くいーんばたふらいです。③
先週は突然休載してしまい、申し訳ありませんでした。本日は0時、6時、12時それぞれ一話ずつ投稿する予定です。
本当にすみませんでした。
『り、リンちゃん!?』
な、なんで…。いつの間に!?
「くっくっく。馬鹿じゃのう。何故妾があのような長話をしたか分からなかったのか?時間を稼ぐ為に決まっとるじゃろうに。主の思うとる通り、こやつ等は≪パラライズ≫のレベルが低い。じゃが、時間を掛ければかけられぬ事もないのじゃ。主は無理じゃったが、ほれ。この通り珍妙なゴブリンには充分だったようじゃの。先程から見とれば、このゴブリンと貴様は親しい仲のようじゃの?ほれほれ。こやつが惜しくば、妾の仲間に成るのじゃ!!く、くくくく。ハーッハハハハハハハァ!!」
愉快愉快と高笑いする女王さん。僕は彼女をキッと睨み付ける。
(クソッ!なんて、なんてマヌケなんだ!)
少し考えればすぐに分かる事じゃないですか!!元々、彼女はこの森を支配する気でした。彼女等の≪パラライズ≫が効かない僕はハッキリ言って邪魔者です。なのに、その邪魔者である僕とこうして長話するなんて…普通に考えて有り得ないでしょう!?ならなぜこうして時間を稼ぐのか?それは何か罠を仕掛けるか交渉するかのどちらかに絞られます。≪パラライズ≫持ちで≪裁縫≫も持つ僕を仲間にするのは確かに有益です。ですが、突然知らない人「仲間になれ」と言われて「はい。なります。」なんて言う人いますか?いいえ。そんな簡単になる人はいません。もしいるとしても、その人は何か下心があるか、もしくは何かしら目的が有る人でしょうね。
だから彼女は交渉と罠を仕掛けた。
絶対に僕が仲間になるように。≪パラライズ≫の効かない僕ではなく、耐性の無いリンちゃんを人質にすればまず確実でしょう。そうすれば僕が断ってもこうして脅しに使えますし、仮に了承していたら儲けもの。それだけのオイシイ話。
ああ、自分の能天気さに、腹の奥がドロドロと煮えくり返ります…。
「ほれほれ。どうしたのじゃ?早く答えを聞かせておくれ?さもなくば…」
そう言って彼女が蝶達に視線を送ると…
「!?ぎ、ギャーーーーー!!!!」
「り、リンちゃん!!」
蝶達がリンちゃんの身体を喰い千切り、地に紅い水が流れ、リンちゃんの悲鳴が響き渡る。
(どうしよう。どうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしよう。……リンちゃんが、このままじゃリンちゃんが死んじゃう!!)
ハハハハハハと、耳障りな蝶の女王の嗤い声が高らかに、大切な友達はその声を引き裂くかのように悲鳴をあげる。
だから、僕は混乱する頭で選択した。
「お、お願いです……。お願いいたします!仲間になります!なりますから!!リンちゃんを……リンちゃんをコレ以上苦しめないで!!止めて下さい!!キズつけないで!!」
奴等の、仲間になることに…。
「ふむ♪それでいいのじゃ♪おい、お前ら。さっさとソレから離れよ。」
女王がさっと手を振ると蝶達がリンちゃんから離れます。
辺りを血に染め、弱々しく横たわるリンちゃん…。僕はリンちゃんのもとに走ります。
しかし、
「おっと。主はこっちじゃ。」
「へ?う、うわ?!は、放して。放してーー!!リンちゃん!リンちゃーーーん!!」
蝶達が僕の身体を掴み、浮かせ、リンちゃんから離していきます。
「はっはっは!何をしとるのじゃニコ!!主は妾のものじゃ!!勝手に行動するでない!!ほれ!行くぞ!先ずは服づくりじゃ~♪」
そう言って、再び主の樹様の下に翔ぶ女王。
おねがい!放して!!放してーー!!
「リンちゃん!リンちゃーーーん!!」
「に、にこ…。」
ふわふわひらひら。
涙で歪む世界が揺れる。
届かない手を精一杯伸ばした脚は、紅く濡れた彼に届かなかった…。
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