あたらしい出会いです。
下品表現有り!!
特にご飯中の方注意!!
独:“Baby”
意味:赤ん坊。赤ちゃん。
全ての動物達の始まりの姿にして、(一部の種を除く)生存に補助が必要な存在。どの種でも共通している点は、赤ちゃんは愛らしい姿をしているとは言うこと。
えっ?なんで今“赤ちゃん”の話をしているのかって?そんなの…
「ンギャ~ンギャ~!!」
「お~よしよし。よしよし。赤ちゃ~ん泣かないで~~。」
そこにいたのが、赤ちゃんだったからですよ。
◆◆◆
少し前
「…Boah?」
一瞬、僕は目の前の光景が信じられませんでした。何故って?いや、普通に考えて草叢の中に赤ちゃんが、それも人間の赤ちゃんが居るなんて思わないでしょ?……そっか、なんか聞いた事あるなと思ったら、華凛ちゃんとフェリ君が産まれた時に聞いたんだ…。なんだかんだで6年も前の事でしたから、忘れてました…。そっか、あの子達産まれてからもう6年も経ったのかぁ…。
「ンギャ~!!ンギャ~!!」
あっとと。いけないいけない。赤ちゃんの事忘れて物思いにふけてしまいました。よしよ~し。赤ちゃ~ん。よしよ~~し。
「ンギャ…ン……ギ……。キャッキャッ♪あ~だぁ~♪」
よしよ~し。よしよしよし~……ふっ。ミッションコンプリートです。この僕にかかれば、どんな赤ちゃんだってすぐ泣き止ませてやります。なんたって、僕は(前世で)赤ちゃんをあやす腕を看護師さん達に認められた男!!なんですから…。
それはそうと、
「キャッキャ♪あ~だう~♪」
ニコォ~♡→→→→→→→→→→→スパーーン!!(ナニかが撃ち抜かれた音)
「ハゥッ!?」
あ、あわわわわわ!?や、やっぱり、やっぱりこの赤ちゃんかわいいです~♪見てください!!この天使としか言えない笑みを!!お肌はフニフニで柔らかくて、ほっぺはリンゴみたいですし、髪は柔らかくて綺麗な赤毛、お目目はクリクリしてて綺麗な麦色の目ですよ!!おてても丸くてちっちゃくて、ミルクのような甘いいい匂いですぅ。はあ、天使みたいにかわいいな~♡僕、赤ちゃん大好きなんですよ。もし、体が健康で顔が怖くなくて背も低かったら(もしくは平均身長だったら)、保育士さんかベビーシッターを目指していたくらい僕は赤ちゃんが大好きなんです…♡
はあ、にしても、本当にこの子かわいいなぁ~♡華凛ちゃんやフェリ君みたいな黒目や緑目もいいですけど、この澄んだ黄土色。本当に綺麗です…。Mutterや華凛ちゃんの髪の毛を思い出します…。僕もこんな目がよかったな~。僕の目、前世でも今世でも紫色なんですもん…。周りの人は『綺麗』とか『珍しくて良いね』とか言ってくれましたけど、僕はこの色が嫌いです。変な色ですし、何よりMutterが嫌いな人と同じ色ですもん。僕はその人とそっくり過ぎて産まれ変わりだっていわr…あれ?誰にそんな事言われたんでしたっけ?アレレ?
「ぅ~だぁう~。……んぎ、ンギャーーーー!!」
ハッ!!イケナイ!!赤ちゃんの事置いといて、物思いにふけてしまいました…。よしよ~し。赤ちゃ~ん、泣かないで~。ほ~ら、べろべろばぁ~。べろべろばぁ~。
「ギャーーーー!!んギャーーーー!!」
あれ?なんですって…!?これをやって泣き止まないですと…!?バカな、夜泣きが酷かったフェリ君ですら、これ一発で泣き止んだというのに…。
ぷ~~~ん
……あれ?なんでしょう、この臭い。最近何処かで嗅いだ臭いですね。……あ、もしかして。
僕は赤ちゃんの産着を剥がし、オムツの中を見ます。……あ~、やっぱり。元気にカレーをこぼしてました。中身がカレーの大洪水になってます…。そして女の子ですね、この子。
僕はオムツを取り、糸で新しい布を作ってソレをお尻に巻いてあげます。
「ぅ~。ぅ~。……んきゃ。きゃ~♪ん~あ~♪」
……ほっ。よかった…赤ちゃんの機嫌が直ったみたいです。…あれ?そういえば僕、さっき何考えてたんでしたっけ?……ま、いっか。『すぐ忘れてしまうのなら大した事じゃない』って、前に月見里さんが言ってましたしね。
(それに、今は赤ちゃんです。)
って言うのも、先程の言葉から分かるように、現在赤ちゃんは産着1枚しか着てないからです。こんな薄着でこんな寒い所にいたら、風邪どころか凍え死んでしまいます。…まったく、この子のお母さんは何を考えているのでしょうか?
僕は赤ちゃんの採寸を取り、すぐさま製作。糸に少しだけ炎属性の魔力を流し、薄いけどポッカポカなヒ○トテック のような肌着と、先程の烏さんから毟った羽(洗浄済み)を織り込んで作ったコートを着せてあげます。
「う~だぁ~♪だうだうだ~♪」
赤ちゃんも気に入ってくれたようです。キャッキャッと笑う赤ちゃんに癒やされます。ほんと目の保養…。あんなに嬉しそうにしてくれるなんて…作り手冥利に尽きますね…。気に入ってくれてよかった…。それにしても、本当にかわいいな~赤ちゃん♡
◆◆◆
こうして、僕と赤ちゃんの戯れが続きました。赤ちゃんは蜘蛛な僕に怯える事なく、むしろ嬉々として接して来てくれます。…ああ、天使。天使がここにいる…。
そんなこんなで日が暮れて、辺りが暗くなってきた頃です。
「……んぎ。んぎゃ~~~!!」
「?赤ちゃん?どうかしたのですか?」
唐突に赤ちゃんが泣き始めました。オムツ…は先程替えたばかりです。どうしたんだろ?と思っていると、グギュ~~~。と、どこからか大きな音が。……そうだ、そう言えば蜘蛛の体になって忘れてましたけど、普通人間は1日の内に何回か食べないといけない生き物でした…。前世の時、食べるの嫌いだったから忘れてました…。赤ちゃんなら、尚更食べないと…。
僕は『赤ちゃんに何を食べさせたらいいのか?』とこの子のお母さんに聞こうと思い、我に返りました。
何故なら、
現在地=森の中の草叢
人気=(赤ちゃん以外)無し
環境=寒い
結果。
(もしかして、この子捨て子…?)
頭に浮かんだ言葉に、僕は全身の体液が下がりました…。
(いえいえいえいーーーえ!!そんなこと無い筈です!!偶々、偶々まだ帰ってきていないだけです!!)
僕は考えを消すようにブンブン頭を振ります。だってそうでしょ?こん……………なかわいい子、滅多に居ませんよ!?こんな天使な赤ちゃんを捨てるだなんて、有り得ません!!
ガサッガサガサガサッ
あっ!!ほらね!!なんか誰かが草叢を掻き分ける音が聴こえますもん!!きっとこの子のお母さんです!!ほらお母さん、早く早く!!貴女のお子さんがお腹空かせてますよーーー!!
ガサガサガサッ…ガサッ
そして、草叢を掻き分け、出てきたのは――――――
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
一週間後。
~視点:C級冒険者 ワンズバー~
ガラゴロガラゴロガラゴロガラゴロ
「ふあ~~ぁ。暇だな…。」
荷馬車の中、暇すぎて俺は大あくびが出た。俺はC級冒険者のワンズバー。今日は贔屓にしてもらってる塩商人の旦那依頼で、この馬車の護衛をしている。このグレートクリスの森は広大で血の気が多い魔物や獣がわんさか居る。だから俺みたいなC級冒険者がよく護衛依頼を請けるんだが、冬の始まりって事もあるのか、5日前からこの森に入っているんだが、全く魔物を見ねぇ…。暇だ。
「ちょと、ワンズバー。大あくびしないでよね、みっともない。」
そう言うのは俺の相方の槍使い、レラだ。こいつとは初心者の時から組んでいるんだが、なんか年々俺への風当たりが強くなってきてる気がする…。あれか?もしかして、心を許しているが故、ってやか?ハハハ、かわいらしい奴め。
「あ~わりぃわりぃ。気が緩んでな。こん…な何も無いと、いちいち警戒してるのが阿呆らしくなってきて…。」
「ワンズバー!!しっかりしてよね!あんたの≪探査≫が頼りなんだから!!」
「はいはい…。」
≪探査≫っつうのは盗賊系の職業を手に入れると覚えられる≪スキル≫の1つだ。俺はそれなりにlevelが高いので、大体半径25mくらいなら敵を察知出来る。…あ、ちなみに俺は≪追跡者≫つう盗賊系職業の上位職だ。
「そうですよ、頼みましたよワンズバーさん。それに、魔物が出ないという事は我々商人にとってありがたい事なのですから。」
「そうですそうです!旦那様の言う通りなのです!!」
そう言ったのは、塩商人の旦那。それと外で御者をしている旦那の奴隷で犬獣人のパパロだ。
んまぁ、旦那達の言う通りなんだが、こうも何も無いと、ねぇ…。明日には森を抜けるとはいえ、ここまで何も無いと、なんか調子が抜けるんだよなぁ~…。
そんな事を思っていた、正にその時だ。
ガラゴロガラゴロ…ガタタン!!
「「「ウオッ/キャッ!?」」」
突然荷馬車が跳ね上がり、止まった。なんだ?なにかあったのか?
「すみませんです!どうやら、溝に嵌まってしまったみたいなのです!!」
パパロの焦った声が聞こえる。…なんだ、溝か。ならしゃーねぇーなぁ。
俺とレラは荷馬車を押すため、馬車の外に出た。馬車の左後輪が溝に…つか、泥沼に思いっきり沈んでた。
(こりゃ一筋じゃあいk……泥沼?)
そこで俺はおかしな事に気づいた。さっき、パパロは“溝”っつったよな?けど、実際には“泥沼”だった。この泥沼はそれなりにデカイ。パパロが気づけねぇ筈がねぇ。となるとつまり、この泥沼は…!?
「気を付けろレラ!!敵襲だ!!」
「えっ?」
「きゅぴーーー!!」
バシュン!!
叫んだ途端、どこからともなく白い塊がレラを襲った。
ニコは赤ちゃん大好きです。(だって、逃げないんですもん…。by ニコ)
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