ヤンデレたちに惚れ薬を飲ませようとした結果、1億通りの愛の監獄が完成した
# ヤンデレ編――惚れ薬計画
主人公には、悩みがあった。
ヤンデレたちに愛されすぎて、平穏な生活を送れないのだ。
そこで主人公は、ある計画を思いついた。
まず、魔導のヤンデレを呼び出した。
「実は、お前に頼みがある」
「何ですの? 私との夜の生活を増やしてくださるのですか?♡」
「違う。薬物専門と科学専門の二人を連れてきてほしい」
「何をするつもりですの?」
「惚れ薬を作る」
その瞬間、魔導のヤンデレはニヤリと笑った。
「承知いたしましたわ♡」
魔導のヤンデレは快く承諾した。
しばらくして、薬物専門と科学専門のヤンデレがやってきた。
主人公は三人を前にして、真剣な表情で告げた。
「惚れ薬を作ってほしい」
「承知しましたわ♡」
三人は即答した。
「ところで、何に使うのですか?」
薬物専門のヤンデレが尋ねた。
主人公は答えた。
「他の七人を、ゲイバーのお兄さんに惚れさせる」
「……はい?」
三人は思わず聞き返した。
「俺の生活を少しでも平穏にするためだ。あいつらがゲイバーのお兄さんに夢中になれば、俺への執着も少しは減るだろう」
主人公は自分の計画を説明した。
三人は顔を見合わせた。
そして、満面の笑みを浮かべた。
「なるほど、素晴らしい計画ですわ♡」
「私たちも協力いたしますわ♡」
「それで、私たちへの報酬は?」
科学専門のヤンデレが尋ねた。
「もちろん、お前たち三人の夜の生活は約束する」
主人公は答えた。
「まあ♡」
「喜んで協力いたしますわ♡」
「腕が鳴りますわね♡」
三人は快く承諾した。
こうして、主人公の平穏な生活を取り戻すための、惚れ薬計画が始まった。
主人公は考えた。
まあ、ゲイバーのお兄さんなら耐えられるだろう。
主人公は勝手にそう決めつけ、作戦を実行することにした。
十五分後。
「完成しましたわ♡」
三人は惚れ薬を主人公のもとに持ってきた。
「早っ!」
主人公は思わず叫んだ。
驚いている主人公に、科学専門のヤンデレが説明書を手渡した。
「こちらが説明書ですわ♡ 皆さんの好みに合わせて、それぞれ完璧に仕込みました」
主人公は説明書に目を通した。
そこには、七人それぞれの好物に合わせた惚れ薬の仕込み方が記されていた。
どうやら三人は、惚れ薬をただ作っただけではない。
七人の好物に合わせ、誰にも気づかれない形で仕込める状態にまで仕上げていたのだ。
「お前たち、仕事が早すぎるだろ……」
主人公は説明書を握りしめた。
「その前に主人公様、こちらにサインしてくださいまし♡」
魔導のヤンデレは、どこからともなく契約書を取り出した。
そこには『夜の生活の永続的充実および相互愛の確認に関する誓約書』と書かれていた。
主人公は惚れ薬計画のことで頭がいっぱいだった。一刻も早く薬を配り終え、平穏な夜を迎えたかったのだ。
「ああ、分かった。サインすればいいんだろ」
主人公は深く考えず、契約書に署名した。
「ご署名、ありがとうございますわ♡」
魔導のヤンデレは契約書を回収すると、薬物専門と科学専門のヤンデレに目配せした。
三人は満面の笑みを浮かべた。
「ところで、主人公様」
科学専門のヤンデレが口を開いた。
「先ほど、夜の生活の予定を72通り考えておきましたの♡」
「72通り?」
主人公は眉をひそめた。
「少ないですわね。1億通りにしましょう♡」
「増やしすぎだろ!!」
主人公が叫ぶと、科学専門のヤンデレはタブレット端末を操作した。
「変更完了ですわ♡」
「勝手に変更するな! 俺は72通りですら了承していないぞ!」
「ご安心くださいませ、主人公様♡」
魔導のヤンデレは契約書を魔法で封印し、大切そうにしまった。
「1億通りというのは、あくまで最低限の目安ですわ。主人公様への愛を表現するには、それだけのバリエーションが必要ですもの♡」
「必要ねえよ!! そんな数をこなせるか! 俺の肉体は神殺しでも、無限に動けるわけじゃねえんだぞ!」
すると、薬物専門のヤンデレがフラスコを取り出した。
「その点もご心配なく♡ 主人公様の体力が尽きたら、慈愛のヤンデレと協力して、体力も魔力も全回復する特製薬を用意いたしますわ♡」
「お前ら、最初からそこまで計画していたのか!?」
「もちろんですわ♡」
三人は声をそろえて答えた。
「それじゃあ、俺はいつ休めるんだよ!!」
主人公の悲痛な叫びが響き渡った。
こうして、惚れ薬計画は実行段階へと移った。
# ヤンデレ編――惚れ薬計画
主人公は考えた。
惚れ薬を仕込むなら、相手の好物を用意するのが一番だろう。
そこで主人公は、薬物専門、科学特化、魔導のヤンデレを除いた七人に、それぞれ好みのプレゼントを渡すことにした。
まず、森羅万象のヤンデレには、世界中の珍しい宝石を集めた宝石箱を渡した。
「まあ♡ 主人公様、ありがとうございますわ♡」
森羅万象のヤンデレは満面の笑みを浮かべた。
「これで世界を一つ吹き飛ばしても、しばらくは機嫌よく過ごせそうですわ♡」
「頼むから吹き飛ばすなよ!」
次に、慈愛のヤンデレには、主人公が選んだ高級な花束を渡した。
「まあ♡ 主人公様からの贈り物……! 大切にいたしますわ♡」
慈愛のヤンデレは花束を抱きしめた。
「お礼に、主人公様にも愛情たっぷりのプレゼントを差し上げますわ♡」
「いや、俺は何もいらないからな!」
続いて、監視・情報特化のヤンデレには、最新型の高性能カメラを渡した。
「まあ♡ これで主人公様の姿を、今まで以上に鮮明に記録できますわね♡」
「待て。何に使うつもりだ?」
「もちろん、主人公様の生活記録ですわ♡」
「プレゼントを返せ!!」
潜入特化のヤンデレには、最新式の万能工具セットを渡した。
「まあ♡ これなら、どんな鍵や扉にも対応できますわね♡」
「いや、悪用するなよ?」
「ご安心くださいませ。主人公様の安全を守るために使いますわ♡」
「俺の部屋の鍵を開けるためじゃないだろうな!?」
薬学特化のヤンデレには、珍しい薬草を詰め合わせた特製セットを渡した。
「まあ♡ こんなに貴重な薬草をいただけるなんて!」
薬学特化のヤンデレは目を輝かせた。
「これで主人公様のために、もっと素晴らしい薬を開発できますわ♡」
「普通の薬にしてくれよ! 変な副作用はなしだからな!」
格闘特化の男のヤンデレには、特注のトレーニング器具を渡した。
「おお! これはいいな!」
彼は器具を持ち上げ、満足そうにうなずいた。
「これでさらに鍛えられる。ありがとうな!」
「おう。ほどほどにな」
「もちろんだ。次はこの器具を使って、主人公と一緒に鍛えよう!」
「なんでそうなるんだよ!」
最後に、嫉妬のヤンデレには、豪華な実況用マイクと音響機材を渡した。
「これは……! 主人公様、ありがとうございますわ♡」
嫉妬のヤンデレは機材を手に取り、さっそくマイクの電源を入れた。
『皆さん、聞こえますか! ただいま主人公様からプレゼントをいただきました! これは愛の証ですわ♡』
「おい、さっそく実況するな!」
『そして今、主人公様が照れております!』
「照れてねえよ!!」
こうして、七人全員にプレゼントを渡し終えた。
主人公は満足げにうなずいた。
「よし。これで少しは機嫌よく過ごしてくれるだろう」
しかし、七人はそれぞれプレゼントを抱きしめながら、主人公を見つめていた。
「主人公様♡ 素敵な贈り物をいただいたお礼をしなければなりませんわね♡」
「そうですわね♡」
「今夜はたっぷりと愛して差し上げますわ♡」
「……しまった」
主人公は頭を抱えた。
平穏な生活を取り戻すための計画は、惚れ薬を使う前から、すでに雲行きが怪しくなっていた。
# ヤンデレ編――惚れ薬計画
そして、森羅万象のヤンデレを除く六人は、ゲイバーのお兄さんのもとへ駆けていった。
監視・情報特化のヤンデレは、高性能カメラですでにお兄さんの居場所を把握していた。
「お兄さん♡ ようやくお会いできましたわ♡」
「……げっ! お前たち、どうしてここに!?」
ゲイバーのお兄さんは、六人の姿を見た瞬間、顔を引きつらせた。
「お、おいおい! 今日は勘弁してくれよ! 俺はまだ死にたくないんだ!」
「まあ♡ そんなに慌てなくても大丈夫ですわ♡」
「その台詞を信じて何度ひどい目に遭ったと思ってるんだよ!」
監視・情報特化のヤンデレは、さっそくカメラを構えた。
「この歴史的瞬間を記録しなければなりませんわ♡ 皆さん、こちらをご覧ください! ただいま私たちは、お兄さんとの運命的な再会を果たしております!」
「再会じゃねえよ! 俺はお前たちから逃げてたんだよ!」
嫉妬のヤンデレは、マイクを握りしめて目を輝かせた。
『速報です! ゲイバーのお兄さんが私たちを歓迎しております!』
「勝手に実況するな! どこをどう見たら歓迎してるんだ!」
『おっと、ここでお兄さんが否定! これは照れ隠しでしょうか!?』
「違うわ! 本気で帰ってくれって言ってるんだよ!」
潜入特化のヤンデレは、いつの間にか店の出入り口を確認していた。
「これで誰にも邪魔されず、お兄さんと過ごせますわね♡」
「待て! 今、出口を塞ごうとしなかったか!?」
「ご安心くださいませ。お兄さんが逃げ出さないよう、安全を確保しているだけですわ♡」
「それを監禁って言うんだよ!」
格闘特化の男のヤンデレは、お兄さんの隣に座ろうとした。
「お兄さん! 今日は一緒に鍛えませんか!」
「嫌だよ! お前と鍛えたら、俺の身体がもたねえ!」
「では、まずは腕相撲から!」
「話を聞け! 俺は帰るんだよ!」
最後に、慈愛のヤンデレが、お兄さんの手をそっと握った。
「お兄さん♡ 私たち、これからたくさんの愛を育んでいきましょうね♡」
「ひぃっ! その笑顔が一番怖いんだよ!」
「まあ♡ そんなに怖がらなくても大丈夫ですわ♡ 私たちは、お兄さんを心の底から愛しておりますもの♡」
「愛が重すぎるんだよ! もっと普通に愛してくれ!」
六人は、お兄さんを取り囲んだ。
お兄さんは逃げ道を探したが、どこにも見当たらなかった。
「……誰か助けてくれええええ!」
六人がお兄さんに襲い掛かろうとした、その瞬間だった。
「そこまでですわ♡」
魔導のヤンデレがテレポートで現れた。
その隣には、森羅万象のヤンデレも立っていた。
「……えっ!? お前たち、どうしてここに!?」
ゲイバーのお兄さんは、驚いて二人を見た。
魔導のヤンデレは、にっこりと微笑んだ。
「皆様、少々やりすぎですわよ♡」
「お兄さん♡ 覚悟してくださいませ♡」
六人は聞く耳を持たず、再びお兄さんに迫ろうとした。
すると、森羅万象のヤンデレが指をパチンと鳴らした。
その瞬間、六人の動きが止まった。
「……あら?」
「私たち、いったい何を……?」
六人は顔を見合わせ、困惑した様子で周囲を見回した。
やがて、自分たちがゲイバーのお兄さんを取り囲んでいたことに気づいた。
「……えっ!? 私たち、何をしていたんですの!?」
ゲイバーのお兄さんは、慌てて六人から距離を取った。
「な、なんだか知らねえが、助かった……!」
魔導のヤンデレは、楽しそうに微笑んだ。
「実は、皆様が主人公様からいただいたプレゼントには、惚れ薬が仕込まれていたのですわ♡」
「な、なんですって!?」
「プレゼントを受け取った時点で、皆様はお兄さんに惚れてしまっていたのです♡」
六人は顔を見合わせた。
「そ、そんなことが……!」
魔導のヤンデレは、さらに説明を続けた。
「そして、森羅万象様の力で、皆様を正気に戻していただいたというわけですわ♡」
「そもそも私には惚れ薬など効きません。皆さんの様子がおかしいことに気づき、魔導のヤンデレに知らせたのです」
「そ、そういうことだったのか……!」
ゲイバーのお兄さんは、安堵のため息をついた。
「助かったよ……。もう少しで本当に死ぬかと思ったぜ……」
森羅万象のヤンデレは、お兄さんに向かって微笑んだ。
「お兄さん♡ 今度、私ともお茶をしていただけますか?」
「……えっ?」
お兄さんの顔が再び引きつった。
「いや、俺はもう帰る! 今日は店じまいだ!」
そう言い残すと、お兄さんは一目散に逃げ出した。
「まあ♡ 照れ屋さんですわね♡」
森羅万象のヤンデレは、楽しそうに笑った。
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そのころ、主人公は街をぶらぶらとうろついていた。
「いやあ、今日は久しぶりに平和だな……」
主人公は空を見上げ、満足げに伸びをした。
「ヤンデレたちはゲイバーのお兄さんのところに行ったし、俺はしばらく自由に過ごせそうだ」
主人公は、何も知らずに街歩きを楽しんでいた。
さて、そろそろ屋敷に帰るか。
# ヤンデレ編――惚れ薬計画、その結末
主人公は、屋敷の前にたどり着いた。
「いやあ、今日は久しぶりに平和だったな……」
主人公は満足げにうなずき、ドアノブに手をかけた。
ガチャリ。
扉を開けた瞬間、主人公の笑顔が凍りついた。
そこには、六人のヤンデレたちが立っていた。
「……あれ?」
六人は、全員が笑顔だった。
しかし、その目はまったく笑っていなかった。
「主人公様♡」
慈愛のヤンデレが、優しく声をかけた。
「私たちに、何か言うことはございませんか?♡」
「……えーっと、ただいま?」
「主人公様♡ 私たちに変な薬を仕込んで、お兄さんのところへ行かせようとしましたわね……?♡」
監視・情報特化のヤンデレが、静かに告げた。
「いや、あれは、その……」
「私たち、正気に戻ってから全部思い出しましたの♡」
潜入特化のヤンデレが、主人公の背後に回った。
「おかげで、お兄さんには逃げられてしまいましたわ♡」
「いや、そこは別にいいだろ!?」
「よくありませんわ♡」
嫉妬のヤンデレが、にっこりと微笑んだ。
「主人公様が私たちを他の男性に押し付けようとした。その事実が、何よりも問題なのですわ♡」
「押し付けたって言い方はやめろ! 俺はただ、少し休みたかっただけなんだ!」
「まあ♡ 私たちから離れて休みたいだなんて……」
慈愛のヤンデレが、主人公の手を握った。
「そんなにお疲れでしたのね♡ でしたら、私たちがたっぷりと癒やして差し上げますわ♡」
「いや、そういう意味じゃ――」
「主人公様♡」
格闘特化の男のヤンデレが、腕を鳴らした。
「今日は特別な訓練をご用意しました!」
「待て! なんでお前までいるんだよ!」
「主人公様への愛を鍛えるためです!」
「愛を鍛えるな!」
腰振りのスペシャリストの男のヤンデレも、ゆっくりと近づいてきた。
「主人公様♡ 今夜は、私たちとじっくり語り合いましょうね♡」
「語り合うだけで済むのか!?」
六人は、主人公を取り囲んだ。
「さあ、主人公様♡ お話し合いを始めましょう♡」
「ちょっと待て! 俺にも言い分が――」
「もちろん、最後まで聞いて差し上げますわ♡」
「本当か!?」
「ええ♡ そのあとで、たっぷり愛して差し上げますわ♡」
「結局そうなるのかよおおおお!」
主人公の悲鳴が屋敷に響き渡った。
そのときだった。
「皆様、そろそろ契約のお時間ですわ♡」
魔導のヤンデレが、奥の部屋から姿を現した。
その隣には、科学特化のヤンデレと薬学特化のヤンデレがいた。
三人は、何やら書類を手にしている。
主人公は、その書類を見た瞬間、嫌な予感がした。
「……おい。その紙、なんだ?」
魔導のヤンデレは、契約書を胸元に抱きしめた。
「ご苦労様です、主人公様♡」
そして、妖しく微笑んだ。
「約束の1億通りの1件目、さっそく始めましょうか♡」
「……は?」
主人公の思考が停止した。
「ちょっと待て! あの契約、まだ有効だったのか!?」
科学特化のヤンデレが、淡々と答えた。
「当然です。契約内容に変更も破棄もありませんから」
「いや、俺はあれを本気で実行するつもりなんて――」
「主人公様♡」
薬物専門のヤンデレが、にっこりと微笑んだ。
「惚れ薬の研究成果は、今回の実験で十分に確認できましたわ♡ 次は、別の方法を試してみましょうね♡」
「お前ら、俺を実験台にする気だろ!?」
「まあ♡ 主人公様のための研究ですわ♡」
「俺のためなら俺に聞け!」
三人は、楽しそうに顔を見合わせた。
そして、魔導のヤンデレが主人公の手を取った。
「さあ、主人公様♡ 記念すべき第一件目の始まりですわ♡」
「やめろおおおお! 俺はまだ何も承諾してないぞ!」
「契約書に署名済みですわ♡」
「そういう問題じゃねえ!」
主人公は必死に逃げようとした。
しかし、背後には六人のヤンデレたちがいる。
前方には、契約書を抱いた魔導のヤンデレたち三人。
そして、屋敷の奥から、穏やかな声が聞こえてきた。
「主人公様♡ お茶の準備ができておりますわ♡」
森羅万象のヤンデレだった。
主人公は、ゆっくりとそちらを振り向いた。
「……お茶?」
「ええ♡ 今日は主人公様と、ゆっくりお話ししたいと思っておりましたの♡」
森羅万象のヤンデレは、優雅に微笑んだ。
「どうぞ、こちらへいらしてくださいませ♡」
「……ああ」
魔導のヤンデレは、主人公の隣に座る森羅万象のヤンデレを見て、にっこりと微笑んだ。
「そういえば、森羅万象のヤンデレ。今回の出来事の発端について、まだお話ししていませんでしたわね♡」
主人公様の顔が引きつった。
「おい、待て。何を話すつもりだ?」
「何って、主人公様が私たちに惚れ薬を飲ませようとしたことですわ♡」
「違うだろ! 俺はそんなことしてない!」
「まあ、主人公様ったら。私たち三人と契約まで交わしたではありませんか♡」
魔導のヤンデレは、懐から契約書を取り出した。
「薬物専門のヤンデレと化学特化のヤンデレに協力してもらって、私たちに惚れ薬を飲ませる計画を立てたのですわ♡ そのうえ、私たちとの夜を楽しむために、体力を回復する薬まで用意させようとしていましたの♡」
「お前、余計なことを言うな!」
主人公様が慌てて止めようとする。
しかし、森羅万象のヤンデレは静かに主人公様を見つめていた。
「……つまり、今回の騒動は、主人公様が私たちに惚れ薬を飲ませようとしたことから始まったのね?」
「いや、あれは、その……」
「それで、私たちのうち七人に贈り物をして、油断させようとしたのね?」
「ちょっと待て! 贈り物は純粋な感謝の気持ちで――」
「主人公様♡」
魔導のヤンデレが、主人公様の肩にそっと手を置いた。
「森羅万象のヤンデレには、嘘をつかないほうがよろしいですわよ♡」
主人公様は助けを求めるように森羅万象のヤンデレを見た。
彼女は微笑んでいた。
「安心して、主人公様。今回のことは、きちんと話し合いましょう」
「そ、そうか……!」
主人公様の表情が明るくなる。
だが、次の瞬間。
「まずは、どうして私たちに惚れ薬を飲ませる必要があったのか、最初から最後まで説明してもらうわね」
主人公様の顔から、再び血の気が引いた。
魔導のヤンデレは、満足そうに笑った。
「うふふ♡ これでようやく、今回の騒動の全容が明らかになりますわね♡」
主人公様は思った。
――こいつ、絶対に余計なことをした。
そして、魔導のヤンデレは主人公様の耳元でささやいた。
「もちろん、契約書のことも、夜のお約束のことも、全部お話ししますわよ♡」
主人公様は、その場に崩れ落ちた。
主人公は、すべてを悟った。
惚れ薬計画は失敗した。
いや、正確には成功していた。
自分を解放するために仕掛けた計画が、結果としてヤンデレたち全員に計画を知られ、さらに契約まで持ち出される原因になったのだ。
「……俺、何やってんだろうな」
主人公は、遠い目をした。
「さあ、主人公様♡ まずはお茶を楽しみましょう♡」
森羅万象のヤンデレが、主人公の手を引いた。
「そのあと、1億通りの愛を順番に楽しんでいただきますわ♡」
「お茶のあとに何が待ってるんだよおおおお!」
主人公の絶叫が、再び屋敷に響き渡った。
こうして、主人公の惚れ薬計画は幕を閉じた。
そして、新たに始まったのは――。
**1億通りの愛の監獄だった。**




