21.
「何言ってんの。なんかよくわかんないから、私もう行くね!」
「ちょっと、待て! ラピス!」
「りゅう、行くよ!」
ラピスが一挙にアドレナリンを全身に回し、一挙に興奮状態にもっていく、
同時に、公園に突入した。
りゅうもラピス同様、戦闘モードの形状に変化し、ラピスを守るかのように、並行し突入する。
まだ、ティアラの場所が特定できていないけど、ラピスを止めれる気がしない。
いつもガッツリ計画してから進めるリデルが、作戦を立てようとしてる間に、ラピスりゅうは動きだしてしまった。
「ここはもう、でたとこ勝負で行くか。」
ラピスの動きで腹がくくれたリデルは、流れに任せることにする。
最終手段としては、この公園、全壊させてでも助ければいい!
「ラピス、現れた敵はすべて倒していいぞ。 温室がターゲットだ。 突入して、入ったら左に行け。俺は右から当たる。」
「リア兄、任せて。」
「りゅうは、ラピスと共に行け。 ラピスを守ってくれ。」
「きゅっう。」
「シャルロット様は、俺の後について来てください。」
シャルロットの情報によると、ティアラを誘拐したやつは、フラワー国立公園の温室の館長を勤めてる見た目は少女の女らしい。
午前中、シュティング公爵に面会に来ていた。
「微かですが、禍々しい臭気を感じる相手です。何者かはわかりませんが、彼女の訪れる先々で土地が荒れていく事まではつかんでいます。」
との事だ。
シュティング公爵とハーツ商会の話題になり、そのとき、なぜか、ティアラがかわいいか?熱心に聞いてていたことが気になり、ティアラをつれた少女がフラワー国立公園でお茶をする。と話してるのを下働きの者から聞いて、シャルロットも確認のため急いでティアラを探していたらしい。
それで、俺たちは公園前に集合した。
「ティアラが行方不明なんだ。。」
と言った瞬間に、ラピスは飛び出した。
で、俺もラピスにつられて飛び出す。
「親父、母さんは最尾について、温室には入らないで外で待機ね。」
ちらっと見た母さんの顔が真っ青だ、ヤバい。
「母さん、大丈夫、俺、必ず、ティアラ助けるから、そうだ!ここにいる全員に加護を頼む。 軽めにね!」
「そうね、リデル。頼むわね。 加護。」
霧のような加護が、全員に降り注ぐ。
母さん、やればできるジャン。
「親父、何かつかんでる?」
走りながら、親父に聞く。
「リデル、その女、お前の顔見知りかもしれんぞ。」
親父が目を反らしながら、ボソッと呟く。
「。。誰?」
ドッッ ブシュッッ!
「リア兄、すごい、いっぱい、魔物でてきた~!」
ラピスが魔物を切り落とす音で前方を見ると、すごい数の魔物が向かってきている。
「ラピス! 蹴散らせ!」
「りゅう、上昇しろ! 空中から、ラピスを援護して!」
少し、おどおどしているりゅうを上空に逃がす。
「俺は、先に行く。 親父、お袋は、待機!! 状況を見て、ラピスに回復を!!」
俺は、全身に魔力を這わす。
「シャルロット様、俺についてこれそうですか?」
リデルは刀を抜き構える。
「ええ、着いていけます。 リサ、背後をお願い。」
シャルロットは防御系の魔力を纏たようだ。攻撃系の能力はないのかもしれない。
「では、俺から離れないでくださいね。」
俺は、前方の魔物を見たまま、行くよとシャルロットの手を引き守れる間合いまで引き寄せる。
ラピスが向かってくる魔物に先手をかけるように、逆に襲い掛かる。
ビビった魔物が一瞬ひるむ。 混乱して、逃げるヤツも見える。
追い打ちをかけるように、上空のりゅうからも鋭い矢のような空砲を打ち降らす。
まるで狙いがないような無差別な攻撃だが、俺たちが動きやすいように魔物を片づけてくれているようだ。
ラピスもりゅうも攻撃手法をいくつか意図的なのか、無意識なのか混ぜ、規則性のない攻撃で敵に予測をさせない。
攻撃個所も集中しないように、ランダムに仕掛けているようだ。
混乱した魔物が恐怖に動けなくなっている。
『あいつらも、成長したな。』
俺も進むのに邪魔な魔物は片付けながら、シャルロットを背後に庇いながら進む。
シャルロットの後方、護衛騎士のリサが、大剣で守る。
「王都にこんなに大量に魔物を侵入させてしまっているのか? ドース王国、見た目以上に末期だな。」
「ここまで侵入されているなんて、、」
シャルロットが震える声で答える。
「あっ、すまない。 無神経な発言ですね。」
ハーツ商会が荒れている国を訪れるのは珍しくない。
むしろ護衛を頼まれるのは、そういう国がほとんどだ。
「荒れている」ドース王国はそのステージではないようだ。
「滅びゆく国」その言葉が脳裏をよぎるが、言葉にはしなかった。
『衰退の根源を断てなければ、半年持たないだろうな。』
ハーツ商会がシャルロットと交わした契約は、あくまでシャルロットの護衛。ただし、ハーツ商会は、ティアラの奪還を最優先とし、奪還後は速やかに退却。
シャルロットはこれを機に、犯人を少女拉致の罪で拘束して、任意の事情聴衆に持ち込みたいらしいが、ハーツ商会はそこには契約外とした。
普段なら、その当たりも金額次第では受けなくともないが、今回ばかりは、ティアラの奪還に全力を注ぎたい。
冷たいようだが、ドース王国の末路など、ティアラの命と比べれば、リデルにとっては糞でしかない。
『この美しい人を見捨てるのか。』
チラッとシャルロットを見る。
屋敷で見せた諜報員としての凛とした表情ではなくなり、なすすべがない絶望に怯えにも似た表情の女性がそこにいた。
「まだ、終わったわけではないですよ。」
気休めでかない言葉をかける。
「。。私、どうすれば、、衰退の原因もわからない、、打つべき手もわからない、、」
リデルは、「あなたを救いたい」と喉まで出てきた言葉を飲み込み、震えるシャルロットの肩を抱き寄せ、庇う様にしながら、前に進んだ。




