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新しいせいかつです。①

3年が経ちました…

 Guten(おはよう) Morgen(ございますです)!!


 いや~風に飛ばされ、赤ちゃんを追ってこの街に来て早3年。再び寒~い冬がやって来ました…。夏は、短かったです…。

 あれから僕()はこのアイノンの街の小さな教会兼孤児院。アローロ孤児院でお世話になってます。いや~、住めば都と云いますが、ここは都なんてもんじゃないですね。吹けば飛ぶ外壁、歩けば穴が開く床。ボロボロの寝具にお洋服。質素…というより貧相な食事。そして…毎日毎晩昼夜問わず騒がしい子供達。

 そう。都なんてもったいない。ここはまるで…まるで…まるで……









天国じゃないですかーーーーーーーーーー!!


 だってそうでしょ?そりゃあ確かに寝床も服もボロボロですけど、僕は虫だから、蜘蛛だから服要りませんし巣を作ってそこで寝るので関係ありません。ご飯が少なくったって、僕はそもそも食事は嫌いなので大歓迎です。それに…外壁はボロボロで床も穴ぼこだらけですけど、それってつまり某黒い悪魔さんや鼠さん達入り放題。=僕のご飯食べ放題ってことです!!この3年で(人からみれば)悪食に目覚めた僕には無問題!!むしろ万歳三唱です!!捕って糸でグルグル巻きにして(どうやら中に入れると中に入れたモノの時間が停まるという嬉しい機能があった事が判明した)《闇魔法 アイテムボックス》に突っ込んじゃえば無期限保存OKです。全く問題ありません。


 そして何よりいいのは…そう!子供!!子供ですよ!!子供!!

 前世じゃあそれこそ弟達と(そら)ちゃん以外誰も寄りつかれなかった僕ですが、今世ではモテモテ。モテモテですよ!!そりゃあ来た当初は不気味な、気持ち悪いモノを見るような目で見られましたけど、毎日シスターさんや神父さん達のお手伝いや細々とした仕事(外壁の穴塞ぎとかです。)をした結果、子供達はすぐに僕を受け入れてくれました。元々ここは蟲使いのリリーフィアさんの実家。蜘蛛(ぼく)の耐性も有ったようで、本当に1ヶ月経たない内に仲良くなれました!!…奇跡です。奇跡ですよこれ!!僕……ほんと今まで泣かれた事しかなかったので…本当に嬉しいです…(号泣)。


チョンチョン

「ぱぱぁ?****~?」


 ……はっ!?いけないいけない。つい感動の余り、紹介が遅れてしまいました!!

 今僕をチョンチョンとかわいく突ついて尋ねたEngel(てんし)、艶やかな赤毛に昔見た鼈甲みたいな美しい飴色の瞳のこの幼い少女。ぷくぷくの手足に林檎のような赤いほっぺ!……そう!僕のかわいいかわいい愛娘!!ソフィちゃんです!!無事3歳になりました!!


 いや~…赤ちゃんの成長は早いですねぇ~。毎日毎日ご飯を食べて寝て食べて遊んで食べて寝て…。

あれですね。前世でMutter(おかあさん)が『子育ては錬金術ね。』って言ってましたけど納得です。本当に食べて寝た分だけすくすく育っていきますです…。僕はMutterとVater(おとうさん)が連れてきた時しか(フェリくん)(かりんちゃん)を見た事が無かったので、ここまで早いとは思ってもみませんでした…。お腹がすく時間に昼も夜も関係無いので、夜中に泣いた時とか大変でした…。蜘蛛(この)体はあまり睡眠が必要ないみたいだったので平気ですけど…人間の時だったら体が持ちませんでしたね…。世の中のお母さんお父さん方に敬礼。


 さて、そんな僕の自慢のソフィちゃん。最近のブームはジャイアントアントさん達とのお遊びです。アルアルンさんの妹の妹の妹……つまりずぅっと下の妹のアリアリアちゃんがお気に入りのようです…。現在…、そのアリアリアちゃんがいるリリーフィアさんのお宅なう…です。アリアリアちゃんと遊んでばかりなので…ぱぱはギリィ…です…。もっと構ってくれないと拗ねちゃいます…。

 それで、どうかしましたかソフィちゃん?


「ぱぱぁ。りりーふぃあ***、よ***う。」


 人間社会で暮らす内に、少しずつですがこの世界の言葉が解るようになってきました。ソフィちゃんと一緒に上のお姉さん達やお兄さん達に教わりながら少しずつ少しずつ…頑張って覚えてきてます。伊達にバイリンガルやってません。なんせ僕は…日本語検定3級を取った男なのですから!!(実は取ってました。因みに日本語はアジア圏以外では難しさトップクラスの言語です。)

 さて、言葉から察するに…リリーフィアさんが呼んでるって事ですかね?なんでしょうか?ソフィちゃん、ぱぱ少し行ってきますね。アリアリアちゃんは娘の事をお願いしますです。


『なんの用ですかリリーフィアさ~ん?』

『おっ!来たわね。』


 ソフィちゃんをアリアリアちゃんに頼み、僕はリリーフィアさんの元に行きます。リリーフィアさんのお腹は大きくなっていて、あと数ヵ月で新しい家族が増える予定です。今日、僕達はリリーフィアさんの家事のお世話の名目で来ています。


『実は…今日アンタに頼みがあって呼んだのよ…。聞いてくれる?』


 片目を瞑り、パンっと手を合わせたリリーフィアさんが僕に頼みます。……まったくもう…そんな事だろうと思ってましたよ…。じゃないと3歳児呼ぶわけ無いですからね…。

 まぁ聞きますけどね。リリーフィアさんには大恩がありますし…ね?









『デスサイズ?鎌…ですか?』

『違うわ…。モンスターの名前よ。』


 リリーフィアさんの頼みとは、最近グレートクリスの森の道に現れた“デスサイズ”って名前のデッカイ蟷螂さんの討伐だそうです。…因みに大きさは2m……デカ過ぎません?そして、そんなデカいのの討伐を僕(35㎝)に頼むのですか?無茶でしょ?


『ゴメン!!無茶言ってるのは分かってるの!!けど、アタイこの通りだから動けないし…うちの子大体冬眠始めちゃったし…。旦那達が困ってんのよ。お願い!!』


 リリーフィアさんが僕を拝みます…。イヤイヤイヤ、無理ですよ。そんなデカいのに、こんなちっさいのが敵うわけ無いでしょうが。


『大丈夫よ。だってデスサイズってRank Eだもの。前にRank Cだって倒せたじゃない。大丈夫大丈夫よ!アタイが保証するわ!!』


 あぁ…あの時ですか…。あれは偶然…ホントに偶然に偶然が重なった結果なので数えないでください…。けど、Rank Eならなんとかなりますね…。

 わかりました。お受けしましょう。


 僕はリリーフィアさん家にソフィちゃんを預け、討伐に向かいました…。








 そうしてサクッとその蟷螂さんを倒し、街に帰ります。えっ?戦闘ですか?普通に≪身体能力強化≫で目を良くして蟷螂さんを見つけ、≪隠密≫で後ろから迫り糸で鎌ごとぐるぐる巻きにした後顔に糸巻いて窒息させただけですよ?卑怯?これ以外に安全且つ簡単に討伐出来る方法が有るなら言ってください。僕はこれ以外知らないので…。


 討伐の証である蟷螂さんの鎌の根本を≪クローシェン≫で腐らせ、千切ります。死んでいるなら≪クローシェン≫が使えるので、ご遺体もそのまま≪クローシェン≫で森の肥料になってもらいます。いやはや…≪クローシェン≫無双ですね…。人前じゃ使えませんけど。


 そう。あれから判ったこと。どうやら勘違いをされていたのは≪闇魔法≫だったようです。≪闇魔法 クローシェン≫で腐らせ作った泥沼を、≪地魔法 マッドプール≫と言う魔法に勘違いしていたみたいです(聞いた後、その≪マッドプール≫と言う魔法も覚えてみました)。なので人前で≪闇魔法≫は使わないようにしてます。

そんな今の僕のステータスは次のようになっています。


(name ニコ/平和島(へいわじま) 笑音(みおん)


Race ホーンスパイダー(混合変異種(カオスレア))/転生者


ability 糸吐き 壁歩き 魔法倍増体質 ゴブリン言語


HP 124/152

MP 13061/13089

Stg 34

Dex 560

Vit 31

Int 500

Agl 86

Mnd 906

Luk 46


Skill

≪精密作業 level 56≫≪裁縫 level 39≫≪威圧 level 38≫≪装飾 level 31≫≪道具製作 level 61≫≪地魔法 グロウ level 45≫≪地魔法 マッドプール level 33≫≪地魔法 アースバレッド level 23≫≪地魔法 アースランス level 9≫≪雷魔法 付与:パラライズ level 77≫≪雷魔法 ショック level 57≫≪雷魔法 サンダーボルト level 23≫≪身体能力強化 level 42≫≪隠密 level 169≫≪闇魔法 クローシェン level 35≫≪闇魔法 アイテムボックス level 18≫≪魔力操作 level 64≫≪炎魔法 ブレイクフレイム level 55≫≪精神通話(テレパス) level 36≫


Title ゴブリン(特異種(ユニーク))の絆、人の子の親)


 アハハハ♪知ってました?どうやらこの世界ではMP=Mndの数値ではなかったようです♪驚きですよね♪アハハハ♪あは…あは…あは…。


 ………うん。おかしいでしょコレ………。

 別に魔法のスキルとかはいいんですよ?だってお師匠様や先生、それに今はもう引退された元冒険者のレラさんとかから習ったモノですから…。titleの“人の子の親”ってのもソフィちゃん育て始めたから出たモノですし…。うん。おかしくない。

 けど…MPとMndの育ち方がおかしい…おかしすぎます…。どうなってんの僕?


「*!にこ****~。****。」


 そうこうしている内に、真千の門まで辿り着きました。僕はリリーフィアさんから預かっている従魔表(使い魔や契約獣である事を示す紙です。)を提示。もうすっかり顔馴染みになっていたので、特に何も無いまま通してくれました。(通常なら軽い身体検査があります。)


「****。りりー**あ、すご********。」


 通り過ぎる際、門番さんから零れた言葉が僕の耳に入ります。……たぶん、『リリーフィアさんはスゴいな…』みたいな事を言っているのでしょう。僕のような変異種(レア)の魔物は珍しいらしいので…。でも、ごめんなさい。それ、間違いです…。


(だって僕、リリーフィアさんと“契約”してませんもん。)


 心の中でひとり呟く。

 そう。僕はリリーフィアさんと、契約(・・)していない、野良(・・)の魔物なんですよね~。

契約していない!?なぜニコは契約しなかったのか…?


誤字・脱字を見つけましたらご報告ください。


※タグのおばあちゃんの知恵が活かせる自信が無くなったので消します。代わりに子育てタグつけます。


≪テレパス≫と≪アイテムボックス≫が抜けていたので加筆しました。

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