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えんそうです。①

大変遅くなりました…。

「ぴーー♪」「クケー♪クケー♪」

「ッエ♪ッエ♪」

「ヒュロロロロ♪」


ピーチクマーチクピッピッピ


 とても大きな樹の枝に、色とりどりな沢山の鳥さん達が大合唱していました。所々に僕の下半身くらい大きな青い実をつけたその枝は、大小様々な鳥さん達が乗ってもびくともしない頑丈さ。葉は細い楕円の形で幹はあっちいったりこっちいったりとグネングネンしています。

 主の樹様があの木なんの樹なら、この木はジャングルの大木って感じがします。


「ケェー。ケェー♪」「ちぃちぃ♪」

「くろろろぉぉぉ♪」


 色んな鳥さんが思い思いに唄っています。僕、こういう雑多な感じ好きですね~。


『ソーカァ?オレはお前のみてーなキレーなのがイイけどな…。』


 彼奴等の唄はごちゃごちゃしててヤダ。

 そうリンちゃんが言いました。

 む~。そうですかね?僕はこういう色んな音が混ざったのが好きです。全く違う生き物達が精一杯謳う賑やかで華やかな感じが好きなのですけど…。

 とりあえず、息をするかの様に僕を誉めるのはやめてください。その内茹で蜘蛛になってしまいますよ…。けど、その、ありがとうございます…(照)。


ピーピーヒョロロチッチッチ


 楽しそうですね~……。

 なんか、僕も歌いたくなってきました…。


『フン♪フ、フンフンフ~~ン♪』


 鳥さん達に聴こえないよう、小さく小さく歌います。

 前世で昔流行った曲。なんとなくしか覚えてませんけど、耳の隅っこに残っていたこの曲を鼻唄で歌います。


『……ナア。オレもイイか?』


 リンちゃんも歌いたくなったのか、尋ねてきました。


(う~ん…。どうしましょ?僕もうろ覚えだから教えてあげられないです…。……そうだ!)


 僕は近くにあった弓なりに曲がった枝を拾い、≪魔力操作≫で強化した糸を張ります。


『リンちゃん。見てて。』


ぺーーン♪

『……オオ!!』


ぺーンペンペンペーーーン♪

『オオオォォオ!!』


 僕特製簡易弦楽器です!

 コレなら歌を教えられなくても参加できますし、余程の事がないかぎり失敗も無いです!


 リンちゃんに楽器を渡し、歌に参加します。


『フン♪フッフン♪フンフフフンフ~ン♪』

ペン♪ペペペン♪ペンペンペぺンぺ~ン♪


『フンフ~♪フフンフフフ~♪』

ペン♪ペぺン♪ペペペンペン~♪


 適当な歌に拙い音楽。

 鳥さん達の歌をBGMに僕らは歌います。

 ああ。こうして友達と音楽出きるなんて…。夢みたいです…。前世で一緒に音楽してくれる人なんて、医院長先生の時々遊びにくるお孫さんの竜森(たつもり) (そら)ちゃん(4歳 女の子です。)しか居ませんでした…。珍しく僕に脅えない子で、凄く礼儀正しい子でした…。

 親御さんが教育熱心だったのか凄く博識で音楽にも詳しく、物怖じしない性格で2歳歳上の華凛ちゃんとも凄く仲が良いお友達でした。豊富な知識のお蔭で華凛ちゃんは幼稚園でも大変優秀な子になったそうです。ありがとう、宙ちゃん。こんな病弱なお兄さんの相手もしてくれて…。


『フン♪フンフンフ~フ~♪』

ペン♪ペン♪ペペ~ン♪


 昔を懐かしみながら、リンちゃんとの演奏を楽しみます。

 本当に、夢みたいです…。







 ソレがいけなかったんですかね?


バサッ バサバサッ

ガシッ

「クケー!!」

『『……へ?』』


 気がつけば鳥さん達の演奏が終わり、僕達はナニカに頭を掴まれ、


バサッ…バササッ


 宙に、浮かびました…。


(……へ?ぇえ!?チョッ!?バレた!!って、あああああああ!!この鳥さん!!あの時の!隼(?)さん!?)


 僕達を掴んだのは前に熊さんを1羽で撃退&完食したあの隼(?)さんでした!!

 というより、あなたも参加していたのですか!?


 え、もしかして、僕達=演奏会の後のご飯!?


 チョッ!イヤ、マッテ!!僕達はお肉無いですよ!!蜘蛛とガリなゴブリンですよ!!美味しく無いですよ!!だからまって…待ってください!!樹の方に行かないでーーー!!


『ハナセ!!ハナセーーー!!』

『ごめんなさい!!謝りますから食べないでくださーーい!!』

「クケーーー。」


バッサバッサバッサ


 全力で暴れるも隼さんはなんのその。≪パラライズ≫も通じず、僕とリンちゃんは鳥さんの待つ樹まで運ばれて行きました…。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


ぼてっ

『『ギャッ!?/うきゅ!?』』


 枝と枝の間の窪んだ所。そこにリンちゃんと僕は落とされました…。


 四方八方上下左右。

 見渡す限りとり、トリ、鳥。

 そんな……。僕のせいで、鳥さん達のご飯になっちゃうなんて……。ただ音楽を楽しみたかっただけなのに…。ごめんリンちゃん。ごめんね。……ごめんね。


「クケー。」


 1歩、隼さんが近づきます。

 僕はリンちゃんの前に移動し、彼を庇うように脚を拡げます。


 ……絶対に、絶対にリンちゃんを食べさすものか…!!


『!?ニコ!』

「クケー…。」


 焦る様に声を出すリンちゃん。

 また1歩近づく隼さん。


 僕はどうすればリンちゃんを逃げさす事が出きるかを考えます。

 

(糸をぶちまける?……駄目だ。数が多すぎます。魔法を使う?……≪パラライズ≫が効かないから駄目です。他の魔法は?……今欲しいのは確実にリンちゃんを逃がせる手段です。≪グロウ≫以外どんな魔法が分からないからリスクが大きすぎます。……くそ。いい案が浮かばない!! )


 考え込む間にも近づく隼さん。

 そして、その首を僕達の前に持って、





ぺいいぃぃぃぃいん


 リンちゃんが持った、弦楽器の弦を弾きました…。

 情けない音が、辺りに響きました…。


(……………………ん?)


 ……もしかして。


『これ、弾いてほしいのですか…?』

ペン♪


 リンちゃんの持つ楽器の弦を弾きます。


「!!クケーーーー!!」

ぴー!ガー!!ヒョロロ!!チュンチュン!ボー!キィー!ゴロロッ!


『『ウオッ/ひょえっ!?』』


 弦を弾いた瞬間、『その通りだ!!』と、言わんばかりに鳴く隼さんを始めのする鳥さん達。


 ……え?もしかして、僕達、メトロノームがわり!?

現在、リアルの仕事が忙しいため、今後も更新が遅れる事があると思います。出来るだけ0時更新を目指しますが、出来ない事が多々あると思います…。月・木曜日更新は厳守いたしますので、今後も“クモノガタリ”をよろしくお願いいたします。


誤字・脱字を見つけましたらご報告ください。

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