だっとのごとく!です。
魔獣、または魔物と呼ばれる生き物達。
その生き物達の中には<リンク>と呼ばれる習性が在る。
例えば貴方がある魔物Aと戦っているとしよう。すると魔物Aがある行動(例えば遠吠え等)をした。数分後、魔物Aと同種の魔物Bが来た。
このように自分と同じ種族、又は仲間を呼ぶ習性を<リンク>と言う。
そして、その<リンク>と呼ばれる習性の代表格として挙げられる魔獣の中に“ウルフ”がいる。
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リンが起きる数分前。
「オオォォォーーーン!!」
「キュピーーー!!(来ないでくださーーーい!!)」
ひゅっ ひゅひゅん
タッタッタッ タッタッタッ
再びの高速ターザ○移動です。えっ?証拠残したくなかったんじゃないかって?何言ってるのですか!命のが大事なんです!!ましてや今、リンちゃんもいるのですよ!!〈作戦:命を大事に〉発動です!!生き延びる為ならなんだってしますよ!!
「オオォォォーーーン!!」
『……ォォーーーン!!』
ヒッ!?
ヤ、ヤバイです。ヤバイです!
なんかさっきっからあの狼さん遠吠えしてます!んでもって、その返事の遠吠えが聞こえてくるのですが、その間隔がだんだん短くなってきてます!?あ、あれですか?あれですか!もしかしなくても仲間を呼んでるんですか!!ちょ、辞めて下さいよ!?何蜘蛛1匹とガリガリのゴブリン相手に仲間を呼んでるんですか!?お馬鹿さんですか!?お馬鹿さんなんですか!!
「オオォォォーーーン!!」
ガサッ
「オオオオォォォーーーン!!」
「「ォォォーーーン!!」」
イヤァァァァアアアァァア!!
ごーりゅーしたぁーーー!!
しかも5匹!しかも5匹!?
今まで1つしか返事の遠吠えが聴こえなかったから1匹だと思っていたのに、一気に6匹に増えたー!?
「バウバウ!」
「へっへっへっへっ」
「「アオウゥゥーーーーーン!!」」
イーーーーーヤァーーーーー!!
これ以上お仲間呼ばないでくださーーい!
追いかけないで!!先回りしないで!!僕達なんで放っといて別の何処かへお食事に行って下さーーーい!!
もぞっ
『……ん。』
ん?あれ?今、もぞっと背中でなにか動いたような…?
『……あ、れ?ココ、は……?』
か細い、声が聞こえた。
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『以上がリンちゃんが寝ていた間に起きた事です。』
『ナ ニ ヤ ッ テ ン ダ こ の ア ホ !(憤怒)』
逃走中ですけど、とりあえず今までの事を簡単に説明したらポコポコと頭を殴られました。ちょ、痛くないですけどやめて下さい!こっち今必死に逃げてるんですよ!?確かに気合の雄叫びは不味かったって反省してます。
けど、気合って大切なんですよ?朝起きた時とか運動する時とか一ノ瀬さんの個室の前を通る時とか…。えっ?最後のは関係無い?いえいえ、関係ありますよ。あの方の個室、割といつも楽しそうな声が聞こえてくるのですが、時々ナニヤラ怪しい雰囲気が漂って来る時が在るんです。大体は若い看護師さんやお孫さんが居る時なんですけど、その時の雰囲気。前に篠崎さんがその雰囲気の時にお邪魔したら、
「アカン!!彼処は魔境や!!魔窟や!!魔女集会や!!近うに行ったらアカン!!絶対にアカン!!特にニコちゃん!!アンタは絶対に近うに行ったらアカン!!喰いモンにされっで!!汚されっぞ!!」
と、お顔を真っ青にして個室から出て来ると僕の肩を掴み力説されました。以来、あの雰囲気が漂って来る時はとても緊張します。気合を入らないと通路が通れません(一ノ瀬さんの個室の近くにエレベーターが有るので、どうしても通らないと階を移動出来ないんです)。すみません、余談でしたね。
兎に角、気合は大事です。
「「バウ!バウバウバウ!!」」
「「「アオオオーーーォオン!!」」」
ヒッ!?
だ、だから付いて来ないで下さいって言ってますでしょ!?
今だ付いて来る狼さん達。時々遠吠えをあげてますので、またお仲間を呼ぶつもりですか!?
ポーン
(≪身体能力強化≫ の l(今ちょっと忙しいので後にしてください!)……了解 しました。)
謎の天の声(?)さんが何かをお知らせしましたが今は無理です。無視します!
兎に角逃げます!!
『リンちゃん、しっかり捕まってて!!スピード上げるよ!!』
『いや、オレ、動けねーンだけど…。』
≪身体能力強化≫に魔力を多目に充て、強化をした身体で更にスピードを上げます。
急げ、急げ、急げ!
僕達は、生き延びるんです!!
「きゅびーーーーーー(うりゃーーーーーー)!!」
ひゅひゅひゅん ひゅひゅん
『ギャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー…!?』
「「バウバウ!!バウバウバウッ」」
リンちゃんの叫び声と狼さんのコーラスをBGMにひたすら跳びます。
絶対に逃げ切ってやるんです!!
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数十分後
『ゼェッ…ハッ…ゼェッ…ハッ…ゼェッ………。』
「「バウ!バウバウバウ!!」」
ひたすら跳び続けるも、元々<失血>によりHPStgが少なくなっていた僕に長距離移動は向かなかったようです…。≪身体能力強化≫を使い続けてここまで来ましたが、そろそろスタミナが限界に近いです…。
「「バウバウ!!バウバウ!!」」
「オオォォォーーーン!!」
…狼さん達、なんでまだ付いてこれるのですか?
今だ付いて来る狼さん(疲れた様子無し)にイライラします…。あれですか?狩りが主流だからですか?体力が多いからですか?足腰が強いからですか?
兎に角付いて来ないで下さい。粘着質な奴は嫌われるって一ノ瀬さんも宮辺さんも篠崎さんもその他看護師お医者様達extの方々が言ってましたよ?遠吠えもしなくてオケです。
『ニコ…オレを……おいて……け…。』
『な!?何言ってるんですか!?』
リンちゃんはあれから熱が上がり、意識が朦朧とし始めました。そのせいか変な事をいい始めます。
『わか…るンダ…。オレ、ながく……ない。あいつ…ら……エサ…なる……。いき…ろ……ニコ……。』
病人は心細くなるから変な事言っちゃうんですね。分かります(よく体験しましたから)。けど、そんなの嫌なんです。今まで知りませんでしたけど、僕、我儘なんです。もう独りぼっちなんて嫌なんです。僕が独りぼっちにならない為にも、リンちゃん、貴方は生きないといけないんです…!
「「バウ!バウ!」」
「「アオオオーーーォオン!」」
迫り来る狼さん達。
跳べども跳べども、逃がしてくれない。
なんで?どうして?こんなチビッコな蜘蛛とガリガリのゴブリンの2人だけなのに…?
『ニコ…オイテケ………!!』
嫌だ!!
リンちゃんが変な事を言う。『オイテケ』なんて、ヒドイ事を言う。
はやく、はやく逃げないと。はやく逃げて、安全な所に行って、看病して、『変な事言った。……ゴメン。』って謝らせて、また一緒に、楽しく暮らしたい…。
それだけなのに………!!
「「バウ!!バウバウバウ!!」」
ダッダッ ダダダダダッ
『ニコ…!』
モゾモゾモゾッ
あーもう!!来るな来るな来るなーーーー!!
リンちゃんも動くなーーーー!!
くそぅ!!やっとの思いであの蝶々と女王達の所から逃げ出して来たのに!なんでこんなのばっかりなんですか!!おまけにあの蝶々達よりしつk……?
(……あ!?)
そうだ!?あの手がありました!!
チラリ。
後ろを見れば、丁度V字になって走る狼さん達が。
……フッフッフッ。いけますね。
前世の幼い時よく、『ニコって笑顔怖いよな。』って言われてましたけど、それでよく傷ついてましたけど。今、その事を言った彼等に僕の顔を見せたら間違いなくお漏らしするでしょうね…。そう自覚するくらい僕は今、真っ黒い笑みを浮かべているのがわかりました。
『リンちゃん…。』
『!ニコ、はやくオ『しっかり捕まってて…。』……にこ?』
リンちゃんを安心させる為、やさしく、やさしく声をかけます。
『しっかり捕まって、酔うといけないから目を閉じて。僕を信じて。』
『……ニコ。』
大丈夫。大丈夫。上手くいく。絶対に上手くいく。
やさしくやさしく、華凛ちゃん達に話すようにやさしく話す。
『大丈夫です。大丈夫です。だから、信じて。』
『……うん。わかった。』
ぎゅっ
背中の後ろで、身を縮める音がした。
少しだけ、重くなった気がした。
けど、嫌じゃない。むしろ、安定した。
僕は糸を切り宙を舞う。
…………さあ、覚悟してください。ワンちゃんども!!
ニコがオコになりました。
次は戦闘回になるといいな~。(←おいッ!!)
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