夜のフォレスタリアで見たもの
フォレスタリアの調査に向かったギルド長とソニアに会うため、フォレスタリアへ早馬車を飛ばしたハリーとライムとアイラ。
道は真っ暗で早馬車を走らせにくかったが、魔物に追われてるわけではないので散々早馬車を走らせたハリーにしたらかなりの余裕である。
フォレスタリアに到着すると村の入り口に馬車が何台も止まっていた。
どうやらフォレスタリアでの用事はまだ済んでないようだ。
「まだギルド長の用事が片付いていないみたいだな」
「そうみたいですね」
フォレスタリアの村の中央まで行くととんでもない惨状が待っていた。
野盗だろうか?
二人の男が死体の山を前にして胡坐をかき、酒を酌み交わしていたのだった。
ハリーは唖然とした。
どう考えても野盗が死体の山を築いたとしか思えない。
「お前ら、なにをやっているんだ!?」
死体を前に酒を酌み交わすとか、まともな神経の持ち主がすることじゃない。
ハリーの言葉には答えずに、男たちはゆっくりと立ち上がる。
「新しい獲物のお出ましだ」
「3人じゃ酒のつまみにもならねーな」
「とっとと片付けて宴会の続きをするか」
「酔いがさめる前にぶっ倒そう」
やはりこいつらが死体の山を築きあげた元凶か!
ハリーは吠えた!
「ふざけるな! 糞野盗が!」
凄まじい迫力!
それは迫力だけではない。
相手は慄き、短時間であるが全く身動きが取れなくなる。
ハリーの天職の重戦士のスキル『ウォー・クライ』だ。
ハリーは男の首を刎ねるべく素早い動きで距離を詰め剣を振り降ろす。
だが男たちはハリーよりも素早く剣を繰り出し、ハリーの両肩を突いた!
闇夜の村に響く絶叫!
「ぐあああ!」
男たちは薄ら笑いを浮かべていた。
「ウォー・クライか? そんなチンケな技なぞ俺たちには効かねーよ」
「それに俺たちは野盗じゃない。リリアク親衛隊が一人『灼熱のガイル』」
「同じくリリアク親衛隊が一人『隔壁のオルタ』」
ハリーはリリアクという名前を聞いたことがある。
インキュバスの眷属のオオコウモリの名前だ。
つまり目の前にいるのはひとの見た目をした魔族。
ハリーが脂汗を額に浮かべながら聞く。
「オオコウモリのリリアクだと?」
それを聞いたオルタは激怒して刺した剣を捻る。
またしてもハリーの悲鳴が村に響く。
「ぐあああああ!」
「我が族長をコウモリ呼ばわりするとは許せぬ人間め! このまま始末してやるか!」
「どうせなら女子どもも含めて苦痛を与えまくってやろう」
「ぐふふふ。それはいい考えだな」
ライムとアイラにも危機が迫る。




