大丈夫……)
(ナッティス先生の言うとおり……)
(今だ!)
「カドル!」
————基本の魔力弾攻撃『カドル』
「え!?」
目を見張るナッティス。
杖の先端に溜まった魔力の弾が一直線に木へ。
ドォゴーーーーン!!
バサバサ……!
パキパキ……。
魔弾が衝突する。
爆発と同時に周囲に煙が立ち込めると、木が大きく揺れ周囲に枝葉をまき散らす。
「うおぉ!」
「うはぁぁぁ……」
「おいおいおい……マジでビビった!」
トラスとフランツは衝撃に声を上げる。
「ハハハ……」
引きつった笑顔で威力に汗をかくナッティス。
「先生できました!」
振り返った奏は満面の笑顔だった。
「もう少し練習しよっか」
ナッティスの笑顔が怖かった。
(魔力制御はできてるのに……)
(威力が普通じゃないわ)
煙が晴れ、木を見る一同。
大木の幹が爆散してえぐれている。
「……あの狼一撃でいけるんじゃない?」
フランツが的の木を覗き込む。
「ちがいねぇ」
トラスが嬉しそうに木のえぐれ具合を確かめる。
「いいねぇ~」
「剣士も最初は大振りだからな」
奏と木を見るナッティス。
嬉しそうな奏。
(教えるのって難しい……)
「少し先に行ったら水辺があるからそこで休憩にしましょう」
フランツが地図で説明する。
「そうだな」
「奏ちゃん探知魔法の精度を上げる練習をしましょう」
ナッティスが奏と歩きながら講義をはじめる。
「はい!」
二人で探知魔法を展開する。
「探知魔法は少ない魔力で多くの情報を得る魔法なの」
「ソナス……?」
奏はソナスの日記を思い浮かべる。
「奏ちゃん探索者ソナスを知ってるの?」
「はい、本で読みました!」
「なら話が早いわね」
「ソナスの探知魔法は適切な魔力量を維持する必要があるわ」
「さっきの魔力弾の威力調整にも役立つはずよ」
「しばらく探知魔法を続けてみて」
「わかりました先生!」
ナッティスはこの一言が快感になっている。
「森の手前にあるこの水辺よ」
先行するフランツが木の上から合図を送った。
トラスが水辺周辺を警戒して安全確認をしている。
「大丈夫そうだな」
フランツが木から降りてきてトラスに水を渡した。
倒木や岩が底で横たわるのが見えるくらい綺麗な水辺。
浅瀬にも流木や枯れ枝が沈み幻想的な景色を作り出していた。
「綺麗ね」
ナッティスが奏に話しかける。
「……先生」
杖を構える奏。
「……魔力」
「倒木が……」
「奏ちゃんどうしたの?」
ナッティスが奏の見つめる一点を見る。
水面から音もなく伸びる大鎌。
「奏ちゃん今!」
ナッティスが言い切る前に奏の杖から魔力弾がトラスに向けて一直線に放たれる。
「トラスさん避けて!」
「……!?」
トラスが振り向きざまにフランツを突き飛ばし、反動でトラス自身も後ろに上体をそらした。
水辺から伸びる巨大な鎌がトラスの頭上で空を切り、そのままフランツへ迫る。
奏の魔力弾が、その鎌を弾き飛ばしフランツの目の前を通過する。
状況を理解した三人が臨戦態勢に入る。
「エスカドル!」
既に詠唱を済ませたナッティスの炎弾が鎌の主の本体を直撃する。
倒れずに踏ん張ったトラス。
「奏!助かった!」
剣を抜いて構えると鎌の付け根に一撃を入れる。
ギィィィィ!!
鎌だけが地面に転げ落ち、奇声を上げて本体は水中に飛び込もうとする。
「させない!!」
フランツの至近距離からコンパウンドボウによる
一射!二射!三射!
金属製の矢が巨大な甲虫の頭、胴、腹を見事に射貫いた。
バシャバシャ!!
水底の砂を巻き上げながら必死に潜る鎌の主が水中でもがいているのが見える。
「そろそろだな」
水中で動きを止めた本体が痙攣しながら水面へ浮かび上がる。
トラスが屈みこみ脚に魔力を込めた。
地面を蹴り数メートルジャンプする。
ダンッ!
——ドッシャーン!!
水面に浮かぶ鎌の主を目掛けてトラスの一撃が入る。
水柱が上がる。
静まり返る水辺。
「こわかった……」
杖を握って立ち尽くす奏。
「終わったみたいね」
「だね」
ナッティスとフランツが顔を見合わせる。
「よかった……」
後ろでホッとする奏。
「ありがとう奏」
奏をめいっぱい抱きしめる二人。
「あぁぁぁぁ~」
「お~い手伝ってくれ~」
トラスが岸まで仕留めた獲物を引っ張ってきた。
鎌の主を水辺から引っ張り上げる三人。
引き上げられた鎌の主は枯れ木や枯れ枝を身に纏った魔物だった。
「タガメと水カマキリの親戚みたい」
奏がつぶやく。
「なんだそりゃ?」
トラスが隣で聞いていた。
「日本にいる虫の名前だよ」
「へぇ~おっかねぇのが居るんだな」
「それより、まじで助かった!」
「ありがとな!」
奏の頭にポンと手を置く。
「へへへ~」
嬉しそうな奏。
「これは延髄鎌キリね」
解体を始めるフランツとトラス。
「あとちょっと遅れてたらこいつにやられてたな」
「ほんとに危なかったわね」
苦笑いするふたりの横で奏が作業を見ている。
「こいつの鎌見てみ」
鎌を持って見せるトラス。
「刃が丸い」
奏が顔を近づけて視る。
「切れないの?」
「刃先が丸い鎌で首筋に一撃入れて気絶させ、生きたまま体液を吸うのよ」
テキパキと素材に分けるフランツ。
「……コワ!」
顔を引きつらせる奏。
「奏ちゃんこっちおいで~」
遠くからナッティスが呼ぶ。
「あいつ虫系苦手だからな」
ハハハ……。
トラスが奏にナッティスのところへ行くように、手で促した。
奏とナッティスは少し離れて待つ事にする。
「あの虫もこの辺には居なかったはずなのに……」
「ヤダヤダヤダヤダ……」
奏の後ろに隠れるナッティス。
「せんせ~大丈夫ですよ~」
ナッティスの頭をポンポンした。
「ナッティス~ふくろ~」
トラスが手を振って呼んでいる。
ナッティスが奏に袋を手渡した。
「はーい!いま~」
奏がナッティスから小さな巾着袋を預かるとトラスの所に駆けていく。
「ありがとな」
袋を受け取るとトラスは袋のヒモを緩めて口を広げる。
シュポ!
纏めた素材が袋に吸い込まれてしまった。
「マジックポーチ!?」
「なんだ?知ってるのか?」
「本で!」
奏が鞄をポンと叩いた。
ジー。
ナッティスが鞄を見てから奏の顔を覗き込むと、ニッと笑う。
「あはははは……」
奏が笑って誤魔化した。
「どした?」
トラスが二人に首を傾げる。
「女同士の秘密よ……ね?」
ナッティスが頭を傾ける。
「アハハ……」
奏は笑うしかなかった。
(先生には敵わないや……)
「そろそろいくよ~」
フランツが遠くから皆を呼ぶ。
先行するフランツの後を三人がついていく。
林を抜け街道へと降りていく奏達。
太陽は既にてっぺん近くまで昇っている。
「もうすぐ見えてくる頃だな」
トラスが奏に右手方向を見るように指さした。
「すごい!お城みたい!」
街の城壁を見て感動する奏。
「冒険者の街ソラルディ自慢の一つだ」
トラスが誇らしげに語り始める。
「へぇ~」
話に聞き入る奏。
「厄災級魔獣の攻撃でも持ちこたえる魔法防壁もあるの」
ナッティスも楽しそうに説明する。
「厄災級!?」
「エンシェントドラゴンとか?」
二人の空気が変わる。
「……」
「奏ちゃんその話は街ではダメよ」
「どうして?」
「この街……」
「いえ、ここにあった国はそのドラゴンに滅ぼされかけたのよ」
ナッティスがいつにも増して真剣な口調で語る。
「え……」
さっき街を見下ろした高台が見え、その向こうに古城が聳え立つ。
ソラルディの城壁から古城までの間に無数の破壊された人工物が横たわっているのが目に入った。
「通って来た森の中の遺跡も全部……」
「あそこまで一つの街……国だったんだ」
奏の背筋に冷や汗が伝う。
「ごめんなさい、知らなくて」
「いいの、大昔の話だけど」
「恐怖は今も残っている」
「わかってもらえてよかったわ」
ナッティスが笑顔に戻る。
奏が城壁を見上げる。
「きっとこの城壁でドラゴンから守れるよね?」
奏に握られた杖で魔石がパチと光る。
「こっちよ~」
城門の近くで先に受付を済ませたフランツが手を上げている。
フランツに合流する三人。
「門番には話をつけてあるわ」
「よし、じゃあ街へ入るか」
「うん!」
トラスの呼び掛けに奏が元気よく答える。
「この子か?」
入場管理局の役人が奏を見て書類を書く。
「ああ、古城近くで保護した」
「父親とはぐれたらしい——」
トラスが説明をする。
「あとはギルドから連絡が入るようにする」
淡々と業務をこなす管理局員。
「分かった」
「ここに名前を書いてくれ」
管理局の職員が書類を指さして、ペンを差しだした。
「奏書けるか?」
トラスが受け取って奏に渡した。
「任せて!」
【マツワカ カナデ】
魔法で覚えた字を丁寧に書いて見せた。
「へぇ~大したもんね」
フランツが驚く。
「奏くらいの子供が字を書けるのは珍しいな」
トラスが職員に手渡しながら感心する。
「私は書けたわ」
ナッティスは自慢した。
「ずっと魔導書ばっかり読んでたからな」
「何よ!」
トラスを杖でグリグリするナッティス。
「はいはい行くわよ!」
奏とフランツが二人を置いて、分厚い城壁のトンネルを通り抜ける。
【冒険者の街ソラルディへようこそ!】
街の入り口の空へ、歓迎の一文が魔法で大きく打ち上がる。
美しく整備された街並みが奏を出迎えた。
「わぁ~!」
「綺麗!屋根が赤い!」
奏が城壁内にひしめく街並みを見て声を上げる。
「火に強い魔石瓦を使ってるから赤いんだって」
「すごい瓦だね!」
大通りを奏とフランツが並んで歩く。
「真っすぐ行けば広場よ」
「人がい~っぱい」
獣人の揺れるしっぽにつられて飛び出す奏。
「猫耳!」
「うさ耳!」
「色んな人が居るねぇ」
「ワニ?ドラゴン?」
行き交う人々を覗き込む。
「はい、そこまで!」
フランツが奏と手をつなぐ。
「お~いたいた」
トラスがナッティスを肩に担いで追いかけて来た。
「下ろして~!」
「恥ずかしいから~!」
ナッティスが足をバタつかせている。
奏は昔、自分も父に担がれた事を思い出した。
「せんせ~何処かお店に入ろうとしたの?」
トラスの背中で項垂れるナッティス。
「お!よくわかったな」
ナッティスを肩から下ろすトラス。
「魔導書店に入ろうとして止めたんだよ」
「入ったら最後出てこなくなる……」
「そんなことないもん!」
「二、三冊見て出るつもりだったの!」
ナッティスが頬を膨らます。
(あ……絶対無理だろうな)
他人の事はよくわかる奏。
「ほらギルドへ行くぞ!」
「奏の事もしてやらんとな」
「それが終わったら昼飯だ」
「ごはんだ~」
「よし、早く行こ~!」
ナッティスとフランツが奏の手を取って駆けだした。
「やれやれ……」
トラスは女達を後ろから嬉しそうに眺めてる。
大通りを抜けた先にある広場の一角にひときわ目立つ建物。
【冒険者ギルド ソラルディ本部】
「わぁ!」
「冒険者ギルド!」
「立派な建物!」
またも奏のキョロキョロが始まった。
「すっごい盾!」
「でっかい剣!」
「ちっこ……」
「はい!ストップ!」
奏の暴走をナッティスと止めるフランツ。
三人でギルドの中に入る。
「あんたら似たもの師弟だね」
「「そんなことない(もん)(わよ)!」」
プハハハハ……。
「ほらね」
奏とナッティスが顔を見合わせる。
「あ、やめろ!」
「やめて~ツンツンするな!」
二人で笑うフランツを杖の先で突く。
「はーい、三人ともそこまで!」
トラスが三人の頭を撫でまわした。
「報告するぞ」
トラスは三人を引き連れてギルドの奥へ向かう。
奏はスパイルパーティに囲まれて受付窓口に立つ。
「トラスさん達早かったですね」
顔見知りのギルド職員、マリドが趣のある木と大理石であしらったカウンターの向こうで対応する。
「ああ——古城周辺調査の件で直接上に報告したい」
「それと、この子を保護した」
奏の肩に手を置くトラス。
「ええ、管理局から連絡を受けてます」
「マツワカ カナデさん詳しく話を聞かせてもらえますか」
奏はトラス達に話したようにマリドにはぐれた経緯を説明した。
「この街にお父様に似た方が来られたらすぐに報告が入るように管理局に連絡を入れておきます」
マリドが書類を書きながら説明する。
「そうだ、冒険者登録しておくか?」
「身分証にもなるし、何かと便利だからな」
「奏、何歳だ?」
「12歳です!」
トラスが奏を見るとすでにやる気に満ちていた。
「お、おう……ちょうど12歳から登録できる」
「やった!」
「どうすればいいの?」
「マリドこのままお願いできるか?」
「大丈夫ですよトラスさん」
「では、このまま奏さんの冒険者登録しますね」
「この紙に手を置いてください」
カウンター越しにマリドが奏の前に用紙を差し出した。
紙の上側に【登録用検査用紙】とだけ書いてある。
ナッティスを見る奏。
彼女が奏の腕を掴んで紙の上で手を開かせた。
「ちょっとだけ魔力を流してみて」
「こうですか」
奏が手に魔力を少し込める。
ふわり。
置かれた紙がカウンターから数センチ浮かび上がる。
白い紙に奏の名前が浮き出ると
その下に様々なデータが記載されていく。
性別:女性
年齢12歳
職業:未定(未登録)
冒険者適性:F(未登録)
——————
——————。
一通り文字が浮かび上がると、用紙の後半で
魔力の項目に差し掛かりピタリと反応が止まる。
「ん?」
別作業中のマリドが検査用紙のいつもと違う挙動が気になった。
用紙が微かに震えだすと、魔力量数値が一気に跳ね上がる。
「……え?」
登録用紙を取り上げるマリド。
魔力量を示す数値が、見た事もない桁まで一気に跳ね上がっていく。
(止まらない!)
「あー、ちょっとお待ちください」
マリドが席を立ち慌てた様子で奥の部屋へ入っていった。
「なんだ?」
トラス。
「さぁ?」
フランツ。
「…………!」
ナッティス。
(すっかり忘れてた!!!!!)
奏の顔を見るナッティス。
「受付さんどっか行っちゃったね」
キョトンとした顔をする奏。
「大丈夫よ……きっと……」
ナッティスがいびつな笑顔をする。
「お、戻ってきたな」
トラスの声で皆が顔を向ける。
奥の扉から二人飛び出してきた。
マリドと上司のルスカスだ。
二人とも動揺しているのが分かる。
「えーっととりあえず……」
「用紙の方に不具合があったかもしれないのでもう一度……」
マリドがルスカスに目配せをしてから奏の前に新しい用紙を置いた。
「お願いします……」
「はい」
奏は先ほどと同じように紙の上に手をかざして魔力を込めた。
——ふわり。
置かれた紙がさっきと変わらずカウンターから数センチ浮かび上がる。
[マツワカ カナデ]
——————。
——————。
——————。
——————。
——————。
——————。
魔力量——————。
さっきと全く同じタイミングでピタリと止まる。
ゴクリ……。
息をのむマリド。
パシ!
用紙の振動を見た瞬間ルスカスが用紙を取り上げる。
ルスカスの手の中で震える用紙。
マリドと覗き込む。
「もう少しお待ちください!」
マリドがそう言うとまたも二人して奥の扉に引っ込んだ。
カウンターで立ち尽くす四人。
「なんだ、なんだ?」
トラス。
「おなかすいた」
フランツ。
「ハハハ……」
ナッティス。
「登録まだぁ~?」
奏。
「お!終わりそうだ」
トラスがそういうと、奥から今度は三人出てきた。
副ギルド長のマルコを先頭にさっきの二人がついてきた。
「久しぶりだなトラス」
「マルコも元気そうだな」
二人は知り合いのようだった。
「髭男……」
奏が目を丸くしてマルコを見つめる。
目が合ってビクッとする。
(眼力コワッ)
マルコはワイルド髭の屈強な男。
トラスの倍くらいの体つきだ。
「そのお嬢ちゃんの冒険者登録だが、少し時間が掛かりそうだ」
「そんなに大事なのか?」
おっさん二人がカウンターと奏を挟んで話し合う。
「出身国、日本国に登録が無くてな、おそらくポーター案件だ」
マルコが髭を触って難しい顔をする。
目線の先は奏の杖。
「ポーター……なら仕方ないか」
パチッと光る杖の魔石。
「そういう事だ……」
「決まり次第報告するからギルドの宿で数日待機しといてくれ」
「宿代はこっち持ちだから心配するな」
「あと、トラスはちょっと奥まで来てくれ」
「古城周辺の件は俺が聞く」
「三人はそこのギルドのカフェで食事して待っといてくれ」
「ごちそうさまです!」
奏が髭にお辞儀する。
「ハハハハハ!」
「お嬢ちゃん気に入った!」
豪快に笑うマルコ。
「俺にツケとけ!」
「よかったな!腹いっぱい食っとけ!」
そう言うと、トラスがカウンターの中に通されて
マルコと一緒に奥へ向かった。
「奏やったね!」
嬉しそうに奏に顔を近づけるフランツ。
「よくやった」
満足そうにうなづくナッティス。
「髭いい奴だね!」
奏は受付のマリドとルスカスにお辞儀をして手を振る。
マリドとルスカスも会釈して手を振る。
不安な笑顔で見送る二人。
三人は和気あいあいとギルドカフェへ。
「「「ごはんだ!」」」
彼女達の楽しい声がギルドの賑わいと調和する。
20261102
誤字修正、可読性の向上の為の修正。




