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何のために生きるのか  作者:
始まり
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3/16

好きなことして

やることがない。


無職になると、暇になる派と、やりたいことがありすぎて忙しい派がいると聞いたことがある。

働いていた時は、漫画にアニメ、ゲームなど、やりたいことがたくさんあったから、自分はそんなことにはならないだろうと思っていた。


しかし、現実は甘くない。


朝起きて、「今日何しよう」と少し憂鬱になる日もあった。

もちろん、動画投稿サイトや小説投稿サイトを開けば、毎日のように新しい作品が投稿されている。それらをぼーっと眺めて一日を終えることもできるだろう。


だけど、それもなんだか虚しかった。


次の仕事のために資格の勉強をしてみようかとか。

動画を作って、その収入だけで暮らせたらいいなとか。

できもしないことを考えては消してを繰り返し、その日を終える。


そんな日々が続いた。


大学には行っていないし、工場勤務で特別なスキルが身についたわけでもない。

そこでようやく、自分には何もないことに気づいた。


やることがないんじゃない。

やりたいことがないんだ。


真面目な人間だったとは思う。

学校の成績は悪くなく、仕事も同世代より評価され、ある程度信頼されるくらいには何事も真剣に取り組んできた。


言われたことだったから。

そうやれと指示されて、その通りにやっただけだから。


だから、それなりにできるようになった。


なんでも自分で決めていい立場になって、有り余る時間を前にして。

そこにいたのは、何もできない自分だった。


ならば、どうするか。


今あるものは何かと言われれば、有り余る時間と、五年間働き、趣味もほとんど持たずに貯め続けた貯金くらいだ。


とりあえず何でもやってみることにした。

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