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ライムの後悔

「はぁ。なんでアルクさんはあのオーガ女と仲良くしてるのよ」


 ライムは急ぎだったとはいえ、アルクに泊まりの発生する緊急のクエストを発行したことを激しく後悔していた。


 ミントの親友のライムは実は幼いころからアルクのことが好きだったけど、親友のミントがアルクの彼女だったので好きだとは言い出せなかった。


 でも天職の儀で状況が変わった。


 謎のジョブを引いたアルクをミントが捨てたのだ。


 なんでアルクさんを捨てたのか儀式の後にミントに聞いたらしれっと言った。


「理由? そんなの簡単よ。騎士団にも魔導士団にも入れなさそうな天職引いたからにきまってるじゃない。あんなポンコツはお断りよ」


 ちょっと前まで彼氏だったアレクさんをあんなの呼ばわりするのは酷過ぎる。


 ミントの愚痴はそれだけで終わらずまだまだ続いた。


「あんなのを旦那にしたら絶対に苦労するのが目に見えてるじゃない。あいつと付き合ってたのもいいとこに就職出来そうだったからで、結婚したら将来安泰だと思っただけよ」


「じゃあ、わたしがアルクさんと付き合ってもいいの?」


「いいけどやめときなさいよ、あんなの。あとで絶対苦労するわよ」


 ミントはそう言って笑っていた。


 ミントからアルクさんとの交際の許可は貰ったものの、陽キャのミントのようには気軽に告白できない。


 陰キャなライムは考えた。


 冒険者ギルドの受付という立場を利用して、アルクさんがわたしの告白を断れない状況を作り出せばいいじゃない。


 まずはギルドの冒険者にアルクさんのあることないことの噂を吹き込んでパーティーへの参加を拒ませる。


 パーティーを組むのに苦労しているアルクさんにサビアのことを教えてパーティーに入らずとも自前でパーティーを結成する手段を教え希望を持たせると共に、他のパーティーへの参加を自ら諦めさせる。


 一年間依頼を真面目にこなせばサビアという仲間を買え、パーティーを組めることをアルクさんに教えてね。


 でも、アルクさんがこなす低ランク依頼の報酬では一年程度頑張ったぐらいじゃまともなサビアが買えないことをわたしはミントから聞いていて知っていた。


 必死に貯めたお金でサビアを買えなければ心が折れる。


 そして挫折したアルクさんをヒモとして囲おうと思ってたのだ。


 ヒモにした後は簡単よ。


 わたしに依存させて逃げられなくしたところで告白し結婚するの。


 これがわたしの考えに考えた絶対に断られない告白法よ。


 確かにこのライムの作戦はアルクがサビアを買いに行くまではうまくいってた。


 あの報酬ではまともなサビアが買えないのはミントから聞いていた通りだった。


 実際、ミントから聞いたのはアルクさんが買って来たオーガ女は剣も持てない全くの役立たずだったわ。


 でもそれが……。


 あのオーガ女はいつの間にか普通に戦えるようになっていたの。


 そして隣町への配送の依頼を終えた今、アルクさんとあオーガ女の仲は急速に縮まっていた。


 わたしはなにを失敗してしまったんだろう?


 ライムはどこで運命の歯車が狂ってしまったのか自問自答をするのであった。

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