らちです。
本日2話目
「ついたのじゃ!」
「ふみゅっ!?」
連れ去られて数分後、主の樹様のある虚の中にてようやく蝶達から解放されました…。ただ、空中で突然散らばらないで下さい。着地に失敗して地味に痛かったです……。
「さあ、今から此所が主の部屋じゃ!!存分にその腕を振るうがよい!!」
そう言って彼女が指差す所を見ると、
「………………きゅぴ?」
そこには、葉、葉、葉。
ひたすらにうず高く、山どころか山脈と言われても納得出来る量の、大量と言う言葉すら似合わなくなる程のおびただしい数の青葉の山が連なっていました…。
え?これ、全部服にしろと?
「え、え?一寸待ってください…。すみません。これ、全部服にしろと?冗談ですよね?」
あまりの量に、僕は少し素に戻ります。いや、あの量は無いでしょう…。
「冗談ではないわ。まぁ、少しは同胞達の飯になるやも知れんが、ここにあるのは全て主の樹より先程頂戴した服用の軟らかい葉じゃ。」
凄いじゃろ!そう言ってふすーと鼻息高く胸を張る女王。確かに、凄いですけど…。
ですが、正直気が進みません。契約とはいえ、僕とリンちゃんを強制的に引き離した奴の服を作らないといけないなんて…。リンちゃん、大丈夫かな?死んでないですよね?キズは浅いですよね?
ああ、リンちゃんのその後が気になって仕方ありません。
「む~。どうしたのじゃ?早く作るのじゃ!」
いつまでも動かない僕に業を煮やしたのでしょう。早く作れ早く作れとバシバシ僕の下半身を叩いてきます。あまり痛くないですが、ここでまたリンちゃんに危害を加えに行かれても困るので言われた通りに服作りを始めます…。
「(……あれ?)」
服作りの為、近くにあった葉を1枚持つと、少しだけ、本当に微弱な感じですが、力が僕に流れてくるような、そんな気がしました。
「どうしたのじゃ?早くするのじゃ。」
「あ、はい。」
僕をせかす女王に従い、次々と葉を使い服を作っていきます。葉に触れる度に流れ込んでくる力。なんでしょうか?
とりあえずその日は女王が満足するまで、ざっと10なん着作りあげて1日を終えました…。
疲れた僕は葉の山の中に埋もれ、リンちゃんの事を考えます。どうか、リンちゃんが無事にいますように…。
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次の日。
「緑だけではつまらんのじゃ。じゃから今度はコレを使うのじゃ!」
そう言って彼女が持って来たのはあの期限切れの豚肉バーガーの味がする小さい花を始め、赤や青、黄色に紫といった様々な花でした。
まあ、確かに緑一辺倒よりは色んな色ほしいですよね…。
そう思いながら既に今日だけでなん着になるかわからない服(エプロンドレス風)を作っていたら、ふと、あることが考えつきました。
(この服、レースのかリボンとか付けてたほうがいいのかな?)
と。
一晩考えた結果、僕は彼女に気に入られたほうがいいのではないかと思いました。
今はここに缶詰にされていますが、もしも気に入られたら、外に出ていいよ~とか、自由にしてもいいよ~みたいな許可が出るかも知れません。
今僕に出来る事といえば、服を作る事です。まあ、服が作れるからこんな事になっているのですが…。
まあそんな訳で希望は大きい方がいいです。彼女はメス、つまり女の子です。一般的に女の子が好きなモノと言えば、ふわふわ・ヒラヒラ・キラキラとした可愛いものです。ここにふわふわキラキラはありませんが、ヒラヒラは作れます。前世で一ノ瀬さんに教えて貰いました。ありがとう。ありがとうございます、一ノ瀬さん。蜘蛛になった今、貴女の優しさがこうして助けてくれています。貴女の余生が幸福でありますように。
試しにレースやリボンをいっぱい着けた服を作った所、凄く気に入られました。作戦成功です。作業中、《精密作業》というスキルも持っている事が判りました。因みにlevel44、確実に前世から色々引き継いでますね。
そして、連れ去れてから数日後。
僕に新しいスキルが表れました。
(《地魔法 グロウ》 を 修得 しますか? yes or no?)
……どこから出てきたんですか?
誤字・脱字を見つけましたらご報告ください




