北のだいちです。
新章、はっじまっるよ~☆
2週間後、北の空にて。
~視点:ハーバウ~
ヘ~イ☆世界中の小鳥ちゃん達☆
オイラはグレークロウのハーバウ。巷じゃ“宵星のハーバウ”って呼ばれてるナイスガイだ☆ オイラは今、この北の大地最大の森“グレートクリス”の空を優雅且つ大胆に飛行中だ☆よかったら一緒にオイラと空の果てまで飛んでいかない?
ビュオォォォ
サッムゥゥウ!!
あ~寒い寒い。ったく。なんでオイラがこんな寒くて寂しい所に来なきゃなんねぇんだよ…。あ~あ、こんなんなら昨日あんな事言うんじゃなかった…。
◆◆◆
昨夜
「ねぇねぇ聞いた~?あの噂?」
「あ~あれ~?聞いた聞いた。怖くな~い?」
(ん?噂ぁ~?)
街の鳥達が集まる集会場(オイラは街に住むシティボーイなんだぜ☆)で気になる話を聞いた。洒落者を名乗るからにゃあシティボーイはどんな些細な噂にも精通してなければならない。とオイラは思っている。
で、可憐なレディ達に話を聞いた所、最近北の空にて奇妙な生き物がいるらしい。
曰く、目立つキラキラの綺麗な黄色。
曰く、羽が無く、細い動く突起がいっぱいある。
曰く、近づくと正体不明のネバネバを噴射される。
等々…。最近この辺りで有名になった不思議生物がオイラ達が居る街に向かって来ているらしい。
「ねぇねぇハーバウ~。アタシ怖~い。」
「アタシも~。」
そう言ってオイラに寄ってくるかわいこちゃん達。フム。オイラのかわいこちゃん達がこんなに怖がっているんだ。だったら一肌脱がにゃー雄が廃るってぇもんよ!!
「ヨシ!!オイラがその不思議生物を吹き飛ばして来てやるよ!!」
「キャ~♪ハーバウかっこいい~♪」
「ハーバウ男前~♪」
そう言いきると、かわいこちゃん達が更にすり寄ってきた。いや~、モテ鳥はツラいな~♪カァーカカカカカァ♪(笑い声)
「あっ、そうだハーバウ。ソイツ今、“アイノン”の街の近くを飛んでるみたいよ。」
「ほんとベリィちゃん(↑のかわいこちゃんの名前)?スゲェ近くじゃん!?」
“アイノン”の街はオイラ達が今居るこの街、“グルルズ”の街の隣街だ。間に“グレートクリス”のどでかい森があるとはいえ、それでも8日あれば飛破出来る距離だ。まぁ今は冬だしぃ、実際はこれから来る吹雪とか突風でもっとかかると思うが、なんもなかったらすぐ着いちまう。…うかうか出来ねぇな。
「ねぇねぇハーバウ~?ちょっとぉ~いいかしらぁ~?」
「へっ…!?ば、バジリコちゃん!?」
オイラに声をかけてきたのはこの街一番の美鳥。ホワイトファルコのバジリコちゃんだ!!な、なんで?どうして?オイラみたいな奴に声を?
「ねぇハーバウ~。アタシィ~キラキラしたのぉ~だ~い好きなの~。さっきのぉ~話のぉ~生物ってぇ~キラキラァ~なんでしょ~?アタシィ~キラキラァ~ほしい~♡だからぁ~捕ったらぁ~アタシにぃ~ちょ~だい♡」
「は、ハイイィィィ!!ヨロコンデーー!!」
な、なるほど、バジリコちゃんってば、キラキラしたのが好きなのか!!もし、キラキラ捕れたら、オイラと、オイラと、お、おおおおおお付き合いしてくれるかな?してくれるかな!?ウオオオォォォ!!こうしちゃおれん!!今すぐ、行ってきまーーーーす!!
バサァッ
こうしてオイラは、アイノンの街目指し飛び出していったのであった。
◆◆◆
「ブエキッシ!!」
…あーさむ。ここいらって、時々ニニークの森の戦闘馬鹿が遠征で来るから怖いんだよなぁ…。なんでアイツ等、バジリコちゃんと同じ“ファルコ”って名前なのにあんなおっかねぇんだろ…。おお、こわこわ。
オイラは辺りをよぉ~く視ながら滑空する。途中≪ブースト≫使って距離を稼いできたが、例のキラキラ生物は今だその片鱗すら発見出来ずにいる。ったく。一応オイラも魔獣とはいえ、あんま魔力無いから魔法使いたくねぇっつのによ。何処いるんだ?キラキラ生物?
(………ん?)
あれ?今、なんか光んなかった?
一瞬だが、遠くの方にて何か黄色い光が見えた気がする。オイラは目をよぉ~~く凝らし、遠くを見る。
キラァ
(っ!!見つけたーーー!!)
間違いねぇ!!見つけた!!
オイラは≪ブースト≫を使い、一気に飛ぶ!!キラキラ生物は…!?アイツ、スパイダーか!!そういやアイツ等も風に乗って飛ぶこと出来たな…。なるほど、キラキラはアイツの皮か。確かにアイツの皮は綺麗な黄色で、日に当たるとキラキラして見えるな…。なるほどなるほどなるほどねぇ~。スパイダーなら、簡単に捕まえられる!!
シュン!!シュシュン!!
(おおっと!!)
スパイダーが糸を発射。オイラはソレを華麗に避け、スパイダーに向かう。ケッ!!スパイダー風情が、弱い弱い虫のくせして反撃たぁいい度胸だ。虫が鳥に勝てる筈ねぇだろ!!
シュシュン!!シュン!!
次から次に発射される糸を、オイラは右に左に避けまくる!!時々捻りやダイナミックに宙返り!無駄無駄無駄ぁ!!そんなスピードで、この“宵星”に当たる訳ねぇだろ!!遅すぎるわぁ!!
ついにオイラはスパイダーに辿り着いた。さぁ、オイラとバジリk「キュピーーーーー!!」
バリバリバリバリバリィ!!
「……か…は……?」
スパイダーに触れた途端。体を襲う激しい痛み。……あ…れ?からだ…うごかな……。
ひ
ゅ
る
る
る
ぅ
ぅ
ぅ
:
:
ゴシャ。
動けなくなったオイラが最後に見たのは、金色に光り、バチバチと音を鳴らしながら落ちてくるスパイダーと、この大地を覆う灰色の空だった…。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
~視点:ニコ~
ベチャッ……バキバキバキバキバキバキィ
迫ってきた烏に≪ショック≫を使い、感電させ、墜ちる烏に糸をつけ、烏の墜ちる重力を利用し僕も墜ちる。ある程度墜ちた所で近くに有った木に糸を発射。烏に着けていた糸を切り、僕は木に向かって墜ちる。落下のスピードで増したGの衝撃で何本もの枝が折れていく。折れた枝が僕に掠り、傷が出来る。≪身体能力強化≫で全身を強化しているとはいえ、元々固く無い僕の体。太い枝に当たったらイチコロだ。当たらないよう祈りながら、僕は墜ちる。
――――――――ィィ…とちゃ。
そして、漸く停まった。
枝を伝い幹に行き、幹から降りて、僕は何日ぶりか分からない、懐かしの地面に降り立つ。ああ、久々の大地。大地…。
「Harraaaa!Erde!Erde!Erdeeeee!!Erde nach einer langen Abwesenheit!」
ガバァッ!!
ああ。ああ!ああ!!ああ!!
ながかった…。長かった!森から飛ばされ早数日。右も左も昼も夜も分からぬ生活。ただただ風に飛ばされ、空に浮かぶ日々…。起きてはその高さ故の恐怖に震え、緊張からくる疲れで眠り、また起きては恐怖に震える…。長かった。長かったよう…。途中で雨は降ってくるし風も強いし、なんかデッカイ影が僕の上を通るし鳥さんにも襲われるし…。ぐずっ。な゛ががっだよ゛ぅ~(泣)。
ひたすら大地に這いつくばり、すりすりすり。全身を大地につけ、今土の上にいる幸福を噛みしめます。……僕、大地と結婚します。大地大好き。大地愛してる。すりすりすり~。Ich liebe es♡ちゅっ♡ちゅっ♡
一通り地面を愛した後、近くに堕ちていた烏さんを食べます。…ああ、久々のご飯…。お肉おいしい…。僕、豚肉派ですけど、今なら鳥肉も愛していいです…。鳥肉…おいしいよぉ…。血も豚さんと比べアッサリしてる気もしますけど、それでも今だけなら愛してあげます…。鳥肉…最高…♡
ソレにしても、僕本当に蜘蛛で良かった…。人間だったらとっくに空腹で死んでますし、堕ちた時のGだって、軽い蜘蛛だからほとんど無かったんですもん。本当に蜘蛛で良かった…。(←虫で体重が無さすぎて飛んだ奴。)
(ソレにしても、ここは何処でしょうか?)
お腹いっぱい食べた後、残った烏さんをポッケに仕舞い辺りを見回します。
周りは森なんですけど、木がゴールの森と違います。あれです。クリスマスツリーみたいな針葉樹(?)でしたっけ?あの針みたいな葉っぱの木がいっぱい…いや、それしか有りませんね…。それに風も凄く冷たいですし…。僕、どこまで飛んできたんですかねぇ?
………ァ。
(ん?)
あれ?今、なんか聴こえませんでした?
………ぎ…ぁ。
(んん~?)
うん。やっぱりなんか聴こえます。
…………ゃ~~。
(……何か居ますね…。なんでしょうか?それに……どこかで聞いた事あるようなナキ声ですねぇ?)
僕は声の方に歩きます。ここに居ても、なんの手がかりも在りませんしね。こういう時は行動するのみ!!って、リンちゃんがいたら言ってそうですね。…リンちゃん、元気かな?
若干ホームシックになりながらも、僕は木を越え草を越え、背の高い草藪の中をかき分けながら進みます。
(ん~?声はここら辺から聞こえた気がしたんですけどねぇ~?)
草の根をかき分け進む。そして、
(んなっ!?)
僕は、そこにいたモノを見て、言葉を失った。
ニコが見たモノとはっ!?
誤字・脱字を見つけましたらご報告ください。
因みにニコが『数日』と言ったのは、ずっと起きる→気絶する→起きる→気絶するを繰り返していた為、時間感覚が無くなっているせいです。本人はまだ『数日』しか経ってないと思っています。




