vsおやだまうるふです!!②
また下品表現あり。
視点:ガオロ
僕は森を駆ける。鼻が導く。あの3匹の下に。僕は走る。駆しる!疾る!!
(そうだ!!アレ練習しよ!!)
僕はあの石を食べた時、不思議な力を手に入れた。
“ability ≪技喰い≫”
始めはなにか分からなかった。けど、その後偶々見つけたビラカを食べた時、ソレがなんなのか解った。
ポーン
(ability ≪技喰い≫ により スキル ≪気配察知≫ level 3 を 習得 しました。)
(!!)
突然頭に響く声。
あまりに突然だったから驚いたけど、その後も獲物を見つけては食べ、見つけては食べを繰り返すうちにソレがなんなのか解った。
この≪技喰い≫とか言うability、食べた相手の持つ≪スキル≫を1つだけ覚える事が出来るみたい。だから僕、ビラカとかラビットとかキャタストとか…とにかくイロイロ!!いろんなザコの≪スキル≫使えるんだ!!凄いでしょ!!しかも食べた相手のスキルのレベルがそのままってのが凄いよね!!おっ得~♪そんでもってね、さっき食べたグオル。アイツを食べて手に入れたのは……
「≪ブースト≫!!」
脚に風があたる。あたった風が纏わりつき、軽くなる。
身体が軽くなり、風が、木が、景色が、前にあった全てのモノが、残像を残してドンドン後ろに飛んでいく。
グオルが持っていたこの≪ブースト≫ってスキル、風属性のスキルで身体を軽くするスキルみたい。身体かる~い♪ドンドン走れるよ♪
やー、グオルは凄く速い奴だとは思っていたけど、≪スキル≫のおかげだったんだね。……この≪ブースト≫ってスキル、前に食べたウルフ達持ってなかったんだけど…。もしかしてグオル、亜種か変異種か特異種とかだった?うわ!もっと味わって食べればよかった!!勿体ない!!
食べちゃったのはしょうがない。次の獲物を味わって食べればいいって事だよね♪
そう思っている間にもドンドン進む。辺りは真っ暗だけど、僕達ウルフの鼻には関係ない。ウルフは鼻は凄いんだ!こんな真っ暗闇の中でも何処に獲物がいるのか判るんだ♪…ま、お陰で折角ビラカから取った≪気配察知≫とかの感知系スキルが育たないんだけどね。まーレベル低いし使いづらいからしょーがないか。逆にレベルが高くても困るけど。さっきも≪ブースト≫使ってあの赤いゴブリンに迫ったはいいけど、止まれずに家に突っ込んじゃったし……。≪ブースト≫level27とか、どんだけ使ってたのさグオル…。これから僕が使っていくけど。
(とと、見つけた見つけた♪)
漸く見えてきた僕の獲物♪所詮ゴブリン。やっぱ僕達ウルフの方が速いみたい♪ウルフサイコー!!
『り、リリリリンちゃん!?あの狼さんが来ました!?』
『ナニ!?モウかよ!?速すぎダろ!?』
アハハハハ♪
驚いてる驚いてる!
あ~んなクッサイ匂い残して、ウルフから逃げられる訳ないじゃん!!あのスパイダーさん達ってばほんとーにおバカさんだね♪アハハハハハ♪
『~~!?お、おおおおお追いかけて来ないで~!?』
『馬鹿!!通じっ訳ねーダろ!?』
口調からあの赤いゴブリンかな?その子がスパイダーを乗せて走る。
……プッ。クククククアハハハ♪
ごめんね~♪実は通じてるよ~♪この間食べたゴブリンから≪ゴブリン言語≫って、スキル(正確にはabilityなんだけどね♪)もらってるから聞こえてるよ~♪
……アレ?そう言えば、なんでスパイダーの言葉も解るんだろ?ここに来るまで色んな虫食べたけど、まだ虫の言葉は習得してないよ僕。もしかして、あのスパイダー≪ゴブリン言語≫習得してるのかな?まあどっちでもいいか。
逃げる逃げる僕の獲物♪
さあさあ逃げて。逃げて逃げて♪
そして疲れて絶望して、僕の美味しい糧になって♪
『『追いかけて(クンなーー!/こないでくださーーい!!)』』
アハハハハハハハハハ♪
そんなの却下!!
跳んで、走って曲がって跳んで。
途中で≪ブースト≫を切った(魔力が足りなくなってきたとも言う)とはいえ、僕達のオニゴッコは長く続いていた。けっこービックリ。ウルフって、持久力あるから先にあのゴブリンがくたばるかと思ったけどそうでもないね。ピンピンしてる。あのゴブリン、体力あるな~(感心)。
途中木の根にとか枝とかに引っ掛かって、何回か見失いそうになったけどあの匂いのお陰で見失う事は無かった。むしろわざと見失った振りをして遊んでやった。
『ウワっ!?』
『ぷきゅっ!?』
あっ、木にでもぶつかったのかな?ゴブリンが止まり、スパイダーがこっちに飛んでくる。オオオッ♪チャ~~~ンス♪
『ウワアアアーーー!!』
『ッ!?ニコーーー!!』
叫んでも無駄無駄無駄♪
アハハ♪楽しかったよオニゴッコ♪ソレじゃあ一人目、
「イッタダッキマ~~~ス♪」
口をおっきく開いて飛んでくるスパイダーを入れた。
ばくん♪
『残念ですが、ソレ外れです。』
不意に何処からか声が聞こえた。ソレはあのスパイダーの声だった。どういう事?そう聞こうとしたけど、出来なかった。なぜなら……
ぷぅ~~~~~~~~~~ん
『*◆∀оЯеддⅩJ4あきガ&]/9GЯЯGas¢ガガガガガ~~~~!?』
口の中で暴れる激臭。臭くて不味くて苦くて…とにかく臭い臭い臭い~~~!?コレ糞!!うん○!!さっきのアレ!!まだ有ったの!?全然匂い無かったよ!?こんな強烈なのになんで臭わなかったの!?
『ゴブザザ今ダーー!!』
『ンダ!!』
地面が上がる。僕は突然過ぎるソレに対応出来ず、そのまま宙に上る。
上がってきた地面はスカスカで上手く足を乗っけられない。
「ッブゲェ!!ブゲェッ!!ブゲェッ!!」
けど、今はソレどころじゃない!!臭くて臭くて悶え苦しむ。
臭い!!臭い!!臭い!!鼻から息が、息が出来ない!!臭くて臭くて何も解んない!!
下からなんか声が聞こえるけど、もうなんも解んない!!臭い臭い臭い!!
「うあおおおぉぉぉぉ…………ん…。」
僕の遠吠えは、夜の闇に消えていった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
ガオロがニコ達を見つける少し前。
「クッソ!!そんなのアリかよ!!」
「ヤダヤダヤダ!!オラ、まだジにだぐねぇだ!!」
姉弟は混乱した。無理もない。なんせ、折角逃げられると思ったのに、相手は簡単に追ってこれると言われたのだ。元々ゴブリンよりウルフの方が速いのは知っていた。
((喰われる。))
そう思った。だから姉弟は混乱した。
「えっ?なんでそんなに焦るのですか?」
それに比べ、発言者は非常に落ち着いていた。
「なんでオメェはそんなに落ち着イテンダよ!!」
「ンダンダ!!オメェ怖くネェのカ!?」
「エッ?怖いですよ?」
「「なんでソンナ落ち着いてヤがる!?」」
姉弟の責めは当然だった。それほどまでに、ニコは落ち着いていた。
「えっと、これから多分あの狼さんが来るんですよね?」
「多分ジャなくて絶対ダ!!」
「僕達を追って来るんですよね?」
「当たり前ダ!!」
「だったら、
罠ハって待ち伏せしてもいいんじゃないですか?」
「「……は?」」
ニコの作戦はこうだった。
①まず、ニコとリンを囮にする。「待て!!なんでダよ!?」「リンちゃん!!ちょっと聞いてて!!」
……ニコとリンは更に匂いが付くよう、まだ有った肥やし爆弾をあえて付着させる。
②次に、ガオロ捕獲用の網(網目の粗い網の両端に紐を付けた形)を作り、ソレを地面に広げる。この際、紐の片方を近くの高くて丈夫そうな木の上にくっつけておく。
③もう片方の紐を持って、反対側の木にゴブザザが登り、待機する。重い石を一緒に持って登る。
④後はガオロが来るまで待機する。ガオロの言葉が通じていた為、ガオロは≪ゴブリン言語≫かなにか持っている可能性在り。焦った振りをしてポイントまで誘導する。
⑤ポイントまできたら事故を装い、ニコをガオロに投げる。
「……そしたら僕が狼さんの動きを止めるので、ゴブザザ君は石と紐を持って飛び降りてください。上手くいけばみんな無事にあの狼さんを倒せます!!」
ふすー。と、鼻息を荒くするニコに、姉弟は呆然とした。
「ま、待ってくれニコ。ソレ、オレ等…いや、オマエが危険過ぎナイか?」
「そ、ソダ!イグらアンダでも、アブねぇだよ!!」
姉弟達の心配は最もである。だが、ソレ以上にニコの大胆過ぎる作戦に困惑していた。
「ん~。大丈夫だと思いますけどね~。あの狼さん、普通サイズでゴブザザ君と大体同じ重さくらいそうでしたし、何より遊ぶのが好きそうだったので、僕らを見つけても暫くはわざと遅くしたりして虐めてくると思うんですよ。」
ニコは曖昧ながらも、何処か確信した様子で話す。
「なんでソンナ自信あんだヨ!!アイツが一気に食いにクルかもしんネェーダロ!?」
「ん~…なんででしょ?なんかそんな気がするんですよね…。でも、多分大丈夫だと思いますよ?実は僕、隠し兵器が有るんです。」
「「カクシヘイキ?」」
姉弟達は困惑する。そんなモノが在るのかと。
「フッフッフ…。そう、隠し兵器です!!ソレは~……ジャジャ~~~ン!コレ!!です!!」
「「……なんだソレ?」」
ニコが見せたモノ。ソレは、ニコの首モドキのようなところから腹部にかけて着けられた、小さな白い布の袋だった。
ニコの隠し兵器の正体とは……!?
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