10/16
雨
雨が嫌いだった。
学生の頃は、登校は徒歩か自転車だった。
傘やカッパを着ていても、多少は濡れてしまう。
その状態で一日が始まるのが、少し憂鬱だった。
働いていた頃は、洗濯物を外に干せないのが嫌だった。
部屋干きをすれば生乾きの匂いが気になるし、乾燥機を回せば時間がかかる。
その後始末まで含めて生活リズムが崩れるのが、やっぱり憂鬱だった。
今は別に気にならない。
濡れるのが嫌なら、外に出なければいい。
洗濯が外に干せないなら、乾燥機にかければいい。
何なら明日にすればいい。
有り余る時間は、僕の嫌いを一つ克服させることに成功したわけだ。
散歩も、雨の日は様相が変わって楽しい。
童謡にもあるみたいに、長靴を履いて水たまりを飛び回る。
汚れも時間も、何も気にせず飛び回る。
傍から見たらヤバいやつかもしれない。
それでも平日の昼間、しかも雨の中を歩く人なんてほとんどいない。
誰にも見られず、誰にも気を遣わずにいられる。
そんな時間は、僕が自由になれる数少ない時間でもある。
好きも嫌いも。
得意も苦手も。
きっと気持ちと環境次第。
そんなことを思った。
雨はまだやまない。
やまなくても構わない。




