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オレが中に入ると照明が自動でついた。たぶん反応センサーでもあるんだろう。

内部は鏡面仕上げでもしてるみたいに、壁も床も天井も綺麗だ。その通路の先には扉が閉まっている。


扉の横にはコンソールパネルがあり、カーソルを合わせると入力画面が表示された。



どうやらこの扉を開けるには、PWパスワードが必要らしい。



って、そんなん知ってる訳ないだろ。

しかも試行回数残り3回ってご丁寧に表示されてるし。

これだと、思いついた単語を片っ端から入力することも出来ない。



ただ、これにはヒントがある。



それは入力する文字数がたったの4文字ってことだ。

4文字で真っ先に思いつくのは『ONNA』だ。

ところが、ここがオンナのコミュニティに属してるなら、それはおかしい。

普通に考えて、その『ONNA』という名称は人類側がつけてるはずで、それをオンナ側がPWに使うのか疑問が残る。



と、なると数字か。

まさか、誰かの誕生日とかだとふざけるなって言いたいが。

そもそもカレンダーの無い世界でそんなPW使うのはズルいだろ。



あと、他に4文字っていえば『母神教団』くらいしか思いつけないが、そこと何か関係でもあるのだろうか。

ストーリー系のイベントを進めれば判明するのかもしれないが、全く興味が持てない。

まあ、3回試せるし、とりあえず入力してみるか。



『母神教団』



PWが違います。



そう画面に表示される。

そうですか。そうですよね。そうだと思ってました。

言い訳三段論法を活用しながらちっぽけな自尊心を保つ。


さて、残り2回。

時間経過による救済もあるだろうが、出来るなら間違いたくない。



オンナ関連で4文字ね……



『クイーン』か。

チェスの駒だし、あり得そうではある。

試す価値はあるか。



『クイーン』



PWが違います。



あ、はい。

これで残り1回と。

ふぅ……。

賢者モードに切り替えてみたが、別にこれでオレの知性がアップする訳じゃない。

が、着眼点は変わった。



オレはある意味適当に4文字を入力した。すると、




PW認証…………クリア

扉を開きます。




そう表示され扉が開いた。

マジか……まさか、これで開くとはあまり思ってなかったが。


そう、オレが入力した4文字。

それは




『エロイチ』




プレイヤー名がPWになってるとはね。

やってくれるじゃん。

オレの場合4文字だったが、プレイヤー名次第ではもっと早くに気づけたかもしれないな。

ま、むしろもっと難しくなってる可能性もあるけど。



とにかく、メンヘラの心みたいな扉は開いた。

そして、白とメタリックを基調とした清潔感のある部屋へ足を踏み入れる。

まず目に入るのは、机と椅子。その先にはよく分からない機械。そして部屋の隅にもMRI(核磁気共鳴画像法)みたいなデカい機械がある。


オレは直ぐにそのデカい機械へ行く。




機械の横は透明になってる。そして、中には裸の美女がいる。

これだ、これだよ。

オレがこの世界に求めているのは、これなんだ。

オレはプレイヤーの位置を細かく変えながら、美女を見た。なんならFPS視点も駆使した。



だが、まるで嫌がらせのように透明な部分が天井の照明に反射して、肝心な部分をモザイクみたいに隠しやがる。




クソがっ!




ここまで頑張ったんだ。

少しくらいご褒美があってもいいじゃないか。

思わずこの機械を壊したくなるが、ご丁寧に不壊オブジェだ。ちなみに、この世界のほとんどの物には耐久値が設定されてる。例えば地面なんかも、シャベルを使ってその耐久値を削れば穴を掘ることも可能だ。

建物の壁だって壊せなくも無い。


が、耐久値が設定されてない物もある。

それが川の水とか、この機械だ。

こういうのは、どうやっても壊せない。

ま、むしろ壊すとゲームバランス崩壊の要因になりかねない、とも言える。




ふぅ……。

とりあえず、スクショだけはしておこう。



さて、その機械にもコンソールパネルみたいなのがあり、カーソルを合わせると『テイム薬を100個投入しますか?』と表示された。



わぁお!



クソなんて言ってごめんなさい。

とても素晴らしいご褒美です。

ですが、まだ『テイム薬』を作れてないんです。



なにはともあれ、これで『テイム薬』を作る意欲が湯水の如く湧いてきた。100個は大変な気もするが、これが性別を男にした所為なら、甘んじて受けよう。


あとは、他に何かないかと物色してると、白い机にカーソルを合わせた時『

起動しますか?』と表示された。

選択肢で『はい』を選ぶ。


すると、机の上に半透明のモニターが現れ、机にはキーボードみたいなものが表示された。

たぶん、近未来的PCなんだろう。



視界がモニター画面に切り替わり、いくつか項目が表示された。



1:研究レポート

2:培養システム

3:転移装置

4:エロイチ



まず気になるのは4番目なんだが、扉のPWといい、プレイヤー名に期待し過ぎな気もする。

たぶん、普通に『ああああ』とか『123』をプレイヤー名にする連中もいるだろうに。


特に『123』なんかPvP鯖(プレイヤーvsプレイヤーサーバー)で歴戦のサバイバーならみんな使う名前だ。

なぜなら、この手のプレイヤー同士で殺し合うゲームの場合、解析ツールが当たり前に使用されているからだ。

要はプレイヤー名で解析すれば、そのプレイヤーがいつ何時から何時までログインして、どのサーバーによくいるのか丸わかりになる訳だ。


それを防ぐため、みんな同じ『123』って名前にするのは、もはやサバイバーとしてのたしなみとも言える。



まあ、このゲームみたいにオフラインゲームなら関係ないけど。

とりあえず、そんな事を考えてたら、オレが浮かれ気分だった事に気づけた。



そう、まだ肝心な事をオレは知らない。

ここにいるオンナをテイム出来ても、他のオンナをテイムする方法を見つけてない。

なら、ここにあることに希望を持って、順番に確認してくことにした。



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