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これが相棒

よく、社会人ゲーマーの愚痴で学生を羨むことを言う奴がいる。

たぶん、学生には宿題ってのがあることを忘れてるんだろう。それとも、残業を終えて帰宅しても家でも仕事してるのかもしれない。


だとしたら、ゲームせず、寝ろ。って言ってやるのが優しさな気がする。

ま、子供も子供で大変なんだが、そのへん気遣い出来ないくらいヤバいなら、マジで休めって思う。


てな訳で、宿題を速攻終わらせたオレは、心置きなくゲームを再開する。






名探偵じゃなくてもプレイヤーなら簡単に犯人探しが出来る。



って、そう思ってた。



そして、オレは自分のセーブデータを見ながら、基本マメにセーブするセーブ厨だったことを実感した。


なぜなら、どう足掻いてもマミコが襲われたであろう日以降のセーブデータしか無かったからだ。

つまり、襲われる前にマミコを助ける事も、襲った連中を現行犯で殺すことも出来ない。



まあ、セーブデータを順番に自動で上書きしていくシステムは、こういう時に気軽に戻れないようにしてるのだろう。

でも、これってつまり、ルート分岐物に有りがちな分岐セーブが出来ない訳で、ルート毎のエンディングが用意されてないってことか。



考えてみれば当たり前だ。

そりゃ、流石の叔父さんでもオープンワールドゲームで、無数のエンディングなんて用意出来る訳が無い。

で、それの意味するところは、どんなルートを通っても、ある程度は収束して通過する場所にエンディングがある感じか。

これなら、以前の予想もあながち間違ってなさそうではある。



それはそれでいいとして、問題はどうやってマミコを襲った連中を見つけるか、だ。


今、分かってることは、犯人が男であり複数人ってことだけだ。


正直、ヒントが少なすぎる。

ただ、マルイの話が事実なら、可能性として『リフリーダム』が高く、次に『人類共同体』って感じだ。



ならば、順当に『リフリーダム』から探ってみるか。

で、その拠点なんだがマップを見ると情報が更新されていた。トリガーはマルイとの会話だと思う。


親切な事だが、オレが探索してない部分なのに、各人類系コミュニティの拠点が示してある。

つまり、自動生成でもそれらは共通した拠点である訳だ。逆にマミコのお店はマップに表示されてない。このことから、その拠点はあくまで中心的な部分だけの可能性が高い。



それでも、十分すぎる情報だ。

ってか、マップ見ても迷い子になる人には難易度が高いゲームだよな。

この辺り、自動生成マップの限界なのかもしれないけど。




それより肝心の『リフリーダム』の拠点なんだが、オレの拠点よりめちゃくちゃ遠い。単純にチカの秘密基地と比べても、遥かに遠い。

そうなると昼間の時間だけで辿りつけるかすら怪しい距離だ。


ならばどうするか。


例えば、地道に遠征用前線拠点を作りながら行く方法がある。

だが、普段ならそれでもいいが、このイベントに関してはダメだ。

なぜなら、マルイが匂わせるどころか明確に伝えてきたが、これは確実に時間制限があるイベントだ。

下手に時間を過ごしたら、マルイたち『ギルド』が報復を達成するだろう。



こんな時、人はどうするのか。

それこそ乗り物に乗るのではないか。




くくくっ




という訳で……

さあ、『イヴニング』よ。

出番だぞ。



あの日からずっとトレーニングし続けた『イヴニング』。

その驚きの能力を公開する時だ。



『弾なんて怖くない』

これで防弾車顔負けである。


『スピードキング』

『素早さ』を二倍にし、さらに移動速度50%アップ。これで高機動車だ。


『小さな変化も見逃さないから』

たとえ地雷があっても怖くない。これで高性能索敵車だ。



本来の予定だと、オレと同じ『隠れんぼは得意です』を習得させ、共に探索するはずだった。

その為、上がったレベルをストックしてたのだが、状況が変わった。

そこで急遽ストックしてた3レベル分を全て『特殊能力』にぶっぱした。



これで多少は強引に行けるはず。

ってか、大幅な経験値アップってことだったが、オレが約3日間穴を掘ってた時の経験値より少ない気がした。だが、よくよく考えてみたらオレのステータスは『イヴニング』より遥かに低いし、しかもオレには『効率厨万歳』があったか。


じゃ、こんなもんか。

手順として先に『効率厨万歳』を取らせておくべきだったと今さら気づくが、ぶっちゃけマジで今さらだ。そんなものは、次に習得させればいい。



それじゃ、早速鞍を装備させるか。

オレは『イヴニング』のインベントリに『普通の鞍』を入れて装備させた。


すると『イヴニング』は背もたれが両方についてるような変な座椅子みたいなのを背負った。

次に命令を操縦に変更する。

そしてカーソルを『イヴニング』に合わせると、騎乗する、って表示が出てくる。



ワクワクしながら騎乗する。



その光景はおんぶそのもの。

そして、移動は………



バカみたいに速い。

ヤバっ……。

想像の斜め上だ。

しかも、これダッシュを使ってない状態でだ。



ドキドキしながらダッシュすると、加速がおかしい。

まるでニトロ搭載車かって感じだ。

ただ、AP消費をするから無制限じゃなく一時的なものだが、緊急離脱として活用するには十分だ。



凄い。

ヤバい。

これが、『イヴニング』か。



総重量1050kg

索敵強化高機動型防弾輸送車。



これが、『イヴニング』だ。

『幸運』1のままはもはや愛嬌である。



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