前へ目次 次へ 19/23 12.5 ―― 白い世界。 それはいつもとは違った。 風で、薄い色のカーテンが揺れている。 一人の少女が病院のベッドに横たわっていた。 彼女の顔は気色いい、穏やかなものだった。 一匹の白い蝶々が窓から入ってきた。 蝶々が彼女の瞼にとまると、横から声が聞こえた。 不安と希望の入り混じるその声に反応するように、彼女の瞼は開き、蝶は飛び立つ。 抱えた花束から落ちる花びらをまといながら駆け寄る彼は、これまで見た何よりも綺麗だった。 ――