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カラ「水ザバーあ」

「…ふふっ」

古い、木造でできた家の中で、一人の少年が両手に木箱を抱えながら、不敵に笑っていた、はたから見れば突然笑い出した無気味な少年であるが、恐らく内面を見ることができればそのような判断はすぐさま消えるであろう、少年のこの笑いは不気味な物とは正反対な物なのだから。


「カラちゃんにあだ名付けされちゃった」

そう、この少年は先ほど自らの唯一の友達に、あだ名を付けられた事に喜びを感じていたのである、思わず思いだし笑いをしだす程に。


「…もともと僕の名前は、僕を捨てた見ず知らずの親が付けたもの、それなら、初めてこんなにも親しくなれたカラちゃんが付けてくれた名前のほうが、断然いいや」


どうやら、この少年ヒロヨシにとって、カラが付けてくれたあだ名には、ただ唯一の友達が付けてくれたという意味合いより、もっと重い意味合いが有ったのかもしれない。

そのためか、カラにあだ名の由来は何と聞いて、カラが「分からない」と言っても、別に何とも思わないでいたのであった。


「明日はカラと一緒に何処に行こう、近くにある海がいいかな?あそこの岩場には沢山の魚が一杯いるし、カラちゃんも喜ぶだろう、うんそうしよう」

友達が居ない影響なのか、誰も居ないおもわしき場所で、少年はこれから起こるであろう、カラとの楽しい出来事に心寄せながら、荷物運びの仕事に従事していたのであった。

「…」

しかし、所詮はただの少年、一流の兵隊でもないヒロヨシによって、近くにヒロヨシの言葉に耳を傾けていた人物が居たとは、想像もつかなかったであろう。

まして、そのヒロヨシの言葉に耳を傾けていた人物により、最悪の事態が迫っていることなど、ヒロヨシが知る由もない。









…ああ

酒のみてえ

こんなクソ見てえな人生さっさと止めてしまいたいわ、またリセットしたいは本当に。

今度はパンツとしてではなく、キチンとした人間で、ホモサピエンスしてな。


どうするか、このままじゃカラがヒロヨシに取られるのも時間の問題、そしてつまり、同時に幾ら俺がカラを美少女にしてやったとしても無駄と言う事になってしまう。

いっそ、他の不細工でもいいから他の少女にするか?


そう思ったりもしたが、現状ではカラは俺を手放さないであろう、なんでかって?カラが持ているパンツは俺一個だけだからさ。

是は俺の操作もあるが、単にカラがパンツ一着も買えないほど貧乏だからである。


え?じゃあ逆にカラの精神を操作して、無理やり脱がしたらどうかだって?

…いやねえ、幾らなんでも決心がつかないと言うか。

一応俺がカラに投資した額は結構な量でして、そう簡単に手放せるものではないのですよ。

これを捨てるには相当勇気というか、覚悟が居る、それにカラに対しての思入れもそれを妨げる。


結局結論から言うと、とりあえず様子見と言う結論に至ったのであるよ諸君。

もしかしたら奇跡が起こってヒロヨシがどっか行くとか、ヒロヨシの心がどっか行くとか、カラが断ってくれるとか、他の友達ができてむやむやになるとかそう言うの…


…二人が仲良く遊んでいる中何を思っているのだろう俺は、こんな幸せそうな二人を引き裂きたいと思ってしまう俺はどうすればいいのであろうか。


神よ…我に救いを、このパンツという無機物になり果てた哀れな者に救いのてを…


くるわけないですよね。


いや…本当に幸せそうですな、濡れるのも気にせずに、男女二人で海で水かけ合戦し合っている姿は真に絵になる光景ですわ。


ヒロヨシも、そしてカラちゃんもこの上ない笑顔でホントよろしい様で。

俺もこんな年少期を送りたかった、本当に人生やり直したいわ、なんでパンツになってしまったし。


おっ、ついに取っ組み合いか?ヒロヨシの奴カラの髪をくしゃくしゃにして遊ぶなよ、後で俺が整えにゃならなくなるだろう、カラちゃんも、そのままヒロヨシに飛びかかるんじゃありません、恥知らずな…


そして最終的に二人は、砂浜に倒れこみ、二人笑顔で笑いあいましたとさ。

何この王道?

俺邪魔じゃねえ?異分子じゃねえ?医学的に言うとばい菌だよねえ、このあと白血球とかそう言うのに退治される予定のあれだよね。


俺には何時、春は訪れるのだろうか。




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