↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/27

9.

ティアラ(双子姉)の目線です。



朝ですわ!



お休みって、なんで時間が過ぎるのが早いのでしょうか?



ラピスとりゅうと宿の周りをお散歩して、温泉に入ってたら、昨日は、すぐに夜になってしまいました。





今日は、お出かけをするので早起きです!





「ラピス、トレーニングしてきたの?」


「うん、りゅうと一緒にね。走り込みができる林道を見つけたから。」



ラピスがうっすらと蒸気した顔で、満足そうに頷きながら、着替えをしています。



「ティアラは、サボってばっかりだから、腹出てきてるぞ。」


「いいのよ! わたしは魔法系だから、トレーニングは3日に1回でイイって!兄さまが言っているもの!」



兄さまは、パワー系のラピスには毎日のトレーニングカリキュラム、私には少し控えめの3日に1回のカリキュラムを組んでくださっています。



3日に1回ぐらいが丁度いいですわ!






ラピスと一緒に、出かける準備をしてロビーに向かいます。



私の今日のコーディは、少し動きやすい厚手の生地の膝丈のワンピースに秋物のレースをあしらったコート、靴と色を合わせた斜めがけの栗色のポシェット。


我ながら、可愛いですわ!



ラピスは引き締まった体の線がはっきりと出るパンツルックにウィンドジャケット、ほとんどランニングに出るときと同じ衣装に小さめのリュックを背負って、髪はひとつにまとめポニーテールにしています。




「りゅう! こっち!」


首輪に小物入れのポーチをくっつけたりゅうが合流しました。





「出発!!!」



うきうきとした2人と1匹は宿を出た。








「近かったですわね。」




案内人にもらった地図を見ながら、わいわいと歩いて来たら、クエンタフラワーパークには直ぐに着いてしまいました。





「誰もいないね?」


おすすめの観光場所のはずなのに、人の気配がない?




「なんか変ですわ。おすすめの場所なのですよね?」



「まー、いいんじゃね。人少ない方が並ばなくていいし!」



ラピスは、気にすることなく、公園にドスドスと入っていく。




「あっ、ちょっと待って、置いていかないで!」


慌てて、私はラピスに続いて公園に入ります。




「広い公園だね。露店はどこだろ?」


「お花は、ないわね。一面コキアだわ。」




大きな花壇は見渡す限りコキアで埋め尽くされている。緑から赤に変わりかけているコキアはとてもキレイで圧巻の光景だ。


コキアは、別名ホウキ草、小さな針葉樹のような見た目でホウキの先にできそうな細い茎の植物だ。


ただ、この2人と1匹の好むテイストでは無い。

むしろリデルは好みそうな大人向けの景色だ。





「すごい大きさの花壇です! お花が咲いていないのが残念だわ。」


「この広さの花壇いっぱいに、イチゴが植えられていたら、最高なのに!」





「りゅう、食べ物の匂いはするか?」


ラピスがひょいっとりゅうを両手で持ち上げる。




「ちょっち待って!先に露店ですか?まだ、お昼には速いです!ここは、温室から回りましょう!」


露店に向かおうとするラピスとりゅう、を引っ張って、ティアラは温室に向かおうとする。




「え~。めんどくさいなぁ~。何が楽しいの?」

「きゅう、きゅう」


「なによ~! りゅうまで頷いて!」




「兄さまが、外で一人はダメって言ってたじゃない。私、まだお腹すいてないもの。先に露店行ったら、ラピスはお腹を満たして温室見ないで帰ろうって言うに決まってるもの!」




双子なので、ティアラはラピスのことなら、ほとんどわかってしまう。こうして、ティアラがお願いすれば、結局は付き合ってくれることも。




「わかったよ~。しぶしぶだよ。」


ラピスとりゅうが同じブー垂れた顔でティアラを見る。



「後で、おやつ奢るから、そんな顔しないでよ~。」


ラピスとりゅうが顔を合わせて、ニカッと笑う。



「もー!わかってやってるだから!」





「じゃあ、行くわよ!」


ティアラは、ラピスとりゅうの手を握り、引きずるように歩きはじめた。




駄々広い庭園は、手入れが行き届いて、装飾にしても、華やかさのなかにも品を感じさせる彫刻、どちらかというとセンスの良い大人の雰囲気の公園だ。

恋人たちが愛を語らうには絶好の場所だろう。





「なんか、つまんないね。」


すっかり、テンションが下がってしまった2人と1匹がトボトボと歩いていると、

ガラス張りのドーム型のドデカい建物が見えてきた。




「あれだわ。クリスタルで出来てるの!! かわいいわ!! 」


ティアラのテンションが上がる。



「少し、やり過ぎじゃねー。悪趣味。。」


ラピスがポソリと本音をこぼす。




突如と現れた、ドーム型の建物は、ハートやら、星だかゴテゴテの装飾にギラギラ光り主張する。この公園には不釣り合いで、明らかに違和感がある建物だ。





「ラピス、りゅう、行きましょう!」







「あそこから入れそうだね。」



重厚な扉をがある。カギはかかっていない様で開けて押してみると扉は開いた。



「誰も居ないのかしら? 勝手に入って怒られないかしら?」




いつものごとく、ラピスが何も考えずにドカドカと建物に入ってく、私も続いて建物に入る。




「何の匂いかしら?」



入った途端、甘ったるい匂いがしてきた。





「うえうえ、くさくさ、鼻が死ぬ。」

「ぎゅーーーーうっ」



「ティアラ、私とりゅうは、この臭いの駄目だ、ヤバイよ。倒れそう、外で待ってる。何かあったら叫べ!」




ラピスとりゅうは逃げるように外に出てしまった。




「なによ。もーう!お菓子奢ってあげないんだから!ちょっと、匂いがするだけじゃない。」



薔薇の匂いを濃縮してさらに、蜂蜜のような、甘い匂いと、嗅いだことにない少し癖のある匂いが混ざっている。



「りゅうが匂いに敏感なのはわかるけど、ラピスは嗅覚まで野獣並みに鍛えてどうするつもりかしら。あのままじゃ、お嫁に行けなくなるわよ!」




プンプン怒りながら、中に進んで行く。


温室の外からは何も見えなかったのに、中はお花だらけだ。

きれいなお花が所せましと植えられている。




「こんなに沢山の種類のお花を一度に見たことがないわ!」



ティアラは、夢中になって、温室のお花を見て回る。


旅先で野に咲く花を見ることは多いけど、ここにある花は、それとは違った、花びらが幾重にも重なり、自然では出しえない色など、どれも、誰しもが魅了されるように作り上げられた、美しい花々だ。





「まー、きれい! 何のお花かしら?」



「シェルドフラン、バラ科ですよ。 気に入りましたか?」


ティアラは、急に背後から声をかけられ、ビクッと振り返る。




そこには、ショッキングピンクの髪に、ゴスロリの姿の少女が立っていた。




「ようこそ、私の温室へ」


にこっと、少女が笑う。




「あなたの温室ですの?」



「ええ、わたくし、ここの館長のサティーナです。」


「館内をご案内しましょうか? どうぞ、こちらへ。」



「。。ありがとうございます。」




なんて、可愛らしい。この国の衣装ではないわよね。私と同い年ぐらいかしら? 館長って、子供でもなれるの?




サティーナ館長が温室を案内してくれる。




「この花は、水の国アークから取り寄せて、品種改良をしたものなの。元は青色なのだけど、水色に見えるでしょ。花びらも、重なるように、珍しい咲き方だと思わない?」



「!! 可愛いです!! こんなお花見たことない!」




すっかり、ティアラは温室の花々に魅了されてきた。


さっきまでは、ラピス程ではないが、違和感のある臭いを少し気にしていたのが、鼻がなれたのか?まったく気にならなくなってきた。




「ほかにもあるのよ。こちらに、いらっしゃい。」




サティーナはティアラに腕組みをして、親しそうに話すようになってきた。




温室の花は、一見なんの法則性も内容に混在しているように見えるけど、相性や高さの違いで日照をコントロールしている。自然に見えて全部緻密に計算されているらしい。




サティーナは楽しそうに、ティアラに説明しながら案内する。



ティアラは、ほとんど理解など出来ていないのだが、

「そうだったのですね。私もそう思いますわ!」

と、いっつも兄の話しを聞くときと同じ感覚で相づちを返す。







「私、あなたのこと気に入っちゃった。 プレゼントをあげるわ。」



サティーナがティアラにガラスでできた小瓶を差し出した。



「!! 可愛い!! 綺麗な色!」



「ふふっ、香水よ。特別に作ったもので売ってないわ。」




ティアラは小瓶の蓋を抜き、蓋についた匂いを嗅いでみる。


「うれしい! 、、でも。。」


「どうしたの?」


「この香水は匂いが強いのね。。匂いに敏感な妹がいるから付けられないわ。」


「そう。それは残念ね。」


ティアラはサティーナに小瓶を返した。






「あっ、もうそろそろ行かなくちゃ!かなり時間が経ってしまっているわね。」



ティアラはサティーナに向かって、軽く頭を下げると、急いで出口に向かう。




「ティアラちゃん。また、来てね!」


ティアラはサティーナに手を振ると、温室の外にでた。







「ラピス、りゅう、お待たせ。」



「うぐっ! 待ってないよ~。」


口いっぱいに、ほうばって、もぐもぐしながら、食べ物を抱えた、ラピスとりゅうがベンチに座っている。




「あ~。 露店に先に行ったのね!!!」


「大丈夫だよ。ティアラの分も、ほら! お芋好きだろ。」


「好きだけど! 私を置いてくなんて! 一人はダメって言われてるじゃない!」


「大丈夫だよ。りゅうと一緒だから。一人じゃないよ~。」


「ラピス! 私が一人じゃない。 兄さまに、また、私がはぐれたって言われちゃうわ!」


「大丈夫だよ。ティアラは建物のなかで、一人で出歩いてはいないから。」


「そうかしら? そうね。出歩いてはいないわね。 うん。 お芋いただくわ!!」


「きゅぅ~!」




2人と1匹は、そうだそうだと頷きながら、ホクホクの焼き芋を食べる。



お腹がいっぱいになった2人と1匹は、満足して、宿に帰ることにした。


「宿に帰って、温泉入ろう!!」


2人と1匹は、来た道をうきうきしながら、宿に戻った。






次回から、リデル(兄)目線に戻ります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。