20.
「こほっ、こほっ、ティアラさま、のことは本当にわからないいのです。」
「でも、この屋敷で、ティアラを連れ出せる者など他に、、」
困惑しているが、シャルロットが、ティアラを連れ出した容疑が晴れたわけではない。
逃げられないようにもう一度、シャルロットを押さえた。
「確証は持てないのですが、、私達が追っている者とティアラさまを連れ出した者は、同一人物の可能性が有ります。」
「あなた方が追っている? 事情を話して、頂こうか。」
判断材料が、少なすぎる。
ザッ。
偽物が、隙を見てまわいを詰めてきた。
「動くな!」
すかさず、リデルも距離をとる。
「リサ、大丈夫です。 リデルさんは話せばわかる方です。」
「なら、話してもらおうか。」
ティアラにが不明な状況は変わらない、状況が見えるまで舐められるわけにはいかない。
リデルは、表情が読まれないように顔の筋肉を意図的に動かし、無表情の顔で偽物を見る。
視線は外さず牽制する。
「リデルさま、私は、この国、ドースの国王、カース・ラズ・ドースの第3婦人シャロンヌが娘、シャルロットでございます。」
首を締め上げていた右腕は緩めた、話せるようになったシャルロットが説明を始めた。
「諸事情により、身分を明かさずシュディング公爵家に潜入して、調査をしております。」
「諸事情?」
「ドース王国は、自然豊かな大地の恵みで潤ってきた国です。大地の活力に溢れ、美しい草花に溢れ、おいしい果物、野菜がとれる、肥沃の土地でござます。 リデルさま、この国にそのような印象を持たれましたか?」
「ああ、元々は、そうなんだろうな。でも、今は違うだろ。」
「そうです、今は、土地があれ肥沃の土地とは言えない。でも、この状況に、国が荒れているのは、ここ一年の急激な変化なのです。」
「そうか。」
シャルロットの話はリデルが調べた結果とも一致してる。
嘘は言ってない。
「リデルさま程の洞察の鋭い方でしたら、気づいていらしたのでは?」
『第三王女は伊達ではないということか、俺と同じ、諜報の能力か。』
「さあな。それが何だ。」
否定も固定もせず、話を先に促す。
「そうですね。わたくしは国王より、その問題の調査を命じられました。」
なんとなく、話が読めてきたぞ。
「土地が荒れ始めたころから、勢力を伸ばしてきた貴族が、この屋敷の当主、シュディング公爵です。 確証のない中では、動きようもないため、侍女として潜入させていただきました。」
まあ、上等手段だろうな。
「第三王女が公爵と面識がないというのは、疑念が残るがな。」
リデルが、疑いを向ける。
「私は、兄上、姉上、叔父様方に続く、王位継承権も8位、王を助ける者と生まれる前から決められていました。王族が最も信頼を置ける身内を諜報員に育てるのは、よくある話でしょう。姿などいくらでも変えられるように訓練されております。」
姿をも目鼻立ちまで変えられるとは、上級の魔法使いか。
ここまでの話に、矛盾もない。
「ストーン伯爵の娘、カトリーヌとの関連は?」
リデルは一瞬、シャルロットをにらみ威圧をかける。
ここで、嘘や誤魔化しは許さない。
「カトリーヌとは、友人にあります。シュディング公爵家に花嫁修業の話が上がっているというのを聞き、協力を頼んだのです。ストーン伯爵が穏健派で信頼における人物だというのはドース王国では公知のことです、カトリーヌが侍女として入るときに、友人もという形で共に雇ってもらえるように図ってもらいました。」
ストーン伯爵が無害で信頼のおける人物であるのは、俺でもわかる。そこを利用したか。
「友人を危険にさらすわけにはいかなかったので、カトリーヌとリサを入れ替えました。今は、わたくしの影武者の侍女という形で城で生活をしてもらっています。」
「任務のためには友でも利用するか。 大したものだな、では、ここ3か月家に帰していない理由は?」
シャルロットの表情がスッと無表情になった。
感情を隠したのだろう。
「それまでは、つじつまを合わせ、リサを週末には城に戻し、カトリーヌをストーン伯爵家に帰していたのですが、3か月前に、問題の主犯の疑いがあるのもが絞れてきました、さすがに一人での対応は難しいので、リサを外すわけにはいかず、カトリーヌを家に帰せなくなりました。」
「忙しくて家にかえられない、というのは、さほど嘘ではなかったてことか。」
なるほどね、嘘は最小限で謀る、俺とやり口が似ているな。
「はい、そうです。」
「では、ティアラを攫ったものが、追っているものと一緒とはどういう事だ?」
シャルロットの首に回した手から、シャルロットがごくっと唾をのんだのが伝わってきた。
「ここから先の話は、我が国ドース王国一級機密情報となります。情報が洩れるようなことがった場合、それなりの処置を取らせていただきます。」
国家の大事に関わる情報だ、当然だろう。
「リデルさま、何も聞かずにティアラ様のことを我々に一任して頂くことは可能でしょうか?」
「できない。」
俺は即答する。
「では、リデルさま、あなたを、ハーツ商会をドース王国の一級危機事案に巻き込ませていただきます。私の護衛を依頼致します。」
「仕事としてご依頼いただけるということですか? 報酬はきっちりいただきますよ。」
「下手な脅しより、仕事の契約の方が、リデルさまは約束を守ってくださるのでは?」
結構、俺たちの事は調べられているということか。
ティアラを攫ったのであれば、この時点で、ティアラとの取引の交渉をしてくるだろうし、本当に白の可能性が高くなってきた。
ティアラと引き換えに、この案件から手をひく、または、金品や仕事の要求をしてくるはずだ。
「では、商談と行きましょうか。」
「ハーツ商会は、お客様との守秘は厳守します。」
リデルは、営業スマイルでシャルロットを解放した。
何とか執筆20話まできました。感謝!!




