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17.



「。。ということで、投票の結果、B案が最も多くの女性に好かれそうです。」


シュティング公爵の執務室で、パッケージのイメージ案の投票結果を報告する。



「なるほどね。B案が16票 、A案が7票、 B案が5票、 C案が3票か。C案は人気がないな。シャルロット」


シャルロットが、顔をこわばる。



「シャルロットさんは、洗礼された上品な物を好む方なのでしょう。多くの女性とは異なりますが、素敵な感性だと思いますよ。」



ここは、フォローを入れる。 


商品を売るためには大衆受けすることが最も近道だが、時としては、わざとシャルロットのような大衆より少し上を行く人の好みに合わせ、奇をてらったデザインで新規参入を試みることもある。今回は、大衆に広げていくため、投票の多いデザインが好ましいだけだ。



シャルロットが少しはにかんだ表情でリデルを見る。


「リデルさま、ありがとうございます。」





有頂天に成りそうなシャルロットの表情にも、今日のリデルは無反応だ。。


リデルは、表には出さないが緊張している。






「では、シュディング公爵、B案で進めて、、」


その時、トントン。ドアをノックする音がした。


「なんだ。シャルロット出てくれ。」


シュディング公爵がノックに反応してすぐにシャルロットに命じた。




ストーン伯爵の使者が来たかな?


父の手はず通りであれば、これぐらいの時間に使者がくるはず。




「旦那様、よろしいでしょうか?」


シャルロットがシュティング公爵に何やら伝えている。



リデルは、2人には悟られないように、緊張など全く感じさせない柔らかい表情を作り2人を含めた周囲の様子を見渡す。




シャルロットが焦った表情、シュディング公爵は普通だな。


周りの従僕たちも変化なしと。



んん? シャルロットが何かシュディング公爵に懇願しているようだ。


シュディング公爵が、嫌そうに少し眉を寄せている。




あれっ? 別件かな? シャルロット必死だな。





「もういい!」


シュディング公爵が声を荒げ、右手で会話を遮る。





「リデルさん、話しの途中に失礼しました。」


おお、いきなりこっちに向かってきたぞ。




「込み入ったお話しですか?」


少し焦ったが、意識して表情には出さない。




「大したことじゃない!」


シュディング公爵は、イラついて怒鳴る。





「シャルロット、いい加減、カトリーヌを家に帰せ!」



!!!!!!


どういうことだ?




あっ、やば!


俺は、表情に動揺が出そうになるのを、とっさに表情筋を意図的に操ってこらえる。




『シャルロット、あなたが、首謀者ですか?』





ティアラ!


俺は、はっ! としてティアラをみる。


やばい! ティアラがシャルロットの顔を凝視している。





「シュディング公爵、シャルロットさん!! お困りのことがあれば、ぜひ、ハーツ商会にご相談ください!!」


こっちを向け!


俺はは、不自然な程の大きな声をだして、自分に意識を向けさせる。





「リデルさん、それにはおよびませんよ。侍女のしつけの問題です。侍女長である、シャルロットが無能なのです。金を払って解決する事じゃない!」



シュティング公爵なんとか、俺に向いた。




俺は、続いてシャルロットの顔を見る。


ホッとした表情で俺を見ている。


んん? 「無能」と罵倒されてるにも関わらず、ホッとした表情?



『うわ~。やめてくれ。シャルロット首謀者説、ほぼ確定か。昨日、カトリーヌはいなかったけど、どういう事?隠してる? それとも、隠れてる?』




ここで、この話題を掘り下げるか迷う。




鼓動が激しくなってくのを感じる。

表面上、相手に悟られないトレーニングはしているが、心拍数までは操れない。



相手の動揺を探るため、仕掛けたところはあるが、カトリーヌの名前をシュディング公爵が口にするとは思っていなかった。




ティアラを外しとくべきだったな。



ティアラを見ると、俺と同じように昨日いなかった事に疑問を持ったのか、顔に?マークが浮かんでる。




引くしかないな。





「では、デザインはB案で進めてよろしいですね。」


「あっ! そうだ、デザインはB案で進めてくれ。」


「では、失礼致します。」



にこやかにお辞儀をしながら。百面相しているティアラの顔を隠すようにエスコートしながら部屋から出る。





ティアラに手伝わせるのは。ここまでだ。明日からは、俺だけ来よう。





気になる女性が、敵に回るのは初めてではない。でも、慣れるものでもない。



『くそっ!』


内心毒づきながら、ハーツ商会に用意された部屋に戻る。







「ティアラ、B案のイメージで、版画にできる、イラストと、ロゴを描いてくれないか?悪いが、できるだけ急ぎで。」



「兄さま、シャル、、 うぐっ!」


ティアラの口を急いで防ぐ。




「ティアラ、その話は、宿に戻ってからにしよう。ティアラはデザインに集中するんだ。」


リデルは、ティアラの耳元で小声で伝える。


口を押えられたままで声が出せないティアラがこくこくと首を縦に振る。




この部屋はシャルロットが準備していた。

何が仕掛けられているかわからない。

出来るだけ早く、ティアラをここから遠ざけたい。






さっきの話しの続きでもう少し揺さぶりをかけたいな。


少し、シャルロットを探るか。





「ティアラ、少し部屋を離れる。この部屋から1人で外に出てはダメだよ。」


「兄さま、わかりましたわ!」




リデルは、シャルロットの調査に乗り出した。










読んでくださってありがとうございます。


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