27.
「リア兄、地の国ドースも、面白かったね。」
「そうだね。計画より、長居しちゃったな。」
「ご飯、美味しいから、もっと、長くてもよいですけど。」
「きゅ~。」
ティアラ奪還作戦から、1ヶ月たった。
あれから、早々に、サティーナを魔の国デッドに送り返し、俺たちは、両国の主要人物に根回しした。
意外にも、シュディング公爵が、戦力になってくれた。
良く考えれば、合理的な人だ、両者の利益のよいところで、落とし込んでくれた。
地の国ドースは、抱腹を仕掛けない、賠償金は要求しない、その代わり、魔の国デッドと貿易を開く、地の国ドースの特産物への課税は、他の国より税率を1/3に低減することで締結した。
一時的な賠償金よりも、長期的な継続した利益が見込める。
魔の国デッドにとっても、戦いが続いている、食料が確保できるのはメリットがある。
その間、ハーツ商会は、俺は第三者的立場で交渉の議事進行、母さん中心で荒れた土地の回復を請け負い、その護衛にラピスとりゅうが同行、ティアラは、親父と共にシュディング公爵のパッケージ制作の監修。
みんな、怒濤の忙しい日々を送った。
随分長い間の滞在で、宿にとっては、上客だったようだ。
明日立つ前に、「疲れを癒してからご出立ください。」と、露天風呂を貸し切りにしてくれた。
久しぶりに家族水入らずで、みんなで温泉に入る。
りゅうだけは、熱いお湯が苦手なので、湯にざぶっとつかると、風呂場に伏せってる。
「兄さま、シャルロット様、キレイでしたね!」
交渉も一段落ついたところで、ハーツ商会は、城の食事会に招かれた。
ハーツ商会は、要人の依頼を受けることがある、それなりの食事会や舞踏会に招かれた事も多々ある。
ただ、城での食事会に招かれたのは、初めてだった。
そこできかされた事実は、俺にとっては、衝撃の事実だった。
食事会も中盤となり、王様から労いのお言葉も賜り、ハーツ商会の面々も気分も上々で食が進んでいた時だ。
「わたくしは、第三王女の役目として、同盟を組める、風の国 サンタルティア王国の皇太子の元に嫁ぐことになりました。」
「えっ?? 」
「ハーツ商会さまのおかげで、地の国 ドース は国力を取り戻すことができました。沈みゆく王国の王女など政略結婚する価値などないと、わたくしは許嫁との婚約が解消されていたのですが、状況が変わりましたの!すべて、リデルさまのお陰です。わたくしも、わたくしの家族を守って生きていきます!」
と、シャルロットが唐突にお礼と今後の抱負を宣言した。
「、、、お幸せに。」
俺はその一言を絞りだし、その後、思考をシャットダウンした。
「シャルロット様、王子様と結婚だって~。 いいですね~。」
「ティアラ、そうね。シャルロット様はキレイでしたね。でも、その話しは、これぐらいにしてあげないと、リデルが機能不全になってしまうわ。」
「やっぱり、家族が一番だ!!おれは、世界一の兄貴にナルぜ!!」
「リア兄、何言ってんの、ラピスの兄貴はリア兄しかいないよ~?」
「兄さま、ティアラにとって、どんな兄さまでも世界一の兄ですわ!!」
「きゅ~。きゅ~。」
「ありがとう!!! 俺は、お前たちのためなら、死ねる!!!!」
「リデル。そうね、弟は作ってあげれるけど、兄は無理だわ。」
「エリー。」
おれは、そうだ! 嫁などいらないぞ! 頑張る、頑張るんだ!!!
この家族には、俺が必要だ!!
涙が出てきそうになって、お湯に顔をつけた。
「リア兄、次はどこに行くの? 」
地の国 ドースはすっかり冬になってしまった。
周りはすっかり、雪景色だ。
「南下するか。暖かいところで、羽をのばしてもいいかもね。」
「そうね、地の国ドースでも、沢山、お金もらえたしね。」
「でも、そういって、ゆっくり休めた時ってあったけ?」
「すみません。 すぐ、仕事受けちゃって。 まー、気持ちだよ。 」
「それでもいいけどね!」
「構いませんわ!」
「きゅー!」
「よし! いざ! 次の国へ! 」
リデルは、二人と1匹の頭を撫でながら、次向かう国へ思いを馳せた。
第1章 地の国ドース編 は、これで完結です。
お読みくださりありがとうございました。
初めての小説執筆でしたが、何とか1章完結までたどり着けました。
第2章は、春頃執筆する予定です。
引き続き、よろしくお願い致します。
皆様に、感謝!!!




