こんとうです。
『ニコ!ニコ!!しっかりしてくれ!!』
ぎゅっ
寝っ転がった僕の脚を握り、リンちゃんが痛切な声で僕の名を呼びます。
「くけー…。」
『あらあら…。貴方もしっかりなさってくださいな。』
僕の隣では隼さんも体を寝かせ、ぐったりとした様子でカトレアさんに看病されています。
僕も体が動きません。
(ああ…。どうしてこうなったんでしたっけ…?)
靄のかかる頭を必死で動かして、どうしてこうなったのかを思い出します。
(……そうだ。たしか、ぼくたち、リンちゃんを探しにいって………)
◆◆◆
『リンちゃんみつけたぁぁぁぁぁぁぁぁああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!』
「くえー…(や、やっと見つかったか…)」
ライゴウさん(隼さんのお名前だそうです。)に運んでもらって数分、糸を辿った先に泥で顔も体もグチャグチャに汚れたリンちゃんがいました。彼は何故かお口をポカンと開け、呆然としていました。まあ、泣いていないだけマシなので、そこはソッとしておきましょう。
『ライゴウさんライゴウさん!もっと早く!早くリンちゃんの傍に行ってください!!』
ペチペチと彼の爪を叩き、速度の上昇をお願いします。
残念ながら僕と彼は言葉を交わす事が出来ませんが、そこは予め双方の通訳が出来るカトレアさんにお願いして合図を決めていたので問題ありません。
≪テレパス≫はレベルが高ければ高い程言葉の壁と距離が無くなるスキルなのだそうです。凄く便利そうです。頼めば教えてもらえるでしょうか?
「くえ。」
ライゴウさんは一声鳴くとスピードを上げ、リンちゃんに近づきます。
(あと少し……!)
そう思った僕はもう一度彼の爪を叩き、放してもらってリンちゃんに向かって思いっきりダイブします。
『りーんーちゃーーーん!!』
バッ
脚を開けるだけ開き、拘束体勢……というより前世で言う“だいすきほーるど”でしたっけ?それに近い体勢にはいります。
あれは両手両足の計4本で相手を拘束する行為ですが、今の僕は蜘蛛なので計8本。絶対に逃す事はありません。
ライゴウさんのスピード+落下のスピードも合わさり、高速でリンちゃんに迫ります。
『リンちゃん!つかま『え?ギャーーー!?』たぁっ!?』
ゴン!!
◆◆◆
(……そうでした。思い出しました…。)
そう、後少し!というところで正気に返ったリンちゃんは僕を避け、僕はリンちゃんの背後に立っていた木と思いっきりumarmen……いえ、抱きつくというより衝突事故を起こし、暫くその激痛で泥んこの中を転げ回り、泥に含まれていた水分により気絶した僕はリンちゃんとライゴウさんに運ばれ、こうしてまたカトレアさんの元で看病去されていたのでした…。
……我ながら、恥ずかしいです。流石に間が抜けすぎてます(泣)。
……水なんて…大っ嫌いです………。
『ううううう~……。』
『!!!?に、ニコ!?大丈夫カ!?何処かイテーのか?くるしーのか?』
恥ずかしさのあまり顔に脚をあて踞る僕に何を勘違いしたのか、リンちゃんが慌てた声で背中をさすってくれます…。
リンちゃんが傍に居てくれるは嬉しいですけど…。嬉しいですけど!
(今は…ソッとしていてください…。)
ああ、きっと、こういう時の事を言うのでしょうね。“穴あったら入りたい” って。
―――――――――――――――――――――――
~ライゴウさんが運んでくれた理由と疲れている訳~
視点:ライゴウ
「……!……!?」
『……。…………。』
先程、何があったのかはわからんが赤ゴブリンが泣きながらカトレアから飛び出していき、いつの間にやらホーンスパイダーに進化したあの日のチビが何やらカトレアと話し込んでいる。
いやはや、子とは成長が早いな…。少し前までまだ赤ん坊だったあのチビが目を離していた隙にここまで成長するとは…。先程カトレアの実にかけた≪クローシェン≫。あれはとてつもない威力であった。カトレアの実は魔力を吸い熟す。我輩でさえ熟す事の出来なかったあの実をいとも簡単に熟させることが出来るとは…。もしかしたらあのチビは将来、魔王になるやも知れぬな…。
「さて、我輩は帰るとするか。」
元々、ここに集まったのはカトレアの実を熟させるためだ。それが終わった今、ここにいる理由はない。
我輩は羽を広げ、飛び出そうとしたその時。
「きゅびーーー!!(待ってくださーーーい!!)」
ブシャッ
……何故かチビに糸を吐かれ、身動きが取れなくなった我輩は墜落した。
……へ?何をしたこのチビ?
「きゅ、きゅび!!(ま、待ってください!!)きゅきびきゅきゅびきゅびーーー!!(僕を、僕をリンちゃんのところに連れてってください!!)」
我輩を拘束し、何かを訴えるチビ。
「な、何をする!!は、はなせ!はなせー!!」
や、ヤメロー!!は、羽に糸をつけるなーーー!?
「きび!(おねがいします!)きびきゅきゅきゅびきゅ。(貴方のその翼が頼りなんです。)きゅびきゅきゅびー!!(おねがいしますおねがいします!!)」
どろぉ
ぎゃああああああああ!!≪クローシェン≫かコレはー!?糸が溶ける!!羽に溶けた糸がはいっていくぅぅぅぅ!ヤメローーー!飛べなくなるぅぅぅぅう!?
「きゅ、きゅきゅびきゅびきゅ!?(あ、いけない≪クローシェン≫発動させちゃった!?)きゅびきゅきゅきゅびきゅびび!!(隼さんの翼に糸の残骸が!!)きゅきゅきゅびきゅきゅびーー!!(どうしようどうしようどうしよう!!)きゅきびきゅきゅ!!(取り除かないと!!)」
ボッ
ぎゃああああああああ!!火が、火が糸にいあぁぁぁあぁぁぁ!?お、オチビ様?オチビ様!貴方様、火も扱えた…って、コレ≪火魔法≫じゃなくて上位魔法の≪炎魔法≫ではないか!?なんで蟲が使えるのだーー!?
「き、キュッ!!(あ、間違えちゃった!!)キュビビッキューー!!(間違えて、≪ブレイクフレイム≫使っちゃったーー!!)」
ボウボウボウ
ぎゃああああああああ!あつい!
熱い熱い熱いぃぃぃぃいいいいいいいいいい!!
だれか、だれか消してくれぇぇぇえぇぇええええええええええぇええぇぇえ!!
「キユーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!(隼さん暴れないでーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!)キュビビッきゅびきゅきゅきゅび!!(焦げちゃいます焦げちゃいますぅぅぅう!!)」
ぎゃああああああああ
きゅびぃぃぃぃいいい
『……なにやってますの?貴方達…。』
その後、見かねたカトレアによって消火と通訳をされた我輩達はオチビ様の糸を辿り、赤ゴブリンのもとに向かうのであった…。
拒否?
ふっ。拘束技使えて尚且つ≪炎魔法≫操れる相手に反抗なんて出来るかぁぁぁぁあ!!燃やされるわドアホォォォォォォォオ!!
そんなドタバタがあってライゴウさんは疲れてました。
中途半端になっていた申し訳ありませんでした。
コレ書いてる途中、休憩中のオバサン(お喋り好き)に捕まって書く時間とられました…( ;∀;)
本当にすみませんでした。
誤字・脱字を見つけましたらご報告ください。




