26.
ミッションは完了した。
俺はシャルロットと両親のもとに向かう。
サティーナはランチェスに預け、念のため、ラピスとりゅうを監視につけ、後から向かう様に告げてきた。
「兄さま! やりましたわね! お仕事成功ですの?」
俺は深い息をはく。
「そうだな。 カトリーヌさんもこれで家に帰れるし、おおむね片付いたかな。」
「わたくし、お役に立てまして?」
「。。。」
あー、頑張ったさ!
危険にさらしたのは、俺の判断ミスだ。
「ティアラ、結果的には、大活躍だぞ!」
「まー、よかったですわ! 活躍したのですね!」
「母さま、父さま!」
ティアラが両親のもとに駆け寄る。
「なんて、おバカさんなのかしら。」
母さんが盛大に回復魔法をティアラに浴びせている。
これぐらいはいいだろう。
「シャルロット様、ミッションコンプリートです。」
俺は、にかっと笑って見せる。
「ティアラさん、ご無事でしたのね。」
「はい! ご心配おかけしました。」
「首謀者の女はどうなりましたか?」
「そちらも、説得を試みまして、自主的に魔の国デッドに帰還することとなりました。」
「、、これで、国の衰退は防げるのですのね?」
「はい、今の地力の枯渇は、その女の単独行動が原因です。主原因を取り除けば、これ以上の衰退は防げます。」
さすがに、個人的な若返りのために、地力を吸い尽くしていたとは言えないな。
俺は、少し濁すような回答をする。
後は、ランチェスがうまくやるだろう。
あっ。
シャルロットが崩れ落ちる。
俺はとっさに抱き止める。
「大丈夫ですか?」
「うっ、うっ、よかった です。」
そうだよね! 本当によかったよ!
あいつの勘違いで、一国滅びなくて、うん、本当に良かったよ。
「良かったよですね。 シャルロット様。」
俺は、もう一度、ぎゅっと、シャルロットを抱き締める。
永遠に、このままで、、
だだだだ、、、、、
あー、もう来ちゃったのか。
「リデル! その女はだれ!」
黙れ! 邪魔するな、メギツネ!
無視だ! 無視!
「リデル様、その、女が、、」
「そうですよ。こいつが、首謀者です。」
「屋敷で見た者は、もっと、幼く見えましたが? 」
「あー、こいつ、姿がかわるんですよ。」
「っ? リデル様、なんか、その女と親しげではないですか? 」
あっ。
「嫌、それは、心外ですよ! 以前、俺も、こいつに害を被りまして。 どちらかというと、憎々しい相手とでも言いましょうか。」
「えっ? リデル、そうなの? 私、リデルには、良いことしかしてないと思うけど? えっえっ、私のこと、憎々しいと思ってるの? 私のこと、好きだったよね? 」
「そんな事、断じてないぞ! サティーナ、妄想で話すのはやめろ! 」
「妄想じゃないわ! さっきだって、私のこと魅力って言ってたじゃない! そうよね、ティアラちゃん! 」
「はい、兄様は、今の方が魅力的だ、俺の好みだとおっしゃっていました!」
ティーァーーラーーー。
「ティアラ! 言ったけどね、言葉をね。そのまま、受け取っちゃ、ダメだよね? 状況! ね。 空気読もうよ!」
バシッ!
痛っっつ!
「リデル様、最低です!!」
シャルロット様? 何で、俺? えっ?
納得いかねーーーー!
ランチェス、笑ってんな!!
マジ? ちがくね?
「リデルは、最低ね。」
嫌、お前にだけはいわれたくない!
「リデル、これからどうするんだ?」
神フォロー! 親父!
顔、ニヤついてるけどな!
「そうですね、サティーナとランチェスは、一旦、ハーツ商会預かりにします。シャルロット様は、交渉の場を整えてください。シナリオは、俺がアウトラインを引きます。俺、シャルロット様、ランチェスで策を練り、そうですね。1ヶ月以内には、交渉締結に持ってきたいですね。」
俺は、シャルロット、ランチェスの顔を見て頷く。
「いいでしょう。」
「ああ、従おう。」
二人の合意がとれれば、おおむね、うまく行くだろう。
「シャルロットさま、シュディング公爵には、このことを告げますか?」
シャルロットが首を横に振る。
「シュディング公爵に、私の身元を明かすつもりはありません。これまでの調べでは、彼自身はこの事件に関わっていないと思われます。ハーツ商会さんも、何事もなかったようにふるまって頂けると助かります。」
「では、ハーツ商会はこのままシュディング公爵の依頼を続行致します。カトリーヌ様については、どうされますか?」
「私も、時期を見てシュディング公爵家を出ます。それまでは、リサとカトリーヌに入れ替わっていてもらう必要がありますが、休日はリサを城に戻し、カトリーヌを自宅に戻しましょう。」
「これまでの、状況をストーン伯爵にお話ししてもよろしいですか?」
「はい、構いません。ストーン伯爵は、今回の交渉でも力担って頂ける人物だと考えています。話して頂いて構いません。 状況が収集したら、私もストーン伯爵には謝りたいと考えております。」
「では、帰りましょう!」
もう、日が落ち始めている。
俺とティアラは、今日はこのまま宿に帰ることにした。
シュディング公爵には、急用で午後は宿に戻ったため、パッケージは、明日仕上げるとシャルロットに伝えてくれるよう頼んだ。
宿への帰り道、ラピスが珍しく、俺の腕にピトッとおでこを当てて甘えてきた。
「リア兄、強いヤツって、いるんだな、、」
「ああ、いるぞ。サティーナの防御力は、天上だけど、防御力もそれなりで攻撃力を備えてるヤツとかな、上には上がいるものだよ。」
「負けたくない。。」
「そっか。ラピスが勝てなかったのは、久しぶりだもんな。」
悔しさも成長の糧になるだろう。
俺は、よしよしと撫でてやる。
長い1日だった。
リデルは、ラピスの頭をがしがしと撫でながら、宿に帰った。
読んでくださって、ありがとうございます。
次回は、この章、地の国ドース編の最終話となります。
あと少し、お付き合いください。




