いどうです。
泣いた後、リンちゃんの角について話したら、
『ア?んな事で泣いてたのかオメェ…。使っちまったモンはしゃーねーから別にイイって。それに、無くなったッツても今度はオレとお揃いで頭に角があるダロ?イーじゃんそれで。似合ってっぞニコ♪』
と、大変爽やかな笑顔(いつもよりキラキラ度120%増し)で頭ポンポンされました。僕、男なのに胸がキュンってきました。華凛ちゃんから貸して貰った(少女)漫画みたいにキュンってきました。将来、リンちゃんが女誑しにならないか心配です…。イケメンめぇ…。
気を取り直し、移動を再開します。
リンちゃんも歩ける程度には回復したので歩いてもらいます。……じゃないと、歩けなくなるんですよねぇ…。ゴブリンはわからないですけど、前世の僕は数日寝込んだ後は歩けなくなる事(足がふらつく、立つと目眩か吐き気がする等)がよくありました…。再び歩けるようになるまで補助具を使っての移動したのですが、よく角で人とぶつかってしまい大変でした(主にぶつかった相手が気絶したり怖がったり大声で泣いたり等)……。
うん。リハビリ、大事です。
けど、なにもリハビリの為だけではありません。実は、進化した事によりリンちゃんと同じ速度で移動出来るようになったのです!!前の時より、今の身体は脚がシュルッと長くなっているのにも関わらず、脚がもつれず絡まらずに歩ける素敵な身体です!!
あ、そこ、嗤ったでしょ?たかが移動の速度が同じになった程度だろ?って嗤ったでしょ?ナニ言ってるんですか!体格差があると一緒に並んで歩くのって大変なんですよ!!ましてや僕、8本脚ですし…。歩くのだって前世の頃から苦手なんです…。
余談はさておき、川に添って歩いて行きます。生きるうえで食糧も大切ですが飲み水も大事です。歩きながら良さそうな新しい住みかを探していきます。
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昼頃
『『ぷっは~。』』
いや~。運動後のお水は美味しいですね~。
移動を始めて数時間。太陽が天辺まで昇ったので一旦休憩です。
リンちゃんは狼肉をガツガツと、僕はお水をクピクピ。それぞれお昼を食べます。それにしても、リンちゃんは食べっぷりがいいですね。凄く美味しそうに食べます。あまりお腹が空いていない僕でも少しお腹が減ってくる気がします。……やっぱり僕も少し食べましょう。お腹空いてきました。
『ナ~。(ムシャムシャ)ニコ~。(ガッ、ブチッ)コんアト、(モグモグ)ど~スンだ~?(ガツガツ)』
『(プチップチッ)ん~?そ~ですね~?(モゴモゴ)とりあえず(プチッ)、蝶々さん達の行動範囲から抜けて~(モキュモキュ)、お家を見つけます(ゴクンっ)。』
『(ゴクン)……ナァ、ソレってどこまでナンダ?』
『そこなんですよね~。』
……そう。とりあえず蝶々さん達の行動範囲から抜けるってのは確定なのですが、彼女達の行動範囲が分かんないんですよね~。
前世、某教育番組の特集で蝶の飛行距離があまり長くないって言ってましたけど、ここ、異世界ですからね~。どこまで前世の常識が通用しますでしょうか?
捕まっていた頃、樹の虚の僅な隙間から彼女達がよく使う通路が見えたのですが、(女王に隠れながら)1日観察したところ彼女達は毎日夕方頃になると大体全匹戻って来ていたようなので、そんなに行動範囲は広くないと思うのですけどね。狼さん達に追いかけ廻されただけでも総統距離は稼げたと思います。
けど、一様念をいれてもう1日くらい歩きますか。
『ん~。後、1日くらいでしょうか?』
『オウ。分かった。』
お昼も終わったので、再び移動します。テクテクのそのそ、1匹と1人の旅は今のところ無問題です。……そういえば、あの糸ってどれくらいもつのでしょうか?2日?5日?1週間?まぁ、見る術がないので確認できないんですけどね。
まぁとりあえず、目指せ!安心快適な新天地へ!!
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夕方
『づ、ヅカレタ~~。』
『です~…。』
アレから、青くて針が大きい蜂さん(リンちゃん曰くブルースピアー)とか紫色の花にギザギザの歯が生えたの生き物(曰くフラワーガム)やらタンポポの綿毛のでっかいの(曰くケセランフラッペ)やら…色々な生物(?)と遭遇しました。
やはり、名前と特性が分かるってとてもいい事だって判りました。
さっき出たケセランフラッペさん。
実は、幻覚作用の粉を放出する植物らしくって、好奇心でツンツンしようとした僕をリンちゃんが慌てて止めてくれました。触ると死んだ方がマシ!!って感じの幻覚を見るそうです。リンちゃん、ありがとう。
…そういえば、
『ねえリンちゃん?どうして、そんなに“物識り”なんですか?』
ずっと不思議でした。
リンちゃんってこの森の事なんでも知ってるんです。この木の実は駄目とか、アレは甘いとか…。僕達が今まで住んでいた所から今いる所に着くまでに、少しづつ植物が見ないモノに変わってきているのに全部知っています。僕が知らなさ過ぎなのかも知れませんが、それでもリンちゃんは物識りだと思うのです。
近くの木に今日の寝床を作る間、何となく聞いてみました。
『……!?』
…だから、そんな好奇心で聞いた言葉で、リンちゃんが怯えるなんて思わなかったのです。
聞いた途端、リンちゃんは顔を紫色に染め、僅ですが体を震えさせました。
『エッ!?え、エ~と。そ、ソレ、は……。』
目を泳がせ、しどろもどろしながら話そうとするリンちゃん。
けど、『あー。』とか『エ、エ~。』しか出てきません。
あ、これ駄目なやつですね。
『やっぱりイイです。リンちゃん寝床出来ましたよ~。』
『エッ!?え、ア。わかった……。
……じゃなくてち『ハイハイ。おやすみ~です。』ちょっ!?』
リンちゃんを寝床に押し込み、一緒に寝ます。
言い辛い事は誰にだってあります。リンちゃんにナニがあったか知りませんが、今は話せなさそうなので待つ事にしました。言いたくなかったら話さない方がお互いのためです。
『おやすみ~です~。』
『イヤッ!?待てよ!?オマッ、気になんねーのか!?』
『?話してくれるのですか?』
『いやっ…。その…。』
『話したくなかったら話さなくていいですよ?僕、待ちますから。』
『……。』
無言になったリンちゃんをぎゅ~っと抱きしめます。あったかいです。
『……ゴメン。……ニコ。』
寝る前、微かに聞こえました。
おやすみ…リンちゃん…。いつか、教えてね…?待ってますから…。
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