少年「ねえ」
俺は最近思うんだよ。
こうなんて言うかさ、もうちょっとカラに救いはないのかってね。
いやいや前々からそう思ってたけど、より顕著になったと言うか。
だってさ、歩いてたら突然大人の連中によって理不尽に殴られるのは日常光景、いじめっ子どもの暴行もまた日常である。
マジ救いないかな、せっかくのファンタジーな世界なのに勿体ないのだと俺は思うのだよ、魔法あり夢ありなのによ…いい加減チート能力くらい欲しいのに、ずっと寄生虫モドキのパンツのまま…これが異世界ファンタジーの現実なのか…
まあ俺がこの世界にパンツとして生を受けてしまった理由も理由なのだが…
やっぱりあの時の行為を償うためにも善意ポイントをためなくちゃダメなのか…いまいち善意とかいうのがどの程度の行為を表すのか分からんが、とりあえずカラを支援を続けつくらいしか道はないし、どうすることもできない…
はぁ…パンツはつらいぜ。
せめてカラに友達でもできればいいんだけどな本当。
「ラン…ラララン~」
カラは最近調子の良い声を使って、毎度のことながら地元で流行っている歌謡曲を歌っていた、もちろんただ歌っているのではない、現在進行形で押し付けられている皿洗いをしているのだ。
「…冷たいな」
しかし洗っている水はとても冷たく、歌うのもやめてそう思ってしまう、けどカラはそんな事などすぐに気に留めずに、心の中で、冷たい水によって冷やされた手を温める火を思い浮かべた。そしてその温かい火にあたっている自分を浮かべながら、カラはまた歌い出したのであった。
そして普通ならこのままカラは皿洗いを終えて、そのまま次の押しつけられた仕事を行うつもりであった、現にカラも、まさかあのような事が起きるとはみじんにもおもっていなかったのだから。
「…ねえカラちゃん」
そう、絶賛皿洗いをしているカラに向かって話しかけきた声が有ったからである。
「え?」
もちろん、カラは驚く、このように自分に話しかけてくるのは珍しい上に、さきほどこの人物はカラちゃんと、ちゃんづけで呼んできたからである、この孤児院に住んでいる時そのようなちゃん付けはもちろん行われておらず、まともな名前ですら呼ばれてもらえなかった、主にゴブリン、トロール等々のモンスター、屑、カス、うんこ等の卑猥な言葉、大人たちにまでそう言われていた。
「…」
カラはおそるおそる声がした方向を見つめている、そこには、茶髪の髪をした、一人の少年がたっていた。
少年はカラと目が合うと、意を決したように言った。
「ねえ、僕も手伝って良い?」
「…」
カラは一瞬皿を取り落としそうになりかけた。少年のその言葉に更に絶句して、動けなくなったほどだ。
カラはじっと少年をみつめる、その顔は、いままで一応顔見知りな、いじめて来た連中ではなく、初めて見る顔の人物であった。
「…良い…の?」
「ああっ」
少年はにっこりと笑いながら、カラに向かってそう言った。
まずはじめに言おう
誰やねんコイツ。
あれか?油断させておいた上で、ハハハハッお前もしかして俺が味方だと思ってたのかよ、バカだろうお前、クズううううう!!っていうような奴なのか?そうなのか、いやきっとそうだろううん…こいつだっていままでカラをいじめて来たんじゃねーか?いじめてきた奴なんて、あんまり覚えてないというのは置いておいて。
もしそうだとしたらどうする?
殺すか?倒すか?どちらにせよやられる前にやらねば…
…どうやって?
あれむりじゃね




