腰振り発電で電力不足を解消したら、国王と主人公が絶叫マシンの実験台になった
ある日。
最近の猛暑のせいか、国全体が若干の電力不足気味であった。
街灯が時折暗くなり、工場の稼働も制限され始めている。国民の生活を何とか維持したい――そう考えた国王は、執務室に魔導のヤンデレを呼び出した。
「魔導よ。電力が足りん。何とかならんか」
魔導のヤンデレは優雅に紅茶を一口啜り、にこやかに微笑んだ。
「はい。分かりましたわ♡ では電力不足と一緒に、いろいろ改善してみますわ♡」
「余は電力不足と言っただけだが……」
「細かいことは気になさらず♡ 私たちにお任せくださいませ♡ チャオ♡」
国王が何か言い返そうとした瞬間には、すでに魔導は踵を返して部屋を出ていた。
彼は嫌な予感だけを残し、机に突っ伏した。
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数日後。
主人公は、強引に「国家インフラ視察ツアー」へと連れ出されていた。
手足はおなじみ、拷問特化の男ヤンデレ謹製の金属拘束具で固定され、最新式の車椅子型キャリアに収められている。
「おい……なんで俺がこんなところに連れてこられてんだよ」
主人公が引きつった顔で呟くと、となりの車椅子に縛り付けられていた人物がガタガタと震えながら声をかけてきた。
「し、主人公殿……! 余は嫌だ……! またあいつらの実験台にされるのだ……!」
白目を剥きかけた国王であった。
「国王!? なんであんたまで……!」
「視察には最高責任者の立ち会いが必要ですもの♡」
優雅に日傘を差した魔導のヤンデレが、にこやかに微笑んだ。
「本日は、我が国が世界に誇るクリーンエネルギープロジェクト『腰振りインフラ革命』の完成記念式典ですわ♡」
主人公の内心は真っ黒であった。
(また始まった……。電力不足を解決するだけで済むわけがねえ。絶対に余計なことをしている)
国王も同様に、胃が痛む思いで震えていた。
(余はただ電気が欲しかっただけなのだ……!)
視察の第一地点。
巨大なドーム状の施設「第一腰振り発電プラント」の前に到着した。
ドームの中央には、上半身裸で仁王立ちする腰振りのスペシャリスト(男ヤンデレ)の姿があった。
「いくぞ! 制御特訓を兼ねた、国家再生の腰振りだ!!」
ブツツツツツッ……!!
彼が腰を振った瞬間、国滅級の衝撃波が発生。しかし、施設全体を覆う特殊な金色の魔法陣と、厳重な衝撃吸収フレームがそれを優しく受け止めた。
「衝撃波の波動エネルギーを、魔導の法則干渉で100%『運動エネルギーおよび電力』へと変換完了いたしましたわ♡」
科学のヤンデレがタブレットを操作しながらドヤ顔で告げる。
「さらに、拷問特化殿の設計した『超振動耐性フレーム』により、建造物の破損率は0.000%! 物理的安全性は完璧ですわ♡」
拷問特化の男ヤンデレが、厳めしい強面で腕を組み、満足そうに頷いた。
「ああ。俺のフレームは絶対に壊れん。近隣への騒音も振動もゼロだ。安心して腰を振ってもらって構わん」
「うおおおおお! 感謝するぞ、拷問特化! 安心して振れるぜ!!」
腰振りの男がさらに激しく腰を打つと、首都全域の電力が一瞬でMAXに到達。街の街灯が一斉に輝き、国民から「おおおーっ!」と歓声が上がった。
監視のヤンデレがカメラを向けながら、全世界に向けて実況を開始する。
「『腰振り発電のおかげで電気代が実質タダ!』『エコすぎる!』と、国民の支持率は過去最高の99.8%を記録していますわ♡ 現在、同時接続数はすでに五百万人を超えておりますの♡」
主人公は引きつった笑いを浮かべた。
「た、確かに物理的には何一つ壊れてねえし、安全だけど……あいつが中央で狂ったように腰を振り続けて全首都の電力を賄ってる絵面が精神的に耐えられねえよ!!」
(電力は助かった。でもこの光景を毎日見せられるのは地獄だ……)
国王も虚ろな目で呟く。
「余の国は……腰で動いているのか……」
特設解説席では、嫉妬のヤンデレがメガホンを手に少し残念そうな表情を浮かべていた。
「今回は誰も痛めつけられないから、私の出番がありませんね……♡ 応援するしかないのかしら……」
潜入特化が隣で冷静に指摘する。
「出番がないわけではありませんわ。国民へのPRと士気向上があなたの役割ですもの♡」
「そうね……! じゃあ全力で応援するわ♡」
嫉妬はすぐに笑顔を取り戻し、メガホンを構えた。
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「さあ、次は観光の目玉『絶叫ジェットコースター:デス・ウェイブ』の試乗ですわ♡」
案内されたのは、雲を突き抜けるほど巨大なジェットコースターであった。
コースターの最前列には、すでにガッチリと拘束具で固定された主人公と国王がセットされていた。
「待て! 待て待て! こんな勢いで飛ばされたらGで身体がバラバラになるぞ!!」
「ご安心くださいませ♡」
拷問特化の男ヤンデレが、主人公の安全バーを『カチリ』と二重ロックした。
「このシートと安全具は国防新素材の究極体だ。どれだけの加速度がかかろうと、お前の骨一本、髪の毛一根傷つけん。絶対の安全を保証する」
「魔法の干渉により、乗客のバイタルは常時正常値に固定されておりますわ♡」
魔導のヤンデレが優しく微笑む。
「どれほど恐ろしい体感速度であっても、心肺停止や脳損傷などの肉体的ダメージは『概念的に発生しない』ように整えましたわ♡」
「そういう安全の取り方があるかよおおお!? 精神が死ぬだろ!!」
大広間のような特設解説席では、潜入特化のヤンデレと嫉妬のヤンデレがコメンテーター席に座っていた。
「安全性の確保は完璧ですわね。逃走経路も事前に封鎖済みですので、お二人とも途中下車はできませんわ♡」
潜入が冷静に解説する。
「お二人とも頑張ってくださいね♡ 私が全力で応援していますから! 国民の皆さんも一緒に応援しましょう♡」
嫉妬がメガホンを持って明るく実況する。彼女の声は監視の配信を通じて全世界に届けられていた。
監視のヤンデレがカメラを調整しながら満足げに呟く。
「国民へのPR配信、順調ですわ♡ コメント欄は『絶対乗ってみたい』『国王様の悲鳴がASMR』で溢れていますの♡」
「出発進行ですの♡」
コースターがスタートし、加速エリアに差し掛かった。
そこには、コース脇で腰を落とした腰振りの男ヤンデレが待機していた。
「いくぞ! 必殺・腰振りブースター!!」
ブンッ!!
ドゴォォォォォォン!!
「ぎゃあああああああああああああ!!」
「ひいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」
音速を超える衝撃波で打ち出されたコースターは、空を切り裂き、垂直落下、超高速回転を繰り返す。
肉体は完璧に保護されている。骨も折れない。首もムチウチにならない。心拍数も正常。
だが、視界と感覚だけは音速の絶叫と不条理なGに晒され続ける!!
主人公の内心は崩壊寸前であった。
(死なない……死なないのが一番怖い……! このまま精神だけが擦り切れていく……!)
国王も同様に、思考が白く染まっていく。
(余は……余はただ電気が欲しかっただけなのに……なぜこんな目に……)
「死なねえええええええ! 苦しいのに物理的に絶対に死ねねええええええ!!」
「余は……余は国王だぞおおお(白目)!!」
絶叫する二人の映像が、全世界に超高画質でリアルタイム配信されていた。
潜入が淡々とコメントする。
「現在の精神的負荷は想定の147%ですわ。しかし肉体的損傷はゼロ。理想的なデータが取れていますわね」
嫉妬がメガホンで応援を続ける。
「その調子ですわ♡ お二人の悲鳴、国民の皆さんにしっかり届いていますからね♡ 頑張って!!」
(やっぱり今回は傷つけない方針なのね……私の出番、本当に応援だけになっちゃったわ……少し残念♡)
彼女は心の中でそう呟きつつも、笑顔でメガホンを振り続けた。
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1時間後。
コースターが到着ホームに滑り込んできた。
拘束具が解かれ、主人公と国王はホームに崩れ落ちた。
傷一つない。血も出ていない。どこも痛くない。完璧に「安全」であった。
しかし、二人の瞳からは光が消え、魂が口から半ぶら下がり状態になっていた。
慈愛のヤンデレが、心配そうに駆け寄ってきた。
「まあ♡ お怪我はありませんわね? 『肉体の傷』はありませんので、フルヒールをかける必要すらありませんわ♡」
そう言いながらも、慈愛の表情は次第に曇っていく。
彼女は今回も、主人公や国王がボロボロになって帰ってくることを心のどこかで期待していたのだ。
「回復は休息ではなく再開のボタン」――その出番が、完全に奪われていた。
「……今回は、肉体的に誰も痛めつけられないから、私のヒールに出番がありませんわ……」
慈愛はがっくりと膝から力を失い、その場に項垂れた。
聖母のような優しい顔が、ひどく寂しそうに歪んでいる。
「あ……あ……」
主人公は震える唇で、力なく呟いた。
「物理的に……安全なのが……一番……恐ろしい……」
隣で国王が、虚ろな目で天井を見つめながら呟いた。
「……余は……ただの……風力発電になりたい……」
科学のヤンデレがタブレットを閉じ、満足げに宣言する。
「データは撮り終わりましたわ。精神的ストレス値、バイタル固定下での限界耐久値、すべて回収完了ですわ♡ 明日からは国民の皆さんが安全に使えるよう、細かく調整いたしますわね♡」
監視のヤンデレが画面を見ながら頷く。
「『絶対安全なのに世界一恐ろしいコースター』として、予約が5年先まで埋まりましたわ♡ 海外からの観光客も殺到していますの♡」
魔導のヤンデレが、絶望に沈む主人公の顔を覗き込み、極上の笑顔を向けた。
「大成功ですわね♡ さあ、ご主人様。国を救った腰振り殿を見習って、今夜は屋敷で……私たちが用意した『絶対に安全で、精神が弾け飛ぶお仕置き』をたっぷり楽しんでいただきましょう♡」
「助けてくれえええええええええ!!」
肉体は無傷のまま、主人公の魂の悲鳴だけが、今日も平和に再建された国に響き渡るのであった。
慈愛のヤンデレはホームの端で、少しだけ唇を尖らせていた。
「結局、誰も傷つけられなかったわね……私の出番、本当になかったかも……♡」
嫉妬が隣で静かに指摘する。
「あなたは国民の士気を上げる役割を十分に果たしましたわ。今夜の『お仕置き』では出番があるかもしれませんもの♡」
「……そうね! じゃあ今夜は張り切るわ♡」
慈愛のヤンデレはすぐに笑顔を取り戻した。
項垂れたままの慈愛に、魔導が優しく声をかける。
「大丈夫ですわ、慈愛さん。今夜の『絶対安全なお仕置き』では、精神的な負荷がかかりますもの。回復の出番はちゃんとありますわよ♡」
「……本当ですの?」
「ええ♡ お任せくださいませ♡」
慈愛は少しだけ顔を上げ、小さく頷いた。
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その夜。
潜入特化のヤンデレは街中にビラを配り歩いた。
「新感覚絶叫マシン『デス・ウェイブ』 絶対に死なない安全設計! 精神だけが旅をする究極体験!」
丁寧な説明と笑顔で、住民一人ひとりに手渡していく。
嫉妬のヤンデレは特設ステージでアイドル活動を展開した。
「みんなー! 今日から新しいアトラクションがオープンよ♡ 私が保証するわ、絶対に体は無事だからね! 一緒に国を元気にしましょう♡」
神対応の笑顔と歌声で、会場を一体にさせる。
翌日から、ヤンデレたちは国民からさらに深い感謝を受けることとなった。
「電気代がタダになって生活が楽になりました!」
「コースターに乗ったら人生観が変わりました……でも体はピンピンです!」
「守護者の皆様、本当にありがとうございます!」
電力不足は完全に解消され、観光収入も過去最高を記録した。
国王は執務室で再び机に突っ伏し、主人公は屋敷で「絶対安全なお仕置き」を受ける羽目になった。
物理的な安全は、時に最も残酷な刑罰となる。
そしてヤンデレたちは、今日も愛する国と、愛する人を、徹底的に守り続けているのであった。
## 報酬と栄誉――腰振りの夜
視察から屋敷へと連れ戻された主人公は、いつもの大広間の中央で、拷問特化謹製の『夜の部専用・超絶強化版拘束具』によってベッドにガッチリと固定されていた。
全身の肉体は無傷。しかし、音速コースターで削られ切った精神はすり減り、指一本動かす気力すら残っていない。
そこへ、部屋の明かりが妖しく落とされ、十人の影が優雅に歩み寄ってきた。
大広間の特設ステージに躍り出たのは、メガホンを手にした**嫉妬のヤンデレ**だった。アイドルらしい飛び切りの笑顔で、パッとスポットライトを浴びる。
「はいっ! 国民の皆さん、そしてご主人様♡ 本日のインフラ革命&絶叫コースター大成功、本当にお疲れ様でした〜〜〜っ!♡」
主人公が虚ろな目で「頼む……今夜は寝かせてくれ……」と呟くが、嫉妬はメガホンを構えて一気にテンションを上げた。
「というわけで! 今日一番の功労者と言えば……そう! 己の腰一つで首都の電力を賄い、世界一の観光名所を作り上げた**腰振りのスペシャリスト殿**ですわっ!♡」
パチパチパチパチッ! とヤンデレたちから盛大な拍手が送られる。
嫉妬は目を輝かせ、一列に並ぶ全員に向かって言った。
「ねえ皆様! 今日のお仕置き(ご褒美)は、一番頑張ってくれた腰振り殿をメイン(センター)にして、ご主人様に最高の愛を届けるべきだと思いませんこと?♡」
その提案に、真っ先に反応したのは**魔導のヤンデレ**だった。杖を優雅に回しながら極上の笑みを浮かべる。
「まあ……素晴らしい提案ですわ♡ 彼の腰振りから生まれる『推進力』をご主人様の全身で受け止めていただく……これ以上の功労賞はありませんわね♡」
「賛成ですわ♡」
**科学のヤンデレ**が最新の計測器を準備しながら頷く。
「昼間のプラントでの波形データを応用し、ご主人様の股間エネルギーと連動させた『無限共振・腰振りモード』の完全回収を実験させていただきますわ♡」
「私も賛成ですの♡」
昼間のコースターで出番を失い、項垂れていた**慈愛のヤンデレ**が、聖母のような笑みを一瞬で復活させた。
「精神的な限界が来ても、私が《アルティメット・フルヒール》で脳の疲労だけを何度でもリセットして差し上げますわ♡ 今夜は『再開のボタン』を押し放題ですのよ♡」
「フッ……俺の拘束具も、彼の腰振りの振動に完璧に耐え得る『超可動・免震構造』に換装済みだ」
**拷問特化の男**が強面で満足げに頷き、ボルトを固く締め上げた。
「皆様……! 感謝いたしますわ……♡」
押し寄せる祝福の中、進行方向とは逆を向いた腰振りのスペシャリスト(男ヤンデレ)が、ぬるりと主人公の正面(ベッドの真上)へと躍り出た。
艶めかしく腰に手を当て、甘い大気を纏いながら主人公を見下ろす。
「ご主人様……お待たせいたしました♡ 昼間は国のために振ったこの腰ですが、今夜はただ一人、あなたのためだけに振り抜いてみせますわ♡」
ブンッ……!
軽く腰が揺れただけで、部屋全体の重力と空間が甘く震えた。
「やめろ……! 来るな! 昼間の衝撃波を俺に直接ぶつけるなああああ!!」
拘束具の中で必死にもがく主人公だったが、**森羅万象**が静かに重力を固定し、**潜入**が逃げ道を遮断し、**薬学**が感度万倍の特製アンプルを首筋にチクリと注入した。
「さあ! 今夜のセンター、腰振り殿のカウントダウンですわ〜〜〜っ! 3・2・1……スタート♡」
嫉妬のメガホンによる掛け声を合図に、大広間全体が黄金と桃色の魔法陣で埋め尽くされる。
「ご主人様……極楽への揺らぎを、朝までお受け取りくださいませ♡」
「愛じゃねええええええええええええええええ!!」
肉体は完璧に無傷のまま、主人公の魂の叫びが、今日も平和(?)に発電された街の夜空へと響き渡るのであった。




