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りんちゃんのはなしです。①

“ゴブリン(特異種(ユニーク))の絆”


 進化した時に付いていた称号。

 “ゴブリンの絆”はゴブリンであるリンちゃんと仲がいいから付いた称号なのだと想像出来ます。

 けど、(特異種(ユニーク))。コレはわかりませんでした。何故僕が変異種(レア)から混合変異種(カオスレア)に変わったのかも判らず、とりあえず支障が無かったのでそのまま放置していました。


 しかし、今カトレアさんから聞いた話から考えるに、リンちゃんは特異種の可能性が出てきました。


 だって、今まで僕が見てきたゴブリンさんは全て緑系の色だったのにリンちゃんだけ赤いなんておかしいです。僕だって産まれた時、周りは茶色ばかりで色違いの兄弟はいませんでした。途中で会ったスパイダーのお兄さんだって同じでした。


 ならば、リンちゃんは“元々赤い種族なのではなく、一人だけ特別なのではないのか?”


 特異種は姿が少し違かったり身体能力が高いってカトレアさん言ってましたし…。

 リンちゃんが特殊な≪スキル≫を持っているかは知れませんが、明らかに普通のゴブリンさんと違って色赤いですし、身体能力も会って初めての頃、僕のネバネバ糸を簡単にはね除けた事と何だかんだで2週間近く絶食しても生き延びる生命力が証明してくれています。


『……と、言う訳で僕はリンちゃんが特異種なのではないかと思ったのですが。』


 どうなんですか?


 リンちゃんに近づき、答えを求めます。

 えっ?なんでそんなことするのかって?


 だって、もしリンちゃんが本当に特異種だったら、だったら、













―――――――――すんごくカッコイイじゃないですか!!


 だって特異種ですよ!特異種!!

 僕も変異種っていうなんか上の階級の生き物なのらしいですが、リンちゃんは更に上の階級なんですよ!!

 うっはーー!凄いじゃないですかリンちゃん!!

 カッコよくて優しくて、男前で爽やかさ150%な笑顔が凄く似合って、こんな僕の初めての友達になってくれたこの人が、特異種それを自慢したり明け広げないで僕に合わせて行動してくれたり色々教えてくれたりしてくれたんですよ!!おまけに『オマエが歌う唄が好きだ』とか『服作れるのか!?スゲーな!!』とか言っちゃうんですよこの人!!服は兎も角、歌なんて誰でも歌えるのにお目目をキラキラさせて手放しで褒めてくれるんですよ!!


 そんな、ただでさえ男の最優良物件なリンちゃんが謙虚さとハイスペックを持ってるなんて知られたら、世の中の女性が黙ってないと思うのです…(真顔)。





『それでリンちゃん。どうなんですか?』


 ここはズズイーー!っといきますよ!

 あーもう!リンちゃんもなんで隠していたんですかね~こんな凄い事!


『……にこ。』


 顔を伏せ、少し震えた声でリンちゃんが話ます。ふふふ、さては照れているのですね。リンちゃんってば恥ずかしがり屋さんなんですから~♪


『…驚いた…カ…?』


 驚いた?そりゃあ驚きましたよ。

 さっき聞いたばかりとはいえ、特異種ですよ特異種!まさか友達がそんな凄いのだったなんて思わないじゃないですか。


『……怒った…カ…?』


 怒る?怒るってなんですか?

 黙っていた事についてですか?ビックリしたとはいえ、そんな事で怒る訳ないじゃないですか。


『……にこ。












――――――――オレ、が、怖いカ…?』

『え?』


 ソコで漸く、僕はリンちゃんが震えている事に気がつきました。

 顔を紫色に染め、歯を噛み鳴らし、手足をガタガタガタガタと震えさせた異様な怯えかたをさせたリンちゃんに。


『り、リンちゃん?』

『あ、ハハ。ハハハハハ。

……そ、そうダヨナ。ソウ…だ…ヨナ。怖イよな。今まで、ズット、変異種だと思ってタけど、特異種、だもんナ…。怖くネーはず、ネーよナ…。』


 ポツリ、ポツリポツリ。

 零れるように、迷った子供の様に、言葉を迷わせながら話すリンちゃん。


『……ごめん。……ゴメン!ごめんごめんゴメンごめんゴメンゴメンゴメンゴメンゴメン!!』


 ひたすらゴメンを繰り返すリンちゃん。

 え?ええ?どういう事ですか?なんで謝るのですか!?


『ゴメンゴメンゴメンゴメンゴメン…。

ゴメン……。にこ、






ゆるして…。』


 泣きながら、懺悔するように許しをこくリンちゃん。

 え…と…。すみません。どーゆー状況かわからないのですが…。


『り、リンちゃん?大丈夫?』


 少し落ち着こう?

 そう言って、リンちゃんの手を触ろうとしたその時でした。





『ッ!!』

バッ………シーーーーン!!


 リンちゃんが、僕の脚をはね除けました。


『……え?』

『……あ!?』


 突然の事でした。

 …………リンちゃんに、拒絶された?


 じんじんする脚の痛みよりも、拒絶された事に驚きました。


『ッッッッッ!!』

ダッ

『え、あ!?り、リリリリンちゃん!!』


 短く息を呑んだリンちゃんは、弾かれる様にカトレアさんの枝から飛び降り、雨の中を走って行きます。


『え。え、え!?り、リンちゃん?

え?え!ど、どどどどうしたんですか!?どうなっているのですか!?

ハッ!!そ、そうだ!!カトレアさん!!』


 どうなっているのですか!?

 僕は場にいるもう1人(?)の人物(?)。カトレアさんに尋ねます。


 すると、


「……はーー。ニコさん。

コレは貴方が悪いですよ。」


 ハーー。

 ため息を吐きながら、カトレアさんが呆れた様に話ます。


「……僕が?え?な、なんで!?僕は何をしてしまったのですか!?」


 驚きますが、状況がわからない僕はカトレアさんに答えを仰ぎます。


「ええ。貴方が悪いですよ…。

そういえば時に、貴方…いくつですか?」


 何故か僕の歳を聞かれます。……歳?なにか関係が?


「え?歳…ですか?

まだ生後半年経ってませんけど…?」


 それがどうかしたのですか?

 疑問に思いつつも、答えます。

 ……そっか、そういえば僕、まだ半年も生きていないんですよね…。


 すると、

「ええっ!?あ、貴方、まだ赤ん坊でしたの!?」


 ……何故か、赤ん坊扱いされました…。いえ、確かにまだ半年しか経ってませんけど、僕は蟲ですからね?あれ?蟲でも半年はまだ赤ん坊に入るんですかね?


「は~~。なるほど。

まだ赤ん坊でしたのね…。だったら、知らなくても当然ですわ…。」


 困ったように息を吐いたカトレアさん。

 そして、その口から驚くべき言葉が紡がれたのです。

驚くべき言葉とは…!?


誤字・脱字を見つけましたらご報告ください。

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