表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/30

優先順位



以前、人の持つ感性とは千差万別だと実感したことがある。


ある日、学校にアイドルの写真集を持ってきた奴がいた。

そいつにとってそれは宝物。みんなに自慢したかったのだろう。

だが、担任にそれを没収されそうになった。


当然だ、誰が見ても学業に必要だと思えない品だ。


その際、そいつが言った言葉


「彼女は僕にとっての女神であり、天使だ。先生はミロのヴィーナスを没収するんですか!」


これを聞いた時、オレは素直に感心した。

もちろん、結果没収されたが、そう言い切ったドルオタ(アイドルオタク)には心から拍手を送りたい。



ちなみにオレは、絵画や美術資料どころか女性用下着カタログまでエロ本だと思って堪能してる変態だ。





そのオレの目の前に肌を露出した美女が立っている。

正確に表現するならば、肌で肌を隠してる美女だ。

これを恥じらいといい、一般的にエロには欠かせない要素でもある。


全くもってけしからん。(いいぞ、もっとやれ)


そこでオレは立ち位置を変え背後に回る。

すると『イヴニング』はその場を移動せず、身体を捻りながらオレを視界に入れようとした。


さらに、肌で隠す場所も変えるという細かな動作までしている。


不思議なことだ。

オレとしては会話コマンドがバグで表示されてないだけなのか、ただ事務的にチェックしてるだけというのに。

だが、


しゃがみながらチェックしたり。

FPS視点に変更してチェックしたり。

ジャンプしながらチェックしたり。


と、入念なチェックをしたが表示されることはなかった。




そこで考えられることが2つある。

一つは、この仕様が情報漏洩を防ぐ為ってことだ。

つまり、テイムしたオンナから重要拠点の位置や、巡回時間、巡回ルート、などなど攻略に役立つ情報が流失しないようにしてる、って可能性だ。


だが、これについてオレとしては微妙だと思ってる。

なぜなら、せっかくステータスに『魅力』があるのだ。それによって得られる情報に差を作ったほうがゲームとして面白いに決まってるからだ。

例えば一兵卒と指揮官では得られる情報に差があって然るべきだし、それを目当てにテイムするのも楽しいだろう。


オレには、その楽しさを奪う理由が分からない。




そうなると、もう一つの考えとしてあるのが、『テイム薬』の副作用ってことだ。

それは『テイム薬』が万能ではない証。


『イヴニング』の言葉を借りるなら、私が私でいられなくなる、ってことの意味だ。

悪くいうなら自我の崩壊。良くいうなら新しく生まれ変わるってこと。


現状、こっちの可能性の方が高いと考えている。

なぜなら、これはこれでプレイの幅が広がるからだ。

つまり、ただオンナをテイムするだけではなく、情報が欲しいなら尋問する必要性も生まれた訳だ。


それがもたらすのはプレイヤーへの選択肢であり、新たな楽しみといえる。





この考えによってオレの優先順位も変動した。

当初、オンナをテイムすることが最優先だったが、まずは『イヴニング』を知ることを優先する。

これは人類への救済措置が複数用意されてることを想定した判断だ。


万が一、オレによってチカのイベントが台無しになったとして、別にも同様のイベントが用意されてる気がしたからだ。


その理由は人類系コミュニティが5つあること。


おそらく、プレイヤーがどのコミュニティに属しても大丈夫になってるはず。

ってか、そうじゃなきゃ救済されないし。

むしろ、それぐらいしなければまずい程、人類は追い込まれてる。


もし、この予想を外した時は、エンディングを迎えることになる。

ま、その時は、その時だ。

実際、エンディングまでテストプレイするか分からんし。




そんな訳で大丈夫だと思うが、懸念点としてこのゲームが開発途中ってことくらいだな。


どちらにせよ、今は『イヴニング』だ。

テイムについて、長所と短所を正確に把握することは最優先事項となった。



現状、分かってることは、個体差によって使用する『テイム薬』の数が違うこと。

これはそのオンナの『耐性』が関係してる気がするが、今のところは保留しておく。


次に、命令は絶対ってこと。

『イヴニング』にとって、今は『待機』を命令されてるのだろう。

ゲーム的にはデフォルト(標準)での命令になるが。

ただし、その場合でも生命維持に関わる行為は命令の範疇でする。


これについては、『イヴニング』のインベントリに入れた『綺麗な水』が『空き瓶』になってることから間違いない。


これによって、テイムしても水や食料は必要ってことが判明した。

おそらく、あわせて睡眠も。




その検証の為、オレは『イヴニング』にオレを警護するように命令した。

そして、地下から出てチェストから素材を取り出し『寝袋』をクラフト。

その『寝袋』を設置した。


ってことで、今この道路もといホームには『寝袋』が二個設置されてる状況だ。

その状態でオレは1時間睡眠でセーブした。


オレが目覚めると、『イヴニング』も『寝袋』にいた。




これで確定した。

ついでに、もうチカのイベント前にも戻れないことも確定した。



が、それより驚くことは『イヴニング』が服を着てることだ。

もちろん、女性用下着と軍服はオレのインベントリに入ったままだ。


ってことは、勝手に素材を使用して服をクラフトしたってこと。

しかも、オレが寝てる間に。


これはゲーム的には『寝袋』を使うことで一瞬で時間が進んでるが、内部的にはちゃんと時間経過してるってことでもある。

さらに、命令外でもある程度は『イヴニング』が判断して行動してる訳だ。


一応、『イヴニング』のインベントリも確認したら、装備どころか武器や水や食料まで入ってやがる。





ったく、人が寝てる間に準備のいいことだ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ