土砂崩れ調査
俺たちはフォレスタリアへの街道の土砂崩れ調査をすることにした。
ライムに貰った依頼書の写しを確認する。
依頼書には冒険者をオーク村の討伐に送り込んだフォレスタリアへの街道の帰り道で土砂崩れが起きたらしく、未だに戻って来てないとのこと。
フォレスタリアの村は俺たちが拠点にしているタウンシアの町の冒険者ギルドとそれほど付き合いがない。
商人の往来も半年に一度程度といった感じの寂れた村だったが、10日前にフォレスタリア近郊のオークの巣のオーク討伐依頼に送り込んだDランク冒険者パーティーが戻ってこなかったので土砂崩れに気が付いたとのことだ。
別の冒険者を調査に送っても土砂崩れが起きていてフォレストリア迄辿り着けなかったといい、土砂崩れの規模を聞いてみても『土砂崩れが起こっていた』と言葉を濁すだけで要領を得なかったそうだ。
こんな子どものお使いみたいな仕事、俺たちのする依頼じゃない。
レイカのツケの支払いで金に困ってなければノーサンキューで願い下げだ。
さっさと街道の土砂崩れの場所と規模を調査して報告し、報酬を貰うのだ。
俺は駐馬場へと向かう。
「アルク様、今回の依頼は徒歩で向かうのではなく馬車を使うんですか?」
「ああ、こんな依頼とっとと済ますに限る。報酬を貰ったら他の依頼だ」
「なるほど」
馬車をチャーターしてフォレストリアに向かって貰う。
チャーター代は金貨5枚なので報酬の金貨1000枚と比べれば安いもんだ。
馬車の中ではソニアが俺に抱きついて来る。
「今夜こそ、アルク様と初めての夜を……」
「レイカの借金を返し終えたら、考えないこともない」
「頑張ります!」
レイカは敬礼のポーズを取って気合入りまくりだ。
アイラも俺に抱きついて来た、
「アルク、今夜こそ……」
さすがにアイラとはまだ早い。
「アイラは未成年だからそんなことはしないけどな」
「えっ? なんで?」
「そりゃ、未成年との淫行で衛兵に捕まりたくないしな」
「成人すればいいんですね」
「ああ」
「言質は取りましたから必ずですよ」
サビアであっても未成年との淫行は違法である。
それを聞いていたレイカが不思議そうな顔をしていたので、俺たちの関係を説明する。
本来、未成年の『性サビア』なんてものはサビア屋では売って無いんだが、色々と事情があってアイラをサビアにしたことや婚約した経緯をレイカに話しておいた。
性サビアでも無いのに俺に抱きつくアイラを見てレイカが驚いていた。
「もしかして御主人様はサキュバスのように魅了スキルが使えるのですか?」
「つかえないけど?」
するとアイラが答えた。
「レイカもすぐにアルク様の良さに魅了される」
「そうそう」
「レイカだってアルク様に助けて貰ったんだから、いつアルクに魅了されてもおかしくない状態」
「確かにご主人様には助けて貰って感謝の気持ちしかありません」
「今すぐ魅了されてもいいけど、その時は第三サビアですよ」
「第三サビアは確定的」
レイカは首を傾げていた。
「でもおかしいですね。さっきから魅了を掛けられている気がするんですが、魅了しているのがご主人様で無ければ打ち消して構いませんか?」
「勿論だ。レイカも魅了など使わずとも俺に惚れさしてやる」
そんな馬鹿話をしていると何事もなくフォレスタリアの村にまで馬車が着いてしまった。
土砂崩れなんて何処にも起こってなかった。
「どうなってるんだよ?」
「土砂崩れの調査だったのに依頼と話が違いますね」
こう言う場合はどうすればいいんだろう?
なにごともなくフォレスタリアに馬車が着いたことで、俺たちは困惑していた。




