8.
ティアラ(双子の姉)の目線です。
ティアラ目線。。
久しぶりの町での滞在は嬉しいかぎりです。
お仕事も嫌いではないのですが、野宿はゆっくりお風呂にも浸かれないので、、
王都は、お店も沢山ありますし、お買い物が楽しみです。
デカサイズになったりゅうの背中に乗せてもらって、もふもふの気持ちよさに寝てしまったから、どれぐらい時間が経ったのか?わかりませんでしたが、移動は苦ではありませんでした。
飛んでいるときの強風は、兄さまがシールドで防いでくださるので快適なのです。
宿はこの町で一番上等な温泉付きの宿を兄さまは選んだ様です。
エントランスも広くて、待合のロビーに低めのソファーが大きな生け花を囲むように円形に置かれています。
外観は、少し古いというか、古風な印象を受けましたのに、建物の中に入ると古臭い感じがまったくありません。調度品はシンプルで無駄のないただの四角や丸といったどこにでもありそうな形なのに、周りに飾られているお花や植物から、質素という印象は受けません。どちらかというと、華やかな印象です。
お花や植物をさりげなく装飾の主役にしている当たりが、この国の人がお花や植物を大切にしているのが分かります。
「兄さまが好きな感じの宿ですね。」
「露天風呂ありだって~。ティアラ、後で行ってみよう!!」
「美肌の湯ですって。いいわね!」
「ママも一緒に行くわ!!」
兄さまは、無類の温泉好きだから、嗜好が入っているわね。
「兄さま~。こちらですわ。お部屋はとれまして~?」
受付を終えて、兄さまがこちらに向かってきます。
「ああ、3部屋取れたよ。ティアラとラピス、俺とりゅう、親父と母さんでいいよね。久しぶりに、ゆったりできそうだね。」
兄さまが仕事の時と違って、ふんわりした感じで鍵を渡してきます。
「私と兄さまでもいいのですけど。。」
「それを言うなら、私とリア兄でしょ!」
お仕事の間の兄さまとは、ゆっくりお話しする時間もありません、お休みの時ぐらいいっぱいお話ししたいです。
「いや、いや、それは。。やっぱり、双子で仲良くがいいだろ!それに、りゅうをゆっくり休ませてやりたいしな。お前たち、その、寝相とイビキが、、、」
まー、いいですわ。
「ティアラ、ラピス、りゅう。明日まではお休みだよ。自由にしていいよ。でも、一人でお出かけはダメだよ。」
「兄さま、大丈夫ですわ! 私がラピスとりゅうを見ていますわ!」
「ティアラ、いつもはぐれるのはお前なんだけどね。。。」
まー、いいですわ。
「では、解散!」
「ティアラ、明日どこ行く?」
「そうですわね。 どこが良いのかしら?」
「宿の人に聞いてみようか?」
さすが、王都で一番良い宿です。コンシェルジュという観光の相談に乗ってくれる案内人がいて、お出かけに良い場所を教えてくださるようです。
「明日は、お休みですの。どこか良い観光場所はありまして?」
私は余所行きの丁寧な言葉遣いで案内人に尋ねてみます。
「ここ花の都 ドースの観光といったら、なんと言っても、王立保護指定公園のクエンタフラワーパークでございます!もう秋なので、残念ながら庭園は限られた花しか無いでしょうが、世界最大の温室には、年間を通して珍しい花が咲いています。研究施設が併設されておりまして、花をはじめとした植物に関する商品も開発しておりまして、パークで購入する事ができますよ。」
「そうなの!お花はいいわね!お花のブローチとか、香水とかもあるのかしら。花柄のワンピースとかもいいわね!」
ティアラは、余所行きの言葉を使うのを忘れるぐらいには興奮している。
ティアラはかわいいものが大好きだ、可愛らしく見えるように、魔法で髪の色も瞳の色も変えている。
本当の姿は、ラピスとそっくりだ、一卵性の双子なので当然なのだが、深青の髪も瞳もキレイだけど、ティアラの思う可愛らしいとは違う。
魔力の無駄遣いと言われても、こだわりの髪は銀色がかった茶色、ミルクティーの色で、目は光の加減ではピンクに見える紫色に姿を変えている。
「特産の食べ物はある?美味しい食べ物が食べたい!」
ラピスが途中で口を挟んできた、りゅうも「うんうん」と同意している。
この1人と1匹は、断然、花より団子だ。
お花の話題に興味など全くない。
「食べ物は、この時期だと、さつまいもや栗が露店で石焼きにされて売られています。ほくほくで甘味があって美味しいですよ。フラワーパーク中の露店でもたくさん種類があります。食べ物から宝飾品まで露店では、さまざま商品が売られていますよ。」
「それはいいね。リア兄にお小遣いいっぱい貰っていこう!!」
「りゅうも、しっかりおねだりするんだぞ!」
「きゅー!」
明日が楽しみですわ!




