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やっと自由になれると思ったら、ヤンデレたちが異世界まで追ってきた

第一話 やっと自由になれる


かつて、世界最強と呼ばれた男がいた。


彼は大魔王ルシファーを倒し、大天使ミカエルとも戦い、無限に成長する薬を飲み、ついには拳で次元に穴を開けるほどの力を手に入れた。


世界を救い、数々の強敵を打ち倒した彼には、十人のヤンデレがいた。


彼女たちは、主人公を心の底から愛していた。


ただし、その愛情表現は常軌を逸していた。


主人公を独占するためなら国を滅ぼす。邪魔者がいれば排除する。主人公が逃げようとすれば捕まえる。主人公が嫌がっても、本人のためだと信じて愛情を注ぎ続ける。


そして、ついにその日が来た。


十人分の愛情が一斉に主人公へと向けられた結果、主人公の股間は木っ端微塵になった。


「やっと……自由になれる……」


それが、主人公の最期の言葉だった。


彼は死んだ。


しかし、神様はそんな彼を不憫に思った。


「あなたには、次こそ平和な人生を送っていただきましょう」


神様は主人公を異世界へと転生させることにした。


そこは、魔王討伐も世界の危機も存在しない、平和な世界だった。


学校があり、友達ができ、恋愛もできる。


主人公は新しい体を確認した。


股間も元どおりになっていた。


「……よかった」


主人公は涙を流した。


もう戦わなくていい。


誰かに追い回されることもない。


好きな人と普通に付き合い、友達とくだらない話をして、平凡な毎日を過ごせる。


そんな人生が、ようやく始まるのだ。


ところが。


「神様♡ 私たちも転生させてくださいませ♡」


背後から、聞き覚えのある声がした。


振り返ると、十人のヤンデレが並んでいた。


「……なんでお前らがいるんだよ!?」


「主人公様と離れ離れになるなんて耐えられませんわ♡」


「私たちも転生します♡」


神様は困惑した。


「転生は1日に1人までというルールがございます。どうかご容赦ください」


しかし、ヤンデレたちは諦めなかった。


彼女たちは、せめて主人公の生活を監視できるようにすることを要求した。


神様は抵抗した。


しかし、十人のヤンデレを相手にするのは無理だった。


こうして、主人公の新しい人生は、本人の知らないところで監視されることになった。


神様は頭を抱えた。


「……本当に、これでよかったのでしょうか」


## 第二話 初めての男友達


主人公は学校に通い始めた。


授業を受け、休み時間にはクラスメイトと話す。


何もかもが新鮮だった。


そして、主人公には一人の男友達ができた。


「おい、主人公! 昼飯、一緒に食おうぜ!」


「ああ!」


男友達は気さくで、話しやすかった。


趣味の話をして、授業の愚痴を言い合い、くだらないことで笑う。


主人公は感動していた。


(これだ……! 俺が求めていたのは、こういう普通の青春なんだ!)


男友達は明るく笑った。


「明日も一緒に飯を食おうぜ!」


「おう!」


主人公は嬉しかった。


しかし、彼は知らなかった。


その男友達の正体が、魔導のヤンデレだということを。


魔導のヤンデレは、完璧な男の姿に変装して主人公へ近づいていた。魔法による変装は主人公が全く気づかないほど精巧で、声も仕草も普通の男子生徒そのものであった。


主人公は彼女を、普通の男友達だと信じ切っていた。


一方、監視モニターの向こうでは、ヤンデレたちが歓喜していた。


「主人公様に男友達ができましたわ♡」


「素晴らしいことですわね♡」


「ですが、恋愛関係に発展する可能性のある人物には注意が必要ですわ♡」


彼女たちは主人公を愛するという目的を共有していた。


神様だけが不安そうに呟いた。


「……普通の友達くらい、自由に作らせてあげてください」


誰も聞いていなかった。


## 第三話 いじめを止めたら友達が増えた


ある日、主人公は学校でいじめを目撃した。


一人の男子生徒が、複数の生徒に囲まれていた。


「おい、やめろよ!」


主人公はすぐに割って入った。


いじめられていた男子生徒は、監視・情報特化のヤンデレが変装した姿だった。彼女もまた、主人公に正体を悟られないよう、ごく普通の男子生徒の外見と声を完璧に装っていた。


そして、いじめる側の中心人物を演じていたのは、格闘特化の男のヤンデレだった。彼も同様に、主人公が気づかないよう、不良生徒らしい外見に変装していた。


これも計画の一環だった。


主人公が困っている人を助ける性格であることを利用し、自然な形で友達になるための作戦だったのである。


「チッ……覚えてろよ」


格闘特化のヤンデレは、わざと悪態をついて去っていった。


主人公は、いじめられていた男子生徒を気遣った。


「大丈夫か?」


「……ありがとう」


こうして主人公は、また一人、友達を得た。


その後、格闘特化の男のヤンデレとも、何だかんだで関係ができていった。


主人公は満足していた。


(友達が増えていく……! これが普通の学校生活なんだ!)


一方、監視モニターの前では、監視・情報特化のヤンデレが主人公の行動を細かく記録していた。


表情、声の調子、仕草、視線の動き。


その情報は、ほかのヤンデレたちにも共有されていた。


「主人公様は、困っている人を見ると放っておけないのですね♡」


「本当にお優しい方ですわ♡」


神様は眉間を押さえた。


「……友達作りまで分析しないでください」


## 第四話 初めての告白


ある日、主人公は一人の女子生徒に呼び止められた。


彼女は緊張した面持ちで、主人公を見つめた。


「ずっと前から、あなたのことが好きでした。よかったら、私と付き合ってください」


その女子生徒の正体は、嫉妬のヤンデレが変装した姿であった。彼女も主人公に分からないよう、ごく普通のクラスメイトの女子生徒として完璧に姿を変えていた。


主人公は驚いた。


しかし、嬉しかった。


これこそ、彼が望んでいた普通の青春だ。


「ありがとう。俺でよければ、よろしくお願いします」


女子生徒の顔がぱっと明るくなった。


その瞬間だった。


魔導のヤンデレが、監視モニター越しに静かに魔法を発動した。


「……移動完了です♡」


女子生徒の姿がふわりと消え、学校の別の場所へとテレポートされた。


彼女はすぐに別の女子生徒として紛れ込み、何事もなかったかのように日常に戻っていった。変装は依然として完璧で、主人公が気づく余地はなかった。


主人公は呆然とした。


何が起きたのか、まったく理解できなかった。


「俺、誰かと喋ってなかったっけ……?」


そこへ、格闘特化の男のヤンデレがやって来た。


「気のせいじゃね?」


「……そうか?」


主人公は納得できないまま、その場を離れた。


監視モニターの向こうでは、ヤンデレたちが魔導のヤンデレを称賛していた。


「素晴らしい判断ですわ♡」


「主人公様の恋愛を邪魔する存在を、迅速に排除……いえ、移動させましたのね♡」


「これで主人公様は、余計な女性関係に悩まされずに済みますわ♡」


神様が叫んだ。


「いや、今のは普通に告白を受けていただろうが!!」


しかし、ヤンデレたちは誰一人として反省しなかった。


嫉妬のヤンデレは、別の場所で小さく息を吐き、変装を微調整しながら呟いた。


「……これでよかったのよね。主人公様の邪魔にならないように♡」


その夜。


嫉妬のヤンデレは、監視室にいる魔導のヤンデレの元へ直接向かった。


「魔導さん……ちょっと話があるの」


魔導が紅茶を傾げながら振り返る。


「どうなさいましたの、嫉妬さん♡」


嫉妬は少しだけ唇を噛み、真剣な表情で切り出した。


「……この世界でくらい、私に主人公様のヒロインをやらせてほしいの。ちゃんと恋人として」


魔導は静かに目を細めた。


「ほう……?」


「みんなで主人公様を愛しているのは分かってる。でも、普通の学園生活でちゃんと恋人になってあげる役が必要じゃない? 私がその役をやるわ。邪魔はしない。むしろ、他の子が近づきすぎないように調整するから」


嫉妬の声には、いつもの明るいアイドル気質とは違う、静かな決意が宿っていた。


(私は他のヤンデレに嫉妬しない。だからこそ、この役は私が一番向いているはず……。主人公様に普通の恋人を体験させてあげたいの)


魔導はしばらく沈黙した後、にっこりと微笑んだ。


「……いいですわ♡ ただし、計画全体に支障が出ない範囲で、ですのよ♡」


「わかってる。ありがとう」


こうして、嫉妬のヤンデレは再度、別の女子生徒として主人公の前に現れた。変装は引き続き完璧で、主人公は彼女を「少し前に消えた子とは別人」だと自然に受け入れていた。


数日後の放課後。


「……あの、前に告白したとき、急にいなくなっちゃってごめんなさい。もう一度、ちゃんと聞いてくれますか?」


主人公は驚いたが、彼女の真剣な瞳に動かされた。


「……ああ。俺でよければ」


こうして、主人公には正式な恋人ができた。


嫉妬のヤンデレは、心の中で小さく安堵の息を吐いた。


(これでいい。主人公様の青春を、ちゃんと守ってあげられる……)


## 第五話 元の世界は大変なことになっていた


主人公が平和な学校生活を送っている一方、前世の世界は危機に瀕していた。


主人公がいなくなったことで、世界を救う者がいなくなったのである。


かつて主人公を妬んでいた三人の男たち。


そして、主人公を見下していた勇者。


彼らは、世界を救うために立ち上がらざるを得なかった。


今まで主人公に任せきりだった問題を、自分たちで解決するしかなかったのだ。


一方、ヤンデレたちは神様からの連絡にも応じなかった。


「世界が危機に瀕しています! どうかお戻りください!」


「主人公様の学校生活を監視中です♡」


「今はそれどころではありませんわ♡」


「しかし、世界が滅びます!」


「主人公様の青春のほうが大切ですわ♡」


神様は絶望した。


その間にも、前世の世界では三人の男たちと勇者が必死に戦っていた。


彼らは主人公を見下していた。


しかし、主人公がいなくなった今、彼らは初めて知ることになった。


主人公がどれほどの仕事を背負っていたのかを。


それでも、ヤンデレたちは監視をやめなかった。


主人公が友達と昼食を食べる様子を見て、幸せそうに微笑んでいた。


嫉妬のヤンデレは、恋人として主人公と一緒に昼食を取りながら、内心で静かに思っていた。変装したままの自分を、主人公はただの恋人として受け入れてくれている。


(みんなは監視してる。私は隣にいる。これでバランスが取れてるはず……)


## 第六話 ゲイバーのお兄さん、教師になる


ヤンデレたちは、主人公の学校生活をさらに充実させようと考えた。


そこで、ある人物に目をつけた。


かつて主人公が通っていたゲイバーのお兄さんである。


彼は主人公と関わりのあった人物だった。


しかし、本人に確認することもなく、ヤンデレたちは彼を転生させることにした。


「えっ、ちょっと待て! 俺は聞いてないぞ!?」


抵抗もむなしく、彼は異世界へと送り込まれた。


しかも、薬学特化のヤンデレによって顔まで変えられてしまった。


「いや、俺の顔じゃねえだろ!」


彼の抗議は聞き入れられなかった。


こうして、ゲイバーのお兄さんは主人公の通う学校の教師として配置された。


主人公に正体を気づかれないよう、顔は別人の美青年に変えられていた。


本人の意思など、どこにもなかった。


神様は呆れ果てていた。


「……どうしてこの方まで巻き込むのですか」


「主人公様の学校生活を豊かにするためですわ♡」


「本人の同意は!?」


「必要ありませんわ♡」


こうして、ゲイバーのお兄さんの第二の人生も、勝手に始まった。


嫉妬のヤンデレは、主人公と手をつないで下校しながら、教師になったお兄さんを遠目に見て小さく呟いた。彼女自身も、引き続き普通の女子生徒として変装を崩していなかった。


(……あの人も巻き込まれちゃったのね。でも、主人公様が安心できる人が増えるなら、いいかも)


## 第七話 主人公の体力が落ちている


ある日、格闘特化の男のヤンデレは、主人公の様子に違和感を覚えた。彼もまた、不良生徒の変装を維持したまま行動していた。


「……なあ。主人公、最近ちょっと体力落ちてねえか?」


主人公は、前世では世界最強の男だった。


しかし、転生後は平和な学校生活を送っている。


命懸けの戦闘もなければ、世界を救うために鍛錬する必要もない。


当然、以前と比べれば体力は落ちていた。


格闘特化の男のヤンデレは心配した。


「このままじゃ、主人公様が本来の力を発揮できなくなるかもしれねえ」


彼は監視モニターの向こうにいる仲間たちへ連絡した。


「おい。主人公様の体力を戻すために、何か魔物でも送ってやろうぜ」


ヤンデレたちは賛成した。


「主人公様のためですものね♡」


「適度な運動は必要ですわ♡」


「では、主人公様が全力を出せる相手を用意しましょう♡」


神様は嫌な予感がした。


「……適度な運動ですよ? 分かっていますね?」


ヤンデレたちは笑顔で頷いた。


そして、彼女たちは魔物を送り込んだ。


その魔物の大きさは、常識を遥かに超えていた。


嫉妬のヤンデレは、主人公の隣で不安そうに空を見上げながら、心の中で強く願った。変装したままの恋人として、自然に寄り添っている。


(……無茶しないで。私がちゃんと守るから)


## 第八話 帰り道の襲撃者


ある日の帰り道、主人公は一人で歩いていた。


すると、突然、男が立ちはだかった。


腰振りのスペシャリストの男のヤンデレだった。彼も主人公に正体を悟られないよう、全くの別人の外見に変装していた。


彼は腰の動きによって衝撃波を生み出す、異常な能力の持ち主だった。


「主人公……覚悟しろ!」


「なんだお前!?」


男は主人公に襲いかかった。


主人公は反応しきれず、危機に陥った。


その瞬間。


「主人公様に何をするのですか♡」


慈愛のヤンデレが現れた。彼女もまた、主人公が気づかないよう、美しいが全くの別人の女子生徒として変装していた。


彼女は圧倒的な力で男を一撃で吹き飛ばした。


襲撃者は遠くへと飛んでいった。


主人公は呆然とした。


そして、彼女を見つめた。


優しい声。


美しい姿。


自分を守ってくれた強さ。


主人公は、たちまち彼女に心を奪われた。


(……好きだ)


これが、主人公の一人目の恋だった。


慈愛のヤンデレは微笑んだ。


「もう大丈夫ですよ♡」


主人公は顔を赤くした。


「あ、ありがとう……!」


一方、監視モニターの向こうでは、ヤンデレたちが喜んでいた。


「主人公様が恋に落ちましたわ♡」


「計画通りですわね♡」


神様は首を傾げた。


「……いや、今のは偶然では?」


「計画通りですわ♡」


「計画していなかったでしょうが!!」


誰も神様の言葉を聞いていなかった。


嫉妬のヤンデレは、その光景を遠くから見ながら、静かに胸を押さえた。彼女自身も変装を維持したまま、恋人として自然に振る舞っている。


(……いいの。私は恋人役。表のヒロインは私で、影の救済は慈愛さん。役割分担よ)


彼女は微笑みを浮かべ、主人公の元へ駆け寄った。


「大丈夫!? 怪我ない!?」


主人公は恋人の心配する顔を見て、少し安心した。


## 第九話 計画通りということになった


主人公は、慈愛のヤンデレに恋をした。


しかし、彼女は自分を守ってくれた相手であり、主人公はまだ気持ちを伝えられずにいた。慈愛も変装を崩さず、主人公の前ではただの優しい同級生として振る舞っていた。


その一方、ヤンデレたちは監視モニターを囲み、主人公の様子を観察していた。


「主人公様が恋をする……。素晴らしいことですわ♡」


「これで学校生活も順調ですわね♡」


「すべて計画通りですわ♡」


神様は頭を抱えた。


「あなた方、何も計画していなかったでしょう!?」


「主人公様が幸せなら、それでよいのですわ♡」


「話を聞いてください!!」


ヤンデレたちは、互いに仲良く笑い合っていた。


主人公を愛する者同士、彼女たちは協力し、情報を共有し、必要だと思えば大胆な行動もためらわない。


ただし、その結果が主人公の望む平和な生活になるとは限らなかった。


嫉妬のヤンデレは、主人公の隣で手を握りながら、内心で冷静に分析していた。変装したままの恋人として、自然に寄り添い続けている。


(慈愛さんへの恋心は自然な流れ。私が表の恋人で、彼女が特別な存在。これで主人公様の心が安定するはず……)


## 第十話 巨大大型怪獣級の魔物が学校に現れた


そして、ついに魔物が学校へと現れた。


その巨体は、学校を見下ろすほどだった。


「……は?」


主人公は空を見上げた。


目の前にいるのは、どう見ても普通の魔物ではない。


巨大大型怪獣のような巨大な怪物だった。


「なんで学校にこんなものがいるんだよ!?」


生徒たちは悲鳴を上げ、校内は大混乱に陥った。


主人公は逃げるわけにもいかず、戦うことを決意した。


そのとき、男友達が叫んだ。


「主人公! 今こそムスコクラッシュを使うのです!」


「なんでお前がその技を知ってるんだよ!?」


主人公は驚いた。


ムスコクラッシュは、前世で主人公が使っていた特殊な技だった。


なぜ、ただの男友達がその技を知っているのか。


男友達――魔導のヤンデレは、真剣な表情で叫んだ。変装は依然として完璧で、主人公は彼を普通の友人だと信じたままである。


「いいからやるのです!」


「お前、絶対ただの友達じゃねえだろ!!」


しかし、主人公は技を放った。


「ムスコクラッシュ!!」


続けて、主人公はムスコエナジーを発動させた。


「ムスコエナジー!!」


二つの技が合わさる。


「ムスコクラッシュ・ムスコエナジー!!」


凄まじい光が怪物を包み込んだ。


巨大な魔物は、光の粒子となって消滅した。


学校は大きな被害を受けた。


しかし、慈愛のヤンデレがすぐさま修復を行い、校舎は元どおりになった。彼女も変装したまま、自然に行動していた。


その傍らで、拷問特化の男のヤンデレがしれっと現れていた。彼も主人公に気づかれないよう、ごく普通の作業員のような外見に変装していた。


彼は強面のまま、崩れた壁や壊れた机を国防新素材製の補強材で淡々と直していく。


「……壊れたら作り直すだけだ。学校も同じだな」


誰にも気づかれないまま、建物の耐久性は以前より向上していた。


生徒たちは助かった。


主人公は息をつき、男友達を睨んだ。


「……お前、いったい何者なんだ?」


男友達は涼しい顔で答えた。


「ただの友達です!」


「絶対に嘘だろ!!」


監視モニターの向こうでは、ヤンデレたちが歓喜していた。


「主人公様が怪物を倒しましたわ♡」


「やはり、主人公様は素晴らしいですわ♡」


「体力も鍛えられたはずですわね♡」


神様は叫んだ。


「学校を怪獣の戦場にするな!!」


嫉妬のヤンデレは、主人公の腕にすがりつきながら、震える声で叫んだ。変装したままの恋人として、自然に心配を表している。


「無理しないで! 私、心配なんだから……!」


(……本当に心配。でも、これが主人公様の力。私が隣にいれば、少しは安心できるはず)


## 第十一話 かつての力は戻っていなかった


怪物との戦いを終えた後、ヤンデレたちは主人公の戦闘映像を繰り返し確認していた。


そして、あることに気づいた。


「……少し、威力が落ちていませんか?」


主人公の使ったムスコクラッシュとムスコエナジー。


その威力は、前世の全盛期と比べて明らかに低下していた。


ヤンデレたちは過去の記録を調べた。


そして、原因を突き止めた。


「……あ」


彼女たちは思い出した。


前世で、自分たちが主人公の股間を完全に破壊してしまったことを。


主人公は転生時に肉体を再生させてもらった。


しかし、以前と同じ性能まで完全には戻っていなかったのだ。


「これは大変ですわ……!」


「主人公様の力を取り戻さなければなりませんわ♡」


「すぐに薬学特化のヤンデレを送り込みましょう♡」


神様は不安を覚えた。


「……薬で何とかするつもりですか?」


「もちろんですわ♡」


神様は嫌な予感を覚えた。


そして、その予感は的中することになる。


嫉妬のヤンデレは、恋人として主人公の手を握りしめながら、静かに呟いた。変装は崩さず、ただの恋人として隣にいる。


(……力を戻すのはいい。でも、余計な強化はしないで。普通の恋人として、隣にいさせて)


## 第十二話 薬学特化のヤンデレ


薬学特化のヤンデレは、主人公の学校へ送り込まれた。


彼女は薬や毒、身体を変化させる薬品の扱いに長けていた。主人公に正体を悟られないよう、ごく普通の女子生徒として完璧に変装していた。


任務は、主人公の失われた性能を回復させること。


少なくとも、周囲はそう考えていた。


ある夜。


主人公が眠っている間に、薬学特化のヤンデレはそっと近づいた。


「主人公様……♡」


彼女は、用意していた薬を主人公に飲ませた。


「これで、主人公様の性能も以前より向上するはずですわ♡」


翌朝。


主人公は目を覚ました。


そして、自分の体に異変が起きていることに気づいた。


「……え?」


股間の状態が、明らかにおかしい。


しかも、いつまで経っても元に戻らない。


「なんだこれ……!?」


主人公は困惑した。


怪物との戦いの影響なのか。


それとも、何か別の原因があるのか。


いくら考えても分からなかった。


一方、監視モニターの向こうでは、薬学特化のヤンデレが満足そうに微笑んでいた。


「ふふふ……♡ 薬の効果は抜群ですわね♡」


神様が慌てて問い詰めた。


「おい! 主人公様に何を飲ませたのですか!?」


「主人公様の性能を強化する薬ですわ♡」


「明らかに困っているではありませんか! 元に戻す薬を作りなさい!」


薬学特化のヤンデレは、不思議そうに首を傾げた。


「元に戻す必要などありません。強化することが、私の目的なのですから♡」


「何ですって!?」


彼女は手元のノートを開いた。


そこには、こう書かれていた。


**『主人公様の股間強化計画・第一段階、成功♡』**


その下には、さらに大きな文字で。


**『中和剤、不要』**


神様は絶叫した。


「治療するために送り込まれたんじゃなかったのか!?」


「治療も強化も、主人公様のためですわ♡」


「今の主人公様は明らかに困っているだろうが!」


「それは、強化された状態にまだ慣れていないだけですわ♡」


彼女は次の薬の開発に取りかかった。


目標は、ムスコエナジーの出力をさらに高めること。


神様は頭を抱えた。


主人公様の第二の人生は、今日も順調に平和から遠ざかっていた。


嫉妬のヤンデレは、朝の教室で主人公の様子を見て、内心で深くため息をついた。変装したままの恋人として、自然に心配している。


(……やっぱりやりすぎ。でも、私が隣で支えてあげる。普通の恋人として)


## 第十三話 憐れむ教師


翌朝。


主人公は、股間の異常な状態が一向に収まらないことに困惑しながらも、いつもどおり制服に着替え、学校へ向かった。


「……まあ、学校に行けば何とかなるだろ」


何ともならない。


主人公はまだ知らなかった。


自分の体に起きている異変が、薬学特化のヤンデレによる計画的な強化の結果であり、彼女に元へ戻すつもりなど微塵もないことを。


教室に入ると、担任の教師――かつてゲイバーで働いていたお兄さんが、主人公の姿を見た。


「おはようございます、先生」


「……おう。おはよう」


何気なく返事をしたお兄さんだったが、主人公の様子を見て、何かを察した。


顔色。ぎこちない動き。隠しきれない困惑。


そして、何よりも、あの主人公が朝から妙に疲れ切っている。


お兄さんは、これまでの出来事を思い返した。


巨大怪獣の襲来。


異常な身体能力。


次々と現れる謎の人物たち。


そして、主人公の周囲で頻発する、説明のつかない騒動。


(……ああ、また何かやられたな)


お兄さんは確信した。


しかも今回は、今までの騒動とは少し違う。


主人公は誰かに襲われたわけでも、怪獣と戦ったわけでもない。ただ、明らかに自分の体の異変に困り果てている。


(かわいそうに……。あいつ、今度は何をされたんだよ……)


お兄さんは、思わず目を伏せた。


自分だって、望んでもいないのに教師として転生させられ、顔まで別人に変えられた身である。


主人公の苦労は、他人事とは思えなかった。


「……なあ」


「はい?」


「無理すんなよ。何かあったら、先生に言えよ」


主人公は少し驚いた。


「先生……。ありがとうございます」


その言葉を聞いたお兄さんは、さらに胸を痛めた。


(こいつ、こんな状況でも普通に学校に来て、礼まで言って……)


その頃、ヤンデレたちの監視モニターには、二人のやり取りが映し出されていた。


慈愛のヤンデレが微笑む。彼女も変装を維持したままである。


「先生も主人公様を心配してくださっているのですね♡」


薬学特化のヤンデレも満足げに頷いた。変装した女子生徒のままである。


「ええ♡ それだけ主人公様の強化が周囲にも影響を与えているということですわね♡」


「いや、どう考えても心配しているだけだろうが!」


神様の叫びは、今日も誰にも届かなかった。


そして教室では、ゲイバーのお兄さんが主人公の背中を見つめながら、静かに呟いていた。


「……頑張れよ。俺には、何もしてやれそうにないけどさ」


彼は知らない。


主人公の異変を引き起こした張本人が、今この瞬間も監視モニターの向こうで、第二段階の強化薬を開発していることを。


嫉妬のヤンデレは、主人公の隣の席でそっと手を重ね、小さな声で言った。変装したままの恋人として、自然に寄り添っている。


「……無理しないでね。私がついてるから」


(……このまま普通の恋人でいられたらいいのに。でも、みんなの計画が進む限り、それも難しいのかも)


## 第十四話 森羅万象のヤンデレ、ついにキレる


その日、ヤンデレたちの監視室に、怒号が響き渡った。


「いい加減にしなさいよおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」


監視モニターの前で、森羅万象のヤンデレが机を叩いた。


ほかのヤンデレたちは、一斉に振り返った。


「……どうなさいましたの?」


「どうしたもこうしたもあるかああああああああ!!」


森羅万象のヤンデレは、モニターに映る主人公を指差した。


画面の中では、主人公が教室で教師に礼を言っていた。


「先生、ありがとうございます」


「おう。無理すんなよ」


実に穏やかな光景だった。


森羅万象のヤンデレは、歯を食いしばった。


「いつまで学園生活をやっているつもりなのよ、主人公様は!!」


「えっ?」


「朝起きて学校に行って、友達と飯を食って、授業を受けて、女の子に恋をして……!」


彼女は両手で頭を抱えた。


「私たちがいるでしょうがああああああああ!!」


監視室が静まり返った。


森羅万象のヤンデレは、さらに続けた。


「私たちを放っておいて、何をのんきに青春を謳歌しているのよ! 私たちは、主人公様のために世界を越えて、ここまで追いかけてきたのよ!?」


「……あなた方、まだ転生できていませんけどね」


神様が小さく突っ込んだ。


「うるさい!!」


一喝された。


「そもそも、主人公様は私たちのことを何だと思っているの!? もう二度と会いたくない相手!? 忘れたい過去!? それとも、前世の嫌な思い出!?」


誰も答えなかった。


主人公は、前世のことを思い出すたびに、自由になれたことを喜んでいた。


そして今、彼は自分たちの存在を知らないまま、平和な学校生活を送っている。変装したヤンデレたちを、ただの同級生や恋人として受け入れている。


森羅万象のヤンデレは、モニターを睨みつけた。


「……許せない」


声が低くなった。


「私たちを忘れて、勝手に幸せになろうだなんて」


その言葉に、薬学特化のヤンデレが首を傾げた。


「ですが、主人公様は前世で亡くなられましたし……」


「誰のせいで死んだと思っているのよ!!」


「……私たちですわね♡」


「そうよ!!」


森羅万象のヤンデレは即答した。


「私たちが愛しすぎて、主人公様の股間を破壊して殺してしまったのよ!!」


「言い方がひどいですわ♡」


「事実でしょうが!!」


神様は顔を覆った。


自分たちで殺しておきながら、忘れられたことに腹を立てている。


しかも、本人たちはその矛盾に何の疑問も抱いていない。


森羅万象のヤンデレは、ついに椅子から立ち上がった。


「もう我慢できないわ。主人公様を迎えに行く」


「迎えに行く、とは?」


「決まっているでしょう?」


彼女は不気味なほど美しい笑顔を浮かべた。


「学園生活なんて、もう終わりよ」


その瞬間、監視室の空気が変わった。


ほかのヤンデレたちも、次々に立ち上がる。


「……確かに、そろそろ主人公様との再会が必要ですわね♡」


「主人公様も、私たちに会えばきっと喜んでくださいますわ♡」


「ええ。最初は驚かれるかもしれませんが、すぐに分かってくださいますわ♡」


神様が慌てて割って入った。


「待ちなさい! 主人公様は、ようやく平和な生活を手に入れたのですよ!?」


「だから何よ?」


森羅万象のヤンデレは、冷たく言い放った。


「私たちを犠牲にした平和なんて、認められるわけがないでしょう?」


「犠牲にしたのはあなた方でしょうが!!」


神様の叫びが監視室に響いた。


しかし、もう遅かった。


森羅万象のヤンデレは、全員を見渡した。


「さあ、みんな。主人公様を迎えに行くわよ」


「はい♡」


「今度こそ、主人公様と一緒に暮らしましょう♡」


「もう二度と離しませんわ♡」


彼女たちは、心の底から幸せそうに笑った。


そして、監視モニターの中では――。


「なあ、今日の昼飯、何にする?」


「うーん、購買のパンでいいんじゃね?」


主人公と魔導のヤンデレが、いつもどおりの会話をしていた。魔導は変装したままの男友達として、自然に振る舞っている。


主人公は笑っていた。


何の疑いもなく。


自分の平和が、まさに今、終わろうとしていることも知らずに。


森羅万象のヤンデレは、その笑顔を見て呟いた。


「……その笑顔、私たちにも見せなさいよ、主人公様」


そして、彼女は指を鳴らした。


世界が、軋んだ。


嫉妬のヤンデレは、主人公の隣で手を握りしめ、静かに目を閉じた。変装したままの恋人として、最後まで隣にいる。


(……終わりが来るのね。でも、最後まで恋人として隣にいよう。それが私の役割)


## 第十五話 壊された転生のルール


森羅万象のヤンデレは、神様を睨みつけた。


「そもそも、転生は1日に1人までというルールが邪魔なのよ」


神様は慌てて立ち上がった。


「お待ちなさい! それは世界の根幹に関わる重要な規則で――」


「だから何?」


森羅万象のヤンデレが指を鳴らした。


その瞬間、世界に亀裂が走った。


転生の順番を管理する法則。魂の移動を制限する規則。神様ですら変更できないはずの世界の根幹。


それらが、音を立てて崩壊していく。


「な、何をなさったのですか!?」


「転生のルールを壊しただけよ」


「だけ、ではありません!!」


神様は絶叫した。


「転生は1日に1人までという規則は、世界の秩序を維持するために――」


「主人公様に会えない理由にはならないわ」


森羅万象のヤンデレは、平然と言い放った。


「私たちは、主人公様に会うために存在しているの。そんなくだらない規則に従う必要なんてないでしょう?」


「くだらないって……! 私がどれだけ苦労してこの世界を管理していると思っているのですか!」


「知らないわ」


森羅万象のヤンデレは、再び指を鳴らした。


すると、監視室にいたヤンデレたちの体が光り始めた。


「まあ……♡」


「本当に転生できるのですね♡」


「これで、ようやく主人公様のそばへ行けますわ♡」


十人のヤンデレたちは、歓喜に満ちた表情で互いを見つめた。異世界では全員が主人公に分からないよう変装を徹底していたが、今度は素の姿で会うことになる。


神様は膝から崩れ落ちた。


「世界のルールを破壊してまで、何をするつもりなのですか……」


森羅万象のヤンデレは、監視モニターを見つめた。


画面の中では、主人公が友達と楽しそうに話している。


「決まっているでしょう?」


彼女は微笑んだ。


「主人公様を迎えに行くのよ」


その笑顔には、微塵の迷いもなかった。


「主人公様は、私たちに会えば喜んでくださるわ。だって、私たちは主人公様を誰よりも愛しているのだから」


神様が震える声で尋ねた。


「……では、なぜ主人公様は、前世であなた方から逃げようとなさったのでしょうか?」


森羅万象のヤンデレは、ぴたりと動きを止めた。


数秒間、沈黙が流れた。


そして。


「……照れ隠しでしょうね♡」


「違うでしょうがああああああああああああ!!」


神様の絶叫を背に、ヤンデレたちは次々と転生していった。


こうして、世界の根幹を支えていた転生のルールは、森羅万象のヤンデレによって破壊された。


主人公様は、まだ何も知らない。


今日も学校で、友達と昼食の相談をしている。変装したヤンデレたちを、ただの日常の一員として受け入れたまま。


「今日は購買のパンにするか」


「いいですね!」


平和な昼休み。


しかし、その平和を終わらせる十人のヤンデレたちは、すでにこちらの世界へ向かっていた。


しかも、今度は誰にも止められない。


神様でさえ、彼女たちを止める手段を失っていた。


嫉妬のヤンデレは、主人公の手を握ったまま、静かに目を細めた。変装したままの恋人として、最後の瞬間まで隣にいる。


(……もう終わりね。でも、最後まで普通の恋人でいよう。それが、私にできる最大の愛情)


## 最終話 夢だったのか?


翌朝。


主人公は目を覚ました。


「……ん?」


見慣れない天井だった。


いや、正確には、見慣れすぎている天井だった。


主人公はゆっくりと上半身を起こした。


「…………は?」


そこは、かつて自分が暮らしていた元の世界だった。


見覚えのある家具。見覚えのある部屋。懐かしい空気。


そして、ベッドの周囲には――。


「おはようございます、主人公様♡」


十人のヤンデレたちが、勢揃いしていた。今度は変装を解き、素の姿で現れている。


「お目覚めですか、主人公様♡」


「朝食の準備はできておりますわ♡」


「今日は一日、私たちと一緒に過ごしましょうね♡」


主人公は、しばらく黙っていた。


そして、布団をめくり、自分の体を確認した。


「………………え?」


股間が、以前よりも逞しくなっていた。


主人公は震える手で布団を戻した。


「……待て」


彼は頭を抱えた。


「俺、死んだよな?」


十人のヤンデレたちは、にこにこと微笑んでいる。


「どうなさいました、主人公様♡」


「いや、どうなさいましたじゃねえよ!」


主人公は魔導のヤンデレを指差した。


「お前に聞いてるんだ! 俺、死んだよな!? 確か、お前らに殺されたはずだろ!?」


魔導のヤンデレは、きょとんとした顔をした。


「はい?」


「はい? じゃねえよ!」


「夢だったんじゃないですか?」


「…………は?」


魔導のヤンデレは、爽やかな笑顔で続けた。


「主人公様、最近お疲れだったのでしょう? きっと、変な夢を見たのですよ!」


「いや、待て……」


主人公は周囲を見回した。


死んだはずなのに、生きている。


しかも、十人のヤンデレたちが目の前にいる。


さらに、自分の股間は以前よりも逞しくなっている。


何一つ理解できなかった。


「……おい、薬学特化のヤンデレ」


「はい、主人公様♡」


「俺の体に何をした?」


薬学特化のヤンデレは、満面の笑みを浮かべた。


「主人公様の股間強化計画、第二段階まで進んでおりますわ♡」


「夢じゃねえじゃねえか!!」


ヤンデレたちは、楽しそうに笑っていた。


「主人公様が元気そうで何よりですわ♡」


「以前よりも逞しくなられましたわね♡」


「これからも、どんどん強化してまいりますわ♡」


「するなああああああああああ!!」


主人公の叫びが部屋に響いた。


しかし、ヤンデレたちは誰一人として気にしていなかった。


神様の姿は、どこにもなかった。


主人公が死んだはずなのに生きている理由も。


なぜ元の世界に戻っているのかも。


なぜ股間が以前よりも逞しくなっているのかも。


何も分からない。


ただ一つ確かなのは、十人のヤンデレたちが、今日も主人公のそばにいるということだった。


嫉妬のヤンデレは、一番近くで主人公の手を握り、優しく微笑んだ。異世界では変装して恋人を演じていたが、今は素の姿で隣にいる。


「……大丈夫。私がついてるから」


(……夢でも現実でも、私は恋人よ。それが、この世界で私が選んだ役割)


そして――。


真実は、神様のみぞ知る。


その後。


監視特化のヤンデレが、異世界転生の一部始終を完璧に録画していたことが明らかになった。


科学特化のヤンデレが編集作業を担当し、潜入特化のヤンデレがシナリオ執筆に携わった。


こうして完成したのは、恋愛シミュレーションゲーム『異世界転生☆ヤンデレ学園ライフ』であった。


嫉妬のヤンデレがアイドル活動で大々的に宣伝し、監視特化のヤンデレがテレビCMとネット広告を展開した。


結果、ゲームは瞬く間に大ヒット。


全世界で数百万本を売り上げ、シリーズ化が決定した。


主人公はその事実を知らず、今日も十人のヤンデレたちに囲まれながら、普通の日常を夢見ていた。

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