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ヤンデレ10人と雑学クイズをしたら、正解しても拷問されました

その日、ヤンデレたちは揃って居間の大きなソファに座り、テレビを見ていた。


画面には人気クイズ番組『雑学王』が映っている。司会者が派手なジェスチャーを交えながら問題を出し、解答者が頭を抱える様子が流れていた。


「へえ、そんな雑学があるんですのね♡」

魔導のヤンデレが紅茶を傾けながら目を細める。


「面白いですわね♡ 知らないことばかりですわ」

科学のヤンデレが手元のタブレットにメモを取り始めた。


「この問題、配信したら視聴者も盛り上がりそうですわね♡」

監視のヤンデレがすでにスマホを構え、画面を録画していた。


「みんなで楽しそう……私も応援したくなるわ♡」

嫉妬のヤンデレが隣で小さく手を叩き、微笑む。彼女は他のヤンデレたちに嫉妬せず、むしろチームの潤滑油として今日も穏やかな笑顔を浮かべていた。


そして、ある問題が出題された瞬間。


十人のヤンデレたちが、一斉に顔を見合わせた。


「……いいことを思いつきましたわ♡」

魔導のヤンデレが静かに、しかし確信に満ちた声で呟いた。


その声を聞いた瞬間、遠く離れた執務室にいた国王は、なぜか背筋に悪寒が走ったという。


---


主人公が目を覚ますと、そこは見覚えのある拷問部屋だった。


無機質な白い壁。天井にはいくつもの照明と、小さなカメラが赤く点滅している。


「……またここかよ」


そう呟こうとした瞬間、主人公は自分の置かれた状況に気づいた。


手足は頑丈な金属製の拘束具で固定され、身体は電気椅子のような金属製の椅子に完全に固定されている。椅子のアームレストには細かな電極が埋め込まれ、座面からは微かな振動が伝わってくる。


周囲を見渡すと、同じように電気椅子に座らされた男たちがいた。


国王、勇者、嫉妬深い青年、恋愛の達人、正義感の強い男、ゲイバーのお兄さん。


そして、もちろん主人公。


「……おい、またこのメンバーかよ」


主人公が呟いた瞬間だった。


バチバチバチッ!!


「ぎゃああああああああ!!」


主人公の身体に電流が走った。全身の筋肉が硬直し、椅子がガタガタと揺れる。


「口答えはお控えくださいませ♡」

魔導のヤンデレが、にっこりと微笑みながらリモコンを軽く振った。


部屋の隅では、監視のヤンデレがノートPCの前に座り、画面を確認している。


「全世界配信、順調ですわ♡ 現在の同時接続数は……おお、すでに三百万人を超えていますわね♡」

彼女の目は、記録中毒者特有の輝きを帯びていた。


「データも取れていますわ。電流の反応速度、心拍数の変化……すべて貴重なサンプルですわ♡」

科学のヤンデレがタブレットを操作しながら満足げに頷く。彼女の手元には、すでに「被験者A(主人公)反応グラフ」がリアルタイムで表示されていた。


「皆様には、これから私たちの計画に協力していただきますわ♡」

魔導のヤンデレが続ける。


国王は震えながら口を開いた。


「ま、待て! 余は国王だぞ! このような扱いは――」


バチバチバチッ!!


「ぎゃああああああああ!!」


「国王様♡ 口答えは禁止ですわ♡」

魔導が優しく、しかし容赦なくリモコンを押す。


「余は国王だぞおおおおおお!!」


バチバチバチッ!!


「ぎゃああああああああ!!」


国王は白目を剥き、そのままぐったりと気絶した。


その様子を確認した魔導のヤンデレは、満足そうに頷いた。


「それでは♡ 皆様に素晴らしい計画を発表いたしますわ♡」


十人のヤンデレたちが、一斉に笑顔になった。嫉妬のヤンデレも少し遅れて手を叩き、「頑張ってくださいね♡」と小さく声をかけた。


「今回は、皆様に雑学王を目指して競い合っていただきますわ♡」


「…………は?」


主人公が思わず声を漏らした。


バチバチバチッ!!


「ぎゃああああああああ!!」


「主人公様♡ 今、口答えをなさいましたわね♡」


「いや、今のはただの疑問――」


バチバチバチッ!!


「ぎゃああああああああ!!」


「ルールは簡単ですわ♡ 私たちが出題する雑学クイズに答えていただき、最も多く正解した方が優勝ですの♡」

魔導のヤンデレが優雅に説明する。


主人公は、必死に口を閉じた。これ以上電流を流されたくない。


「もちろん、優勝者には素敵なご褒美をご用意しておりますわ♡」


部屋の奥では、拷問担当の男のヤンデレが拘束具を指で軽く叩きながら呟いていた。


「この拘束具……いい頑丈さだ。前回より素材を強化した甲斐があったな。びくともしねえ」

彼は満足げに頷き、主人公の足首の金具を改めて確認した。「国防新素材の応用だ。壊されたらまた作り直すだけだが……今日は壊れなさそうで嬉しい」


「では、第1問♡ 昨日、私が波動砲を何回撃ったでしょう?」

魔導のヤンデレがにこやかに問う。


「知らねえよおおおおお!!」


バチバチバチバチバチッ!!


「ぎゃああああああああああ!!」


主人公の全身を電流が駆け抜けた。椅子がミシミシと音を立てるが、拘束具はびくともしない。


「主人公様♡ まずは落ち着いて回答してくださいませ♡」


「回答以前の問題だろうがあああああ!!」


バチバチバチバチバチッ!!


「ぎゃああああああああああ!!」


「二度も叫ぶなんて、元気いっぱいですわね♡」

魔導が楽しそうに肩をすくめる。


「誰のせいだと思ってんだ!!」


バチバチバチバチバチバチッ!!


「ぎゃあああああああああああ!!」


隣では国王が震えていた。


「余は国王だぞ! このような理不尽な――」


バチバチバチバチバチッ!!


「余は国王だぞおおおおおおおお!!」


バチバチバチバチバチバチッ!!


「余は……こく……」


国王は白目を剥き、再び気絶した。


「国王様、回答の途中ですわよ♡」

魔導のヤンデレが、気絶した国王の頬をつんつんと突いた。


「返事がありませんわね♡ 残念ですが、回答欄は空白ということで♡」


「気絶してるんだよ!!」

勇者が抗議した。


バチバチバチバチバチッ!!


「ぎゃああああああああああ!!」


「抗議も不正解ですわ♡」


「そんなルール聞いてねえぞ!!」


バチバチバチバチバチバチッ!!


「ぎゃあああああああああああ!!」


恋愛の達人は、冷静に状況を分析しようとしていた。


「なるほど……これは、彼女たちの愛情を理解するための試練というわけか」


「違うだろ! ただの拷問だろ!」

嫉妬深い青年が突っ込んだ。


バチバチバチバチバチッ!!


「ぎゃああああああああああ!!」


「他人の回答を批判してはいけませんわ♡」


「今のは批判じゃなくて事実だろおおおおお!!」


バチバチバチバチバチバチッ!!


「ぎゃあああああああああああ!!」


ゲイバーのお兄さんは、黙々とホワイトボードに答えを書いていた。


「俺は畑仕事をしていたからな。爆発音の回数から考えると……」


「回答をどうぞ♡」


「十回以内だ!」


バチバチバチバチバチッ!!


「ぎゃああああああああああ!!」


「まだ正解発表をしていないのに、なぜ電流が流れるんだ!?」


「回答に自信がなさそうでしたので、気合いを入れて差し上げましたわ♡」

魔導が当然のように答える。


「気合いの入れ方がおかしいだろ!!」


その横で、嫉妬深い青年が震える手でボードを掲げた。


「三十回……だと思う」


バチバチバチバチバチッ!!


「ぎゃああああああああああ!!」


「語尾が弱々しいですわ♡ もっと自信を持ってくださいませ♡」


「自信を持ったら電流が止まるのか!?」


バチバチバチバチバチバチッ!!


「ぎゃあああああああああああ!!」


「質問は禁止ですわ♡」


「もう何をすればいいんだよおおおおお!!」


バチバチバチバチバチバチバチッ!!


六人の悲鳴が、拷問部屋に響き渡った。


ただ一人、気絶した国王だけは静かだった。


「国王様だけ静かで羨ましいですわね♡」

魔導のヤンデレは、にっこりと微笑んだ。


監視のヤンデレが画面を見て小さく笑う。


「コメント欄が爆発していますわ♡ 『国王また気絶』『電流の音がASMR』『この番組ずっと見ていたい』……いい反応ですわね♡」


科学のヤンデレも頷く。


「電流の出力を0.3%上げただけで反応がこれほど変わるなんて……次回は感度調整薬も併用してみますわ♡」


嫉妬のヤンデレが、少し心配そうに、しかし明るく声をかけた。


「みんな、頑張ってくださいね♡ 私が応援していますから♡」


「では、皆様が元気になったところで、第2問に参りましょう♡」


「元気になってねえええええええ!!」


バチバチバチバチバチバチッ!!


主人公の悲鳴が、再び部屋中に響き渡った。


---


「それでは、第2問だ」


格闘特化の男のヤンデレが、拳を軽く握りしめて前に出た。熱血漢らしい、まっすぐな笑顔を浮かべている。


「昨日、俺は何回スクワットをしたでしょうか? 正確な回数を答えてくれ」


六人は一斉に考え込んだ。


「……知るかよ」

嫉妬深い青年が呟いた。


「お前は脱落だ」


「え?」


次の瞬間。


**ドゴォッ!!**


格闘特化の男のヤンデレの拳が、嫉妬深い青年の顔面にめり込んだ。


「ぶべらぁっ!!」


嫉妬深い青年は吹っ飛び、床に倒れた。顔面は無惨にも陥没していた。


「…………」

「…………」


周囲の全員が固まった。


「え?」

主人公が呆然と呟いた。


「え?」

正義感の強い男も目を見開いた。


「えええええええええ!?」

恋愛の達人が悲鳴を上げた。


「ちょ、ちょっと待て! 今、何が起きた!?」


国王は気絶したまま、ぴくりとも動かなかった。


ゲイバーのお兄さんは、倒れた嫉妬深い青年と格闘特化の男のヤンデレを交互に見た。


「いやいやいや! クイズ大会だろ!? なんでいきなり顔面を陥没させたんだよ!?」


格闘特化の男のヤンデレは、拳を軽く振って笑った。熱血武人らしい、迷いのない口調だ。


「主要キャラじゃないからな。脱落してもらったぞ。俺は真剣に鍛えている。答えられない奴は次に進めない」


「嫉妬深い青年は主要キャラだろうがあああああ!!」

主人公が叫んだ。


バチバチバチバチバチッ!!


「ぎゃああああああああああ!!」


「主人公、進行の邪魔をするな。俺は真面目に問題を出しているんだ」


「邪魔してるのはお前だろうがあああああ!!」


バチバチバチバチバチバチッ!!


「ぎゃあああああああああああ!!」


そのとき、慈愛のヤンデレが、倒れた嫉妬深い青年のそばに歩み寄った。


「まあまあ♡ 皆様、そんなに心配なさらないでくださいませ♡」

慈愛のヤンデレは、優しく微笑んだ。聖母のような柔らかい声。


「私が治して差し上げますわ♡」


彼女が手をかざすと、柔らかな光が嫉妬深い青年を包み込んだ。


「上級回復魔法、フルヒール♡」


みるみるうちに陥没していた顔面が元に戻り、傷一つない状態へと回復していく。


やがて、嫉妬深い青年はぱちりと目を開けた。


「……あれ? 俺、何を……」


「よかったですわね♡ お顔も元通りですわ♡」

慈愛のヤンデレは、にっこりと微笑んだ。


「これでもう安心ですわね♡ 回復は終わらせるためではなく、再開するためですから♡」


「いや、安心できるかあああああ!!」

主人公が叫んだ。


「殴って顔を陥没させて、治せばいいって話じゃねえだろ!!」


バチバチバチバチバチッ!!


「ぎゃああああああああああ!!」


「主人公様♡ 慈愛のヤンデレがせっかく治してくださったのですから、喜びましょう♡」

魔導が優しく諭す。


「喜べるかあああああ!!」


バチバチバチバチバチバチッ!!


「ぎゃあああああああああああ!!」


監視のヤンデレが画面を見つめ、興奮した声を上げた。


「今の顔面陥没からの回復、スロー再生で配信しますわね♡ コメントが『神回復』『慈愛様ありがとう』で埋まっていますわ♡」


科学のヤンデレもメモを取る。


「回復前後の組織再生速度……予想以上ですわ。薬学の補助を併用すれば、さらに効率が上がりそうですね♡」


嫉妬のヤンデレが、倒れていた青年に優しく声をかけた。


「大丈夫? 私が応援してるから、もう一度頑張ってね♡」

彼女は神対応の笑顔で青年の肩をポンと叩いた。青年は理由もわからないまま、なぜか少し元気が出た気がした。


格闘特化の男のヤンデレは、満足そうに頷いた。


「よし。これで安心してクイズを続けられるな。俺のスクワットは昨日五千回だ。次はちゃんと答えろよ」


「何も安心できてねえええええ!!」


こうして、雑学王決定戦は何事もなかったかのように続行された。


顔面を陥没させられた嫉妬深い青年も、顔が元通りになったので、ひとまず安心である。


---


「それでは、第3問ですわ♡」


腰振りのスペシャリストの男のヤンデレが、六人の前に立った。制御特訓中とはいえ、その存在感は圧倒的だ。


「問題だ。俺の腰振り力はいくつでしょう? 数値で答えてくれ」


「……は?」

主人公は思わず聞き返した。


「俺の腰振り力だ! どれほどの力を持っているか、数値で答えてくれ!」


「そんなもん、どうやって測るんだよおおおおお!!」


バチバチバチバチバチバチッ!!


「ぎゃああああああああああ!!」


「主人公様♡ 回答をお願いいたしますわ♡」

魔導のヤンデレが、笑顔で促した。


主人公は震える手でホワイトボードを持った。


「……30」


バチバチバチバチバチッ!!


「ぎゃああああああああああ!!」


「なんでだよ! 答えただろ!」


「回答に迷いが感じられましたわ♡」


「そんな理由で流すなあああああ!!」


バチバチバチバチバチバチッ!!


隣の国王も、慌てて回答した。


「50だ! 余の国王としての勘がそう告げている!」


バチバチバチバチバチッ!!


「余は国王だぞおおおおお!!」


「国王様♡ 肩書きは採点対象ではありませんわ♡」


「余の威厳はどうなっているのだあああああ!!」


バチバチバチバチバチッ!!


国王は白目を剥き、そのまま気絶した。


嫉妬深い青年は「50」。

恋愛の達人は「1000」。

正義感の強い男は「0」。


それぞれ回答するたびに、電流が流れた。


バチバチバチバチバチッ!!


「ぎゃああああああああああ!!」


「なぜ俺まで殴られるんだあああああ!!」

正義感の強い男が叫ぶと、格闘特化の男のヤンデレが立ち上がった。


「おい、回答する態度がなっていないぞ! 出題者への敬意を忘れている!」


「いや、俺は普通に答えただけ――」


ドゴォッ!!


格闘特化の男のヤンデレの拳が、正義感の強い男を吹き飛ばした。


バキッ! ドゴッ! ボコボコボコッ!!


「ぎゃああああああああああ!!」


「回答者たるもの、出題者への敬意を忘れるな! 俺は真剣に鍛えているんだ!」


「敬意を示す前に殴るなあああああ!!」


バチバチバチバチバチバチッ!!


最後に、ゲイバーのお兄さんが静かに口を開いた。


「……53万だ」


腰振りのスペシャリストの男のヤンデレが、目を見開いた。


「ほう。53万か」


「ああ。俺はお前と実際に戦ったことがある。あのときの動きと衝撃を考えれば、それくらいはあるはずだ」


「経験者の回答というわけか……!」

男は感慨深そうに頷いた。


「では、正解を発表しよう!」


六人が息を呑んだ。


「正解は――**53万以上だ!!**」


「……何?」

ゲイバーのお兄さんが目を見開いた。


「53万以上……?」


「そうだ! 53万は最低ラインにすぎん!」


「いや、待て! 俺は53万と答えたんだぞ!」


「残念! 『以上』が足りなかったな!」


「そんなのありかよおおおおお!!」


「必殺! **召雷弾腰振り衝撃波!!**」


バチバチバチバチバチッ!!


腰振りのスペシャリストが腰を振ると、雷をまとった衝撃波がゲイバーのお兄さんを直撃した。


「うおおおおおおおおおお!!」


ドゴォォォォォン!!


ゲイバーのお兄さんの体は凄まじい勢いで吹き飛び、壁に激突した。


そして、そのまま壁に深々と突き刺さった。


「…………」


部屋が静まり返った。


「お、お兄さん!?」

主人公が叫んだ。


バチバチバチバチバチッ!!


「ぎゃああああああああ!!」


「主人公様♡ 回答者席から離れないでくださいませ♡」


「今はそんなこと言ってる場合じゃねえだろおおおおお!!」


そのときだった。


「お兄様っ!!」


慈愛のヤンデレが、誰よりも早くゲイバーのお兄さんのもとへ駆け寄った。


「大丈夫ですか!? 今すぐ治療いたしますわ!」


彼女は壁に突き刺さったお兄さんの状態を確認し、優しく手を添えた。


「もう大丈夫ですからね♡ 痛いの痛いの、飛んでいけですわ♡」


温かな光が、お兄さんの体を包み込む。


壁からそっと引き抜かれたお兄さんは、慈愛のヤンデレに支えられながら床へ降ろされた。


「……すまねえな。助かったぜ」


「いいえ♡ 無事で何よりですわ♡ 回復は休息ではなく、再開のボタンですから♡」


慈愛のヤンデレは、ほっと胸を撫で下ろした。


腰振りのスペシャリストは、ゲイバーのお兄さんを見つめた。


「……ゲイバーのお兄さん、俺と戦ったときのお前は、5万程度だったな」


「ああ。あのときのお前は、まだまだ未熟だった」


「そうだ。あの時お前に見せた腰振り力は53万だった。だが、今の俺は違う!」

腰振りのスペシャリストの男ヤンデレは力強く拳を握った。


「現在の腰振り力は53万以上! そして、第二形態ならざっと100万以上だ!」


「100万以上だと……!?」

ゲイバーのお兄さんは驚いた。


「お兄さん。あのときのお前も十分に強かった。5万程度でも、普通に国家を制圧できるレベルだったからな」


「国家を制圧できるレベル!?」

国王が気絶から目覚めた。


「余の国は大丈夫なのか!?」


バチバチバチバチバチッ!!


「余は国王だぞおおおおお!!」


国王は再び気絶した。


そんな騒ぎをよそに、腰振りのスペシャリストはゲイバーのお兄さんへ手を差し出した。


「お前は、俺の成長を認めてくれるんだな」


「ああ。実際に戦った仲だからな。次に会うときは、どこまで強くなっているのか楽しみだぜ」


「ありがとう! だが、俺はまだ満足していない。これからも精進する!」


二人は力強く握手を交わした。


「次に戦うときは、さらに強くなった俺を見せてやる!」


「楽しみにしてるぜ!」


二人の友情は、以前にも増して深まっていた。


その横で、慈愛のヤンデレは微笑んだ。


「お二人とも、素敵な友情ですわね♡ でも、次に戦うときは、壁に突き刺さる前に私を呼んでくださいませ♡」


「いや、そもそも壁に突き刺さるような攻撃をするなよ!」

主人公が叫んだ。


バチバチバチバチバチバチッ!!


「ぎゃああああああああああ!!」


ドゴォッ!!


主人公は再び壁の奥へ吹き飛ばされた。拘束具は健在で、椅子ごとめり込む。


「感動している暇があるなら、次の問題に備えろ!」

格闘特化の男のヤンデレが拳を鳴らす。「俺は真剣だぞ」


十人のヤンデレたちは、今日も仲良く笑っていた。


嫉妬のヤンデレが、壁から引き戻される主人公に小さく手を振った。


「頑張ってね♡ 私がずっと応援してるから♡」


監視のヤンデレが画面を見て呟く。


「壁激突からの回復シーン、再生数が跳ねていますわ♡ いい素材ですわね」


科学のヤンデレも満足げだ。


「衝撃波のエネルギー値と壁の耐久データを取れました。次回の拘束具強化に活かしますわ♡」


拷問担当の男のヤンデレは、主人公がめり込んだ椅子を見て満足そうに頷いた。


「よし、この拘束具……全く壊れていない。いい仕事をしたな、俺」


---


### 第4問 岩盤浴


「それでは、第4問ですわ♡」


森羅万象のヤンデレが、優雅に前に出た。紅茶のカップを片手に、頂点意識を漂わせている。


今回は、なぜか勇者が追加で椅子に座らされていた。


「問題ですわ♡ **岩盤浴とは何でしょう?**」


勇者は自信満々に答えた。


「岩風呂のことだろう!」


「……違いますわ♡」

森羅万象のヤンデレが静かに首を横に振った。


「な、何だと!? 岩盤の風呂なのだから、岩風呂で合っているだろう!」


「そうですか……。では、正解を教えて差し上げますわ♡」


その瞬間、勇者の背後に、巨大な影が現れた。空間そのものが歪む。


「な、何だ……?」


勇者が振り返った瞬間――


「ふおぉ!?」


森羅万象のヤンデレが、優雅な仕草のまま強烈なラリアットを叩き込んだ。


ズキューン……ドカァーン!!


勇者はそのまま岩盤へと叩きつけられ、巨大なクレーターを作り上げた。部屋の床が陥没し、岩盤がむき出しになる。


森羅万象のヤンデレは、岩盤にめり込んだ勇者を見下ろして微笑んだ。


「岩盤浴とは、こういうことですわ♡ 整えましたわ♡」


「☆ノルマ達成☆」


森羅万象のヤンデレは、にっこりと笑った。


「それでは、次の問題に参りましょう♡ 逃げ道はありませんわ♡」


慈愛のヤンデレがすぐに駆け寄り、勇者をフルヒールで回復させる。


「また動けますわよ♡ 再開ですわ♡」


嫉妬のヤンデレが、メガホンを持って小さく応援した。


「勇者さん、頑張って! 私が応援してますからね♡」


監視のヤンデレはクレーターの映像を全世界に配信し、科学のヤンデレは「岩盤の硬度データ」を記録していた。


---


### 最終問題 愛


「それでは、最終問題ですわ♡」


十人のヤンデレたちが、主人公の前に並んだ。


森羅万象のヤンデレが、にっこりと微笑む。


「問題ですわ♡ この漢字は何と読むでしょう?」


彼女が掲げたのは、たった一文字の漢字だった。


**愛**


「……愛?」


主人公は答えた。


「正解ですわ♡!」


十人のヤンデレたちは、ぱちぱちと拍手をした。嫉妬のヤンデレも一番大きな拍手で「すごい!」と声を上げた。


「さすがですわ♡ 私たちの愛を、ちゃんと理解してくださっているのですね♡」


「ファンサービスは僕のモットーですから♪」

誰かが言い、すぐに別の声が重なる。


「さあ、俺のファンサービスの始まりだ!」


「……え?」


主人公が戸惑った、その瞬間。


「そろそろ受けてもらおうか、俺の本当のファンサービスを。」


「とくと味わってくれよ……俺のファンサービスを!」


十人のヤンデレたちが、一斉に主人公を取り囲んだ。


「ちょ、ちょっと待て! 正解したんだぞ!?」


「もちろん、分かっていますわ♡」

魔導が優しく首を傾げる。


「あなたの答えは素晴らしかったですわ♡」


「だが! しかし! まるで全然!」


十人の声が重なった。


「私たちを満足させるには程遠いんですわぁ♡!!」


「どういうことだよおおおおお!?」


「希望を与えられ、それを奪われる……」


主人公が絶望に顔を歪める。


それを見たヤンデレたちは、うっとりと目を細めた。


「素晴らしい……美しいですわ……♡」


「あなたの絶望に歪んだお顔……♡ たまりませんわ♡」


「本気のファンサービスはこれからですわ♡!」


「まだですわ♡ 私たちのファンサービスは終わりませんわ♡!」


「次はお前だ!!」


「いや、全員いるだろおおおおお!!」


「あなたには、私たちのファンサービスを喜んでいるのが分からないのですか?♡」


「どこに喜んでる奴がいるんだよ!?」


「ここにいますわ♡」


十人のヤンデレたちは、満面の笑みで手を挙げた。嫉妬のヤンデレも一番端で元気よく手を上げている。


「私たち全員ですわ♡」


「自分たちじゃねえかあああああ!!」


「お前たちの回答は素晴らしかった!」


「お前たちの回答は素晴らしかった!」


「……回答になってなかったよ!」


「だが! しかし! まるで全然!」


「この私を倒すには程遠いんですよわよねぇ!」


「この俺を倒すには程遠いんだよねぇ!」


「いや、倒すとかそういう話じゃないだろおおおおお!!」


主人公の叫びもむなしく、十人のヤンデレたちは一斉に動き出した。


魔導のヤンデレが魔法を放つ。

格闘特化の男のヤンデレが拳を叩き込む。「俺は真剣に鍛えている!」

腰振りのスペシャリストが、圧倒的な技術で主人公を追い詰める。

残るヤンデレたちも、それぞれの得意分野を存分に発揮した。

科学は分析しながらフィールドを展開し、監視はカメラを回し続け、潜入は逃げ道を先回りで封鎖し、薬学は回復を補助する薬を用意し、森羅は空間を整え、慈愛は倒れそうになるたびにヒールを入れ、嫉妬はメガホンで「頑張って!」「いい顔!」と応援し、拷問担当は拘束具の耐久を確認しながら「まだ壊れない……最高だ」と満足していた。


「ちょっと待て! 十人同時は反則だろおおおおお!!」


「反則ではありませんわ♡ 愛ですもの♡」


「愛で何でも許されると思うなあああああ!!」


「素晴らしい……♡」


「まだまだですわ♡」


「もっと楽しんでくださいませ♡」


十人のヤンデレたちは、容赦なく攻撃を続けた。


主人公は逃げようとした。


しかし、逃げ道はなかった。


魔法で塞がれ、拳で押し戻され、蹴りで吹き飛ばされる。監視カメラはすべてを捉え、全世界に配信され続けている。


「もう無理だあああああ!!」


「まだですわ♡ 私たちのファンサービスは終わりませんわ♡!」


「誰か助けてくれえええええ!!」


その叫びが、部屋中に響き渡った。


そして、ついに。


主人公はその場に倒れ、気絶した。


十人のヤンデレたちは、満足そうに頷いた。


「今日も素晴らしいファンサービスでしたわね♡」


「ええ♡ 大成功ですわ♡」


「また明日も楽しみですわね♡」


嫉妬のヤンデレが、気絶した主人公の頭を優しく撫でた。


「よく頑張りましたね♡ 私がずっと応援していましたから♡」


しかし、部屋は見る影もなく、瓦礫の山と化していた。


「……あら。少しやりすぎてしまいましたわね♡」

森羅万象が優雅に肩をすくめる。


「まあ、問題ありませんわ♡」

魔導が即座に答える。


科学のヤンデレが瓦礫の中からタブレットを拾い上げる。


「データはすべて取れましたわ。次回の拘束具強化と、感度調整の参考になりますわね♡」


監視のヤンデレは配信を止めず、むしろ「アフタートーク」として続行していた。


「コメント欄が『また見たい』『夜の部もお願い』で溢れていますわ♡」


拷問担当の男のヤンデレは、原型を保った拘束具を見て深く満足した。


「この器具……完璧だ。壊されなかった。俺の仕事に文句はねえ」


十人のヤンデレたちは、瓦礫の中から主人公を引きずり上げた。


「さあ、帰りましょうか♡」


「夜のファンサービスも、忘れてはいけませんわね♡」


「もちろんですわ♡ 最後まできっちり楽しんでいただきませんと♡」


嫉妬のヤンデレが最後に小さく手を振った。


「おやすみなさい♡ また明日も応援しますからね♡」


十人のヤンデレたちは、気絶した主人公を連れて、仲良く手をつないで帰っていった。


ヤンデレたちは、夜のファンサービスも忘れない。


**それがプロですから。**


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