表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

66/68

今更現れた最悪の敵

 レイカが再び証言を始めようとした所で、今まで姿の見えなかったミントが現れた。


 強力な仲間の登場だ。


 これで勝てる!


 ミントは俺の傍まで来ると俺にだけ聞こえる様に呟く。


「ぷくくく。まんまと騙されたのね、おバカさん」


 なんだと?


 バカってなんだよ!


 ミントは話を続ける。


「レイカの右手を見て見なさい」


 レイカの指にはシンプルな指輪が着けられていた。


 今まであんな指輪をレイカがしているところを見たことが無い。


「あの指輪は人を思い通りに操ることの出来るグレードAの魔道具『傀儡(かいらい)の指輪』。グレードBの魔道具の『サビアのバングル』では隷属状態を上書きすることは出来ないの」


「ミント……お前は仲間じゃ無かったのかよ?」


「わたしがいつあんたの仲間だなんて言った?」


 ミントは腹を抱えながら笑いが堪えられずに「ぷくく」と笑いが口から洩れている。


「わたしはこんなに苦労してるのに、あんただけが面白おかしく暮らしているのが気にくわなかったのよ」


「なんだと!」


 そんなことの為に俺を嵌めて、レイカ迄俺から奪ったのか?


 許さん!


 怒りが込み上げて、俺は思わずミントの胸倉を掴んでしまった。


「殴るなら殴りなさいよ!」


 慌てて駆けつけた裁判所の事務官に振りほどかれる。


 ボールドはそれを見てニンマリと笑っている。


「このように容疑者アルクは法の聖地の裁判所であろうとも法を意に介さぬほどの暴力的な性格なのです」


 ミントの去り際にボールドがサムズアップしてミントによくやったと合図を送っているのが見えた。


 あいつらグルだったのかよ。


 たぶん魔道具で俺とミントの会話も聞かれてたな。


 やられたぜ。


 傍聴人の注目を浴びたミントがとんでもない提案をした。


「裁判長、これ以上の裁判は無駄じゃないでしょうか?」


「確かに……」


 裁判長は頷いている。


 俺がミントの胸倉を掴んだことで完全に窃盗犯扱いだ。


 ミントが提案の内容を切り出す。


「そこでサビア自らに審判を下させるのはどうでしょうか?」


「ほう、それはいかように?」


「ボールド様がサビア・レイカに『今回のサビア窃盗犯に断罪を下せ!』と命令を下すだけです。盗み出し、今まで道具のように使っていたサビアに断罪されるのならば彼も本望でしょう」


「それは面白い趣向ですね」


 裁判長は裁判を放棄してミントの提案に乗ってしまった。


 裁判長なのに裁判を投げ出すなんてことあっていいわけが無いだろ。


「なんで審議をすっ飛ばして、いきなり判決みたいなことを始めてるんだよ!」


「却下! 容疑者は聞かれた時以外は沈黙を守りなさい!」


 俺が全力の抗議をしても裁判長は聞く耳を持たない。


 当事者でもないミントが唐突に提案をした事は許すのかよ……。


 わけがわからん。


 ボールドがレイカに指示を出した。


 「サビア窃盗犯に断罪を下せ! 身体を八つ裂きにしてやるのだ」


「わかりました、マスター」


 一見すると『サビアのバングル』で隷属状態から解放されたように見えるレイカ。


 その実、レイカは『隷属の指輪』でボールドに操られたままだ。


 レイカはボールドの命令を聞き、俺に有りもしない罪で断罪を下そうとしている。


 俺の今の状況はかなりヤバい!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ