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第百三十九話「第1回、ストレンジワールドかくれんぼ大会INユグ木」

「「「魔石が17個も入る剣だと!?」」」

「魔石が……は、外せるのかね!?」

「なるほど、確かに理を外れてるな……」

「どうです、師匠の凄さがわかったでしょうっ!」

「凄さを知ってても驚くんだものっ♪」

「きゅーい♪」

「ねぇねぇ、ケント君、どうするのっ?」



 はい、デュークの装備を首以外全て神速にしてみました!



「こうします」

「アハハハハハハハッ!

 自分で言うのもなんだけど気持ち悪いねっ!」

「目や動きは大丈夫っすか?」

「ちょっと走ってくるねっ♪」

「行ってら――」


 フッ


「み、見えなかったよ……」

「ガディスが見えないんじゃ俺に見えるわけねーな」

「……これならいけるな」

「問題はデュークさんが耐えられるか――」

「ただいまっ♪」

「セリフを全部言わせてくださいよ」

「ごめんなさいっ」

「で、どうでした?」

「速いかなって思ったけど、少し慣らしたら丁度良くなったよっ」

「ふむ、こちらは大丈夫そうだな。

 アーク、ラーナ……テレスとケミナを呼んでおけ。

 我々も間も無く発つぞ」

「「はいっ!」」

「あ、ガラードも連れてってください。

 あいつの腹を引っ込ませなくちゃいかんので、こき使ってください」

「あいつが言う事聞くか?」

「このままだとその腹が爆発すると言っておけば大丈夫です」

「ははははは、了解した!」

「ガラードおじさん可哀想ねっ♪」

「デュークさん」

「なんだいっ?」

「明日、ダダンへ行きましょうか」

「うん、いよいよだねっ」

「僕達の誰かが付いて行こうか?」

「んー、あまり神者ギルドを離れてほしくないので、そちらをお願いします」

「わかったよ!」

「それじゃ僕とケント君の2人で行くのかいっ?」

「役に立ちそうな人間が1人いまして……それと後は、ビーナスかな?」

「レオナの事かね?」

「ですです」

「剣人、行ってくる」

「気を付けて」

「看守を舐めるなよ?」

「あははは、良い知らせを期待します」

「うむ」




 はい、ユグドラシルの木に戻って参りました!


 さてさて、さっき言った役に立ちそうな人間を呼び出すとするか。


 《件名:チャムさんこんちゃー!》

 《チャムさんが作った一番カッコ良い剣を一本持って、ユグドラシルの木まで来てください☆》


 宮廷鍛冶師が作った剣……ダダンの王「レイム・ダイアード」へのお土産でございます。

 こういうのって大事よね!



 チーン!


 《件名:お前一体何やったんだ!?》

 《何故か脱退者扱いになってるぞ!》


 まぁ、そんなに持つとは思いませんでしたけどね!

 ミナとジェイド君も呼ぼうかしら?


 《件名:怖い人は》

 《連れて来ないでくださいねー。

 あ、こっそりミナさんとジェイド君を連れて来たら、特別講師を紹介しますよー》


 テンダーには悪いが、あいつは看守の仕事があるからな。

 一応テンダーにもメッセージしとくか。


 《件名:やっほー》

 《いつも通りの勤務をお願いします。

 もうちょっとで驚かせられると思います》


 チーン!


 チャムからの返事だな。


 《件名:無茶言うな!》

 《がしかし、頑張ってみよう》


 特別講師ネタで釣れたか?

 まぁ元々悪い人じゃないしな。

 アンチは今マサゴでいっぱいいっぱいだろうから、こっちには手を出せないだろう。

 そもそも俺が連絡をとってくるって思わないんじゃないか?

 裏の裏の裏まで読めばそれは考えられるが、アンチにそれが出来るかっていうとキャパオーバーな気がしないでもない。


 チーン!


 《件名:おう!》

 《ちぃと早いが、囚人に看守の真似事させてるから安心しろ!

 俺も混ぜろと言いたいところだが、こっちの事をやれる人間が1人はいた方がいいだろう!

 こっちの身体の事もある、早めに頼むぜ!》


 さすが部隊長に選ばれるだけはあるな。

 しっかりしていらっしゃる。


 しかしこの黒い竜は本当にとんでもないな……。


「さんまんきゅーじゅーにー、さんまんきゅーじゅーさん♪」


 滑舌がどんどん良くなっていく……。

 1秒より早く数えるから、5万秒が思ったより早いぞ?


「レウスもうすぐ遊べるよ!」

「そーだねー」

「何して遊ぶの!?」

「チャッピーが考えておくって言ってなかったかー?」

「か、考えてるあるし!」

「ほーう、何するんだー?」

「かくれんぼ!」


 その図体でよく言ったなこいつは。

 まぁ2000年前に結構遊んだしなー、チャッピーもチャッピーで懐かしいんだろう。


「おーし、そんじゃキャスカとマカオも一緒にやるかー」

「ふふふ、自然に溶け込む我の隠形術を楽しみにしているがよい」

「かくれんぼって何なの~?」

「キャスカ、マカオに教えてやってくれ」

「ふっ、この神速のキャスカに敵はいない!」


 皆もストレス溜まってそうだし、息抜きは大事……だが、かくれんぼで発散出来るストレスってどうなんだ?


「スンちゃんは来ないのかしら~?」

「もうすぐ来るんじゃないかー?」

「ふん、スンなど我の敵ではないわ!」

「チャッピー数えなくていいのかー?」

「さんまんきゅーじゅーよん!」





 約2万秒後……。


「ご、まんっ!」

「お疲れ様~♪」

「もう夕方だぞー?

 ホントに今からやんのかー?」

「何を言うレウス、夕方になってからの方が面白いのだぞ!」

「このキャスカ様を前に臆したか!」

「ん……こりゃ、スンとハティーとビアンカの匂いだな?」


 おぉ来た来た。


「私も混ぜるのだー!」

「うふふ、懐かしいわっ♪」

「何であいつら知ってるんだ?」

「キャスカのヒューマンカードで我が呼んだのだ」


 どんだけ器用な左手なんだよ……。


「ふふふ、メンツも揃ってきおったな」

「アタシはもう隠れる場所を決めたわ」

「鬼は誰がやるんだよ?」

「「「レウスに決まってる!」」」


 現在、妻や親友達からいじめにあっているRです。


「あらそうなの~?」

「レウスは隠れるといつも見つからないんだ!」

「私の鼻なら見つけられるのだ!」

「ハティーが鬼の時は絶対に空か水中か地中なのよっ」

「空は難しくても水中や地中なら追えるんじゃな~い?」

「きゅっきゅっきゅきゅきゅきゅ!」

「水中から地中に入ったら手がつけられないのだ!」

「その逆だった時は我でも驚いたぞ!」

「レウス、遊びじゃ嫌われてるわね~?」

「本気を出さなくちゃ失礼だからな。

 せっかくこんなに身体が動く世界に来れたんだから、色んな事を試してみたいだろう?」

「限度があるのだ!」

「ところでハティーは指示した事終わったのか?」

「なははははは、このハティー様にお任せあれだ!

 あと、200ページ位で終わるのだ!」

「まだ3分の1も終わってないじゃん」

「さ、参加しちゃダメなのか!?」

「いや、構わないが、帰ったらちゃんとやるんだぞ?」

「レウス大好きなのだ!」

「我のが好きだし!」

「きゅーきゅきゅきゅー!」

「あら、アタシはレウスに愛されてるのよ~?」

「私も負けてないわっ♪」

「神速のキャスカ様はぶっちぎりだ!」

「はいはい、ありがとうございます」

「早速やるのだ!」

「半径……500メートル以内で隠れてくれ。

 見つかったらここに戻って、自分で恥ずかしいと思うポーズで立ってる事。

 30分で俺が全員見つけられなければ、皆に大サービスしてやる。

 30秒経ったら探し始めるぞー」

「「「は~い!」」」

「よーい……どん!」


 ヒュヒュヒュヒュンッ




 はい、30秒であります!


 さーて……とりあえず、大きい身体のチャッピー君から探すかね。


 って思ってた時期が俺にもありました。


 ユグ木のてっぺんに枝を模したポーズをしている、偉大な空の支配者がおりましたとさ。

 ホントうまく溶け込んでるわ。

 別の意味でだけどな。

 なんか魔王城のてっぺんにあるガーゴイル像の様に溶け込んでるぞ。


「チャッピー見っけ」

「…………」

「見つけたって言ってんだよ」

「我は今、聖なる枝と化している。

 枝にチャッピーと言うお主は、どうかしていると思うぞ?」

「チャッピーは罰ゲーム決定かな?」

「はい、見つかりました」

「よし、それでいい」

「かくれんぼって我に合ってなくない!?」


 今更だな。


「お前がやるって言ったんだろうに」

「だからって最初に見つける事ないじゃん!」

「いいから恥ずかしいポーズしとけ」

「覚えていろレウスめ…………ふんっ!」


 短い右足のみで立って、えび反り……というよりイナバウアー的なポーズのチャッピー像が出来ました。


「恥ずかしいっ!」

「まー、頑張ってくれ。

 さて、次見つけるならマカオかな?」

「ふっ、我が友は我程たやすくはないぞ!」


 そのポーズでその発言はどうなん?



 ……さてマカオマカオ。


 まぁ誰かを絞る必要もないか。

 とりあえず隠れられそうな場所を探していこう。

 ……ダンジョンでも入ってみるか。


 はい、ダンジョン最深部です!


「やーん、待ってたわ~♪

 私がこの男女(ダンジョ)ンのボスよ~ん♪」

「マカオ見っけ、さようなら」

「ちょっとアタシの見せ場ここだけなの~?」

「大丈夫だ、ユグ木の前で恥ずかしいポーズを後で晒してやる」

「うふふふ、任せてちょうだ~い♪

 美の極致を見せて……そう、魅せてあげるわ!」

「うん、さようなら」


 さてお次は……あぁ、俺が回復(ヒール)してる場所も隠れられそうだな?

 俺が探し始めた後潜れば、俺が探すとは思わない奴が……いたわ。


「おいキャスカ、胸が隠せてないぞ」


 なんでこいつは根っこの中に隠れる事を選んだんだ?

 隠れられるスペースなんてないのに……。


「な、なんで胸だけでわかったんだ!」

「お前の胸は世界最強だからだ」

「し、神速なのか!?」

「ちょっと意味わからないわ」

「むぅうううっ」



 はい、地上で……すが…………仰向け大の字でハァハァ言いながら寝てるキモチワルイ馬がいます。

 マカオって身体柔らかいんだなー、とか思う訳もなく、マカオ全体にモザイクをかけたい気持ちで一杯です。

 不快感を感じた方は「ポニー 画像」とか検索して、和む事をお勧めします。



「はぁはぁはぁ……あぁんもうっ」


 もうなんだよ。



 さてさて、ユグ木周りの水場でも見てみるか。


 …………ふむ、水に浮かぶ青い色した球体がありますね。


「スン、擬態するにはちぃと青過ぎるぞ?」

「きゅい!?」

「空気吸えるホース状の口を形成して、それを外に出して水中に入ってれば良かったんじゃないか?」

「きゅー……ブクブクブクブクッ」


 うん、天使。


 ……さて、残るはビアンカとハティーか。

 あ、恥ずかしいポーズが思いつかなかったのか、キャスカはチャッピーの真似をしてたぞ。


 ハティーなら……匂いだな。

 あいつは風呂をさぼると、たまに獣臭いからな。

 クンカクンカ……んー、これは良い匂い。

 絶対これはビアンカだな……。


 まぁ先で良いか。


 ……なんだこれ、匂いが地中に行ってるな?

 スンとキャスカが整地してくれたが……整地が甘かった場所に入ったのかしら?


 かなり弱い……そうビアンカならノーダメージ位の剛遠剣!

 ヒュッ……ドゴンッ


「あいたっ」

「相変わらずやんちゃだな」

「私が掘った場所だから大丈夫だと思ったんだけどなーっ」

「俺の鼻は特別製だぞ?」

「あっ……そうだったわっ」

「策士策におぼれる……か?」

「策って程じゃないわよ」

「さいですかー」

「ところで、チャッピー達のあのポーズは流行ってるの?」

「……スンも人型になって真似してるな」

「確かにあれは恥ずかしいわね……」

「オリジナルでも構わんぞ?」

「マカオのは無理ね」

「でしょうね」

「楽しみにしといてっ♪」

「へーい」



 さーて、意外にも最後のハティーちゃん。

 残り時間はおよそ6分程。

 クンカクンカしてもあいつの匂いがしないって事は、匂いを消したか、匂いを消せる場所にいるって事だな。

 この短時間だと前者の可能性は低いから……水中が地中?


 ふむ、……見つからんな……?

 匂いが途切れた場所くらいあっても良いもんだが、皆がかくれんぼを始めた場所から匂いがほとんど動いてない。

 これ以上探せそうな場所……。


 待てよ?

 マカオ以外の魔物は擬態をしてたな?

 ハティーもそれに行きつくか?

 可能性は否定できん。

 ここら辺でハティーが擬態出来そうな場所は…………?


 とりあえずビアンカの女豹のポーズは素晴らしい…………が、しかしだ、スンもチャッピーも少し笑ってるのが気になるな?

 マカオは相変わらず息が荒い。


 キャスカは、あのポーズのせいか鼻が拭えなくて、鼻水がずるずるして出たり入ったりしてる。

 体内から追加される鼻水のせいでそろそろ垂れそうな状況です。


 ……あぁ、そういう事か。


「チャッピー」

「…………」

「おいチャッピー」

「…………んー?」

「ちょっとアーンってしてみ?」

「………………んー?」

「口開けないともう遊ばないぞ」

「……ぐすんっ」


 カパッ


「なぁっ!?」

「はい、ハティー見っけ」

「何故わかったのだ!?」

「……とりあえず身体洗って来い」

「そ、そんなに臭うのか!?」

「あぁ、チャッピーくさい」

「洗ってくるのだ!」


 ヒュンッ


「レウス、酷いよ!」

「おう、酷いぞ」

「我しっかり牙磨いてるもんね!」

「体液ってのはどうしても臭うもんだ」

「し、知ってるし!」

「はぁはぁ……た、体液~っ♪」

「マカオうるさいぞー」

「こ、言葉責めってス・テ・キ♪」

「戻ったのだ!」

「ハティー全裸で戻ってくんな!」

「恥ずかしい格好なのだ!」

「ストレートに受け取らんでよろしい!

 いいから服着てきなさい!」

「そうなのか!?」

「なるほど、我も思いつかなかったな」

「お前は常に裸だろうに」

「アタシも鞍さえ外れればもっと凄いのが出来たのに~♪」

「お前は心に何か着せてくれ」

「レウス、そろそろやめてもいいか!?」

「おう、いいから鼻拭け鼻!」

「きゅきゅーい」

「おっ、さすがに用意が良いな、スン」

「きゅいっきゅ!」

「……ビアンカはどうしたんだ?」

「いまいちポーズが決まらないのよねーっ♪」

「そうだな、もう少し尻を突き出す感じのがエロエロだな」

「なるほど……こうかしら?」

「えーっとだな……こうだこう!」

「……こう?」

「もう少し……こうだ!」


「そこの馬鹿共は何をやってるんだ……」

「あ、チャムさんちーっす!」

「「「「ちーっす!」」」」

「馬鹿の集まりかここは」

「ドンさん……少しは部隊長の自覚を持って頂きませんと……」

「あ、ミナさんちーっす!」

「「「「ちーっす!」」」」

「す、凄いっ、召喚獣が生き生きしてますっ!?」

「あ、ジェイド君ちーっす!」

「「「「ちーっす!」」」」

「ドンさんは一体何をしているのでしょうか?」

「ユグドラシルの木の回復治療です」

「…………とてもそうしてる様には見えないのですが?」

「このポーズには理由があります。

 がしかし、恥ずかしがったら負けだと思ってます」

「「「…………」」」

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