登校
通学路を歩く子どもたちの声に目を覚ます。
少しでも節約をしようと、窓を開けて眠るようになった今日この頃。
梅雨も明け、少しずつ暑くなる中、クーラーはなるべくつけずに暮らそうと、年寄りみたいなことをし始めた。
どのみち体調が悪くなろうがなんのその。自分にはいくらでも時間があるのだ。
午前七時ごろ、何の気なしに散歩をしてみる。
そこらには小学生がたくさんいて、楽しそうに喋りながら歩いている。
子どもの頃のことなんてあまり覚えていないけど、あの頃は夢いっぱいで、いろんなことに挑戦していた気がする。
今となっては、あの頃よりできることはずっと増えたはずなのに。
そんなことを考えながら、彼らの後ろ姿をぼんやり眺めていた。
これって、不審者扱いになるのか。
ちょっと不安になって、その場を離れる。
横断歩道には、交通安全の旗を振るおじいちゃんが立っていた。
毎朝ここに立っているのだろうか。ボランティアなのか、それとも地域の当番なのかはわからない。
ああいう立場になれば、平日の朝から外を歩いていても警戒されないのか。
そんな打算にまみれたことを考えてしまう。
どうせ歩くならと、自分が小学生の頃に使っていた通学路を歩くことにした。
あの頃と景色が違って見えるのは、自分が成長したからだろうか。
目に映るものすべてが、小さく感じた。
通学路も、公園も、よく友達と寄り道していた空き地も。
子どもの頃はあんなに広く感じていたのに。
大きくなったのは体だけじゃなくて、きっと負の感情も。
そうじゃなきゃ、平日の朝から一人で昔の通学路なんて歩いてないだろうし。
あの店、潰れたのか。
車で通っている時には気づかなかった、大きな変化だった。
生きるのに精一杯で視野が狭かったのか、それとも車では見落としていただけなのか。
どちらにせよ、仕事なんて心に悪影響だ。
そんな都合のいい理由で自分を正当化して、元来た道を戻る。
現実は眩しすぎる。




