くろーしぇんです。
「≪闇魔法 クローシェン≫!!」
貯めた魔力を注ぎ込み、発動。
じわぁ…
青かった木の実はすぐ色付き、その色を深くさせていきます。
黒・紺・紫…時々赤い色も混ざった深い色。
深く、暗く、色を強めていきます。
段々と艶も出てきていい具合です。……なんか、楽しくなってきました。
(もう少し…。もう少し…。)
そう呟きながら発動を続けます。
……外野が何やらうるさいような気がしますけど、気のせいですよね?
木の実もこれ以上ないくらい真っ黒に。
そして、少しずつですが膨らみ始めました。
なんと!まだ変化があるなんて!!
ドンドンドンドン膨らんでいく木の実。
僕は魔力を更にしy『いい加減にしてーーーーーー!!』Boah!?
ビクッ
突然の大声に驚き、慌てて声の方に向きます。
『あ、貴方、何をなさっていますの!!』
そこには顔を青ざめさせ、柳のような細長い緑の髪をかき乱した痩せたオバ様が
………………樹から生えていました。
………。
「……。A*@&●○+∞Λゐ¶ΨΤⅢ9やぁ=/●Τーーーーーー!?」
Boahーーー!?GGGGGGGGGGGGGGGGGGG,Geist!?
な、なななななななななななんで、なんで、どえして?
ここ、異世界!いえす いせかい!のぅ にほん!
足がない幽霊って、日本特有でしたよね!?なんで居るんですか異世界に!?
……ハッ!?ま、まさか。
Black Annisさん(*1)?
あ、あの、昔、前世の家の本棚に置いてあった絵本に出てきたアニスさん?
オークの木に隠れ、子供を食べてしまうというあのアニスさんですか?
某西洋のとある国の洞窟内に住むと伝説される鉄の爪を持つあのアニスさんですか…?お顔も、その、伝承どうり、青いですし……。御本人様?
「……。
い、イヤーーーーーーーー!!」
い、嫌です!嫌です!!
僕、食べられたくありません!!
り、りんちゃん。…りんちゃん!リンちゃん!!
リンちゃん助けて!!
つるっ
「へぶっ!?」
『!? ニコ!?』
(ひ!?な、なんか今、脚がつるって滑りました!?
ひっ!?なんですかコレ!?
見たら僕の周りがヌメッヌメッのビチャッビチャッです!なんか臭いし、ボコンボコンって泡が出てますー!?
な、なんで?どうして?
り、リンちゃん。リンちゃん!たたたたすけてーー!?)
ビューーー
……ぴと
『ニコ!?』
足場の悪くなったヌメビチャな樹の上をなんとか走り抜け、リンちゃんの背中に隠れます…。
……ごめんなさい。リンちゃん。
僕、幽霊とか本当に駄目なんです。
怖いです。怖いですーー!
悪霊退散!悪霊退散!!
ちょっぴんぱらりのぷー!!(←違う。)
『……ねぇ。そこの角のついたスパイダーさん?
貴方、なにか勘違いしてはいませんこと?』
ひえっ!?あ、アニスさんが喋りました…。
『あ、あの、角のついたスパイダーって、僕のことですか?』
『貴方以外にいると思います?』
い、一様確認として、聞いてみます…。ううう。やっぱり、僕の事みたいですぅ…。
『な、な、なんの、その、ことですか?』
ううう。こわいよ~。たべられちゃうよ~。かりんちゃん。ふぇりくん。おかあさ~ん……。
『……。単刀直入に言いますわね。
コレ、やったの、貴方ですわよ。私はコレの文句を言いにきましたの。』
ピッ!と、アニスさんが指差す先は先程のヌメッヌメッビチャッビチャッの地点。
……?
ちらっ
リンちゃんを見ます。
『…。(こくん)』
首を縦に降りました。
ちらっ
今度は鳥さん達の方を見ます。
「「「(こくん)。」」」
鳥さん達も一斉に首を縦に(略)。
じっ
アニスさんに目線を戻します。
『(こくん)。』
アニスさんも首を(略)。
―――――結論。
『……僕?』
『『『ウン!』』』
………え?いつの間に僕、腐海つくっていたのですか?
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
『全く。驚きましたわ。』
そう言うのは、先程のアニスさんもとい、この樹の精霊で樹の近辺を守護しているカトレアさんです。言葉が通じるのは≪テレパス≫という魔法を使っているからだそうです。
『まっタくダ。』
ウンウン。と、リンちゃんにも同意されました…。
「クケー。」
隼さんも同意見のようです…。
『ううう。ご、ごめんなさい…。』
僕は謝りながら後処理の為、≪グロウ≫で樹の修復中です。
他の鳥さん達はそれぞれ帰って行きました。
……どうやら、≪闇魔法 クローシェン≫は“モノ(生物は除く)を腐敗させる”魔法だったようです…。
木の実が黒くなったのは≪闇魔法≫の色だから。
ドンドン膨らんでいったのは魔法が進み、中身が腐り膨張していったからだそうです…。実際、中身を見せてもらったらぐちょんぐちょんになっていました…。周りも魔法の余波を浴び、腐ってしまったようです…。
不幸中の幸いなことに、僕は≪グロウ≫を使えたので、樹を元道理にすればお咎め無しにしてくれるそうです…。……≪グロウ≫って、そういう事も出来るのですね…。
ううう。ごめんなさい。
『ふー。まさか、ラオヤークが話していた子供が此方に来ているとは聞いていましたが、ここまでの子とは……。』
聞いていませんでしたわ。
と、ため息と共に呟くカトレアさん。
……あの、“ラオヤーク”さんって、誰ですか?
リンちゃんと目を合わせます。
リンちゃんも『?』を浮かべているので知らないヒトみたいで『あ、“ラオヤーク”は貴方方が“主の樹”と呼ぶ老いぼれの事ですわ。』
……聞く前に、カトレアさんから爆弾が投下されました……。
え?樹同士なのに、離れた場所でも会話出来るのですか?
誤字・脱字を見つけましたらご報告ください。
(*1)
黒いアニス
某西の島国に住むといわれる人喰い老婆の妖精。妖精(重要なので2回)!




