第7話 外すと即死する呪いの首輪?それも俺の【解毒】で一瞬だから
ガルガたちの奴隷労働施設行きを見送った後、俺たちはエルフの里を出て、近くの大都市にある市場に来ていた。
メンバーは俺、エルフ王女のセレフィナちゃん、巨乳女騎士のヴィオレ、そして人妻枠のエルフ王妃・イザベラ(セレフィナちゃんのお母さん)さんだ。
「ト、トウマ殿、今日は私がギュッとするぞ。」
「ちょっとヴィオレ!私もギュッとするんですからね!」
「トウマ様、最後には私のところへ来てください…。」
相変わらず左右からムギュムギュされながら街を歩いていると、何やら怪しい地下施設を見つけた。看板には『奴隷市場』と書いてある。
「へえ、ここが噂の奴隷市場か。ちょっと入ってみるか。」
「トウマ様が行かれるなら、どこへでもついていきます!」
「大丈夫だ。私がトウマ殿をお守りする。」
「私も魔力には少し自信がありますのよ。」
正直、俺の【概念猛毒】でどうにでもできちゃうんだろうけど、女の子からそう言ってもらえるのは嬉しいよな~。
中に入ると檻の中にたくさんの奴隷たちが並んでいた。その最奥、一番頑丈な檻の中に、犬の耳と尻尾が生えためちゃくちゃ可愛い獣人のロリ少女がポツンと座っていた。
「おい、その薄汚い獣人を見つめるな。そいつは『呪いの首輪』を付けられた、売り物にならないゴミだぞ。」
すかさず、いかにも性格の悪そうな太った奴隷商人がケケケと笑いながら話しかけてきた。
「呪いの首輪?」
「そうだ! その首輪には、無理に外そうとしたり、主人の命令に逆らったりすると、装着者の心臓に『即死の呪毒』を流し込む魔法がかかっているのだ! 外す鍵は紛失したから、そいつは一生そこで死ぬのを待つだけの廃棄物よ! ギャハハ!」
商人が下品に笑うと、檻の中の獣人ちゃんは、怯えたように自分の首輪をギュッと握りしめてガタガタと震え出した。
「おにいちゃん……たすけて……」
潤んだ瞳で、俺のことを見つめてくる獣人ちゃん。耳がしゅん、と垂れていて守護欲を激しく刺激してくる。よし、合格。俺のハーレムにお迎え決定である。
「ねえ。その子、タダで頂戴。呪われてるんでしょ?」
「はぁ!? タダだと!? フザけるな、廃棄物とはいえタダで渡すわけが――」
「じゃあ、俺がその首輪、壊すわ。」
俺が檻に近づくと、商人は手を叩いて爆笑した。
「ハハハ! バカかお前は! 言ったろ! その首輪は外した瞬間に『即死毒』が流れて、そのガキの心臓がドロドロに溶けて死ぬんだよ! 世界最強の聖者様でも外せない絶対のルールなんだよ!」
「世界ルール?大丈夫、俺の【毒】のほうが強いから。」
俺は檻の鉄格子を【概念猛毒】でジジジと溶かし、中に入って獣人ちゃんの前にしゃがみ込んだ。
「おにいちゃん、だめぇ……首輪をさわったら、わたし死んじゃう……」
「大丈夫だよ。ほい、【概念猛毒】」
俺は獣人ちゃんの首輪に、ポンと右手を触れた。 そして、首輪が流そうとする『即死毒の魔力回路』そのものを、俺の漆黒の霧で『毒殺』した。毒の回路を毒で殺す。
パキィィィィィン!!!
次の瞬間、絶対に外れないはずの呪いの首輪が、ただのプラスチックの玩具みたいにパカッと割れて地面に落ちた。
「……え?」
獣人ちゃんが、お首をぽかんと傾げて固まる。
「う、うおおおおおおお!?!? 呪いの首輪が壊れたァァァ!? 即死毒が発動してないだと!? 馬鹿な、世界のルールを書き換えたというのか!?」
奴隷商人が目玉をボロンと落としそうなアホ面で絶叫した
「ほら、痺れてる回路も綺麗にしてあげるね。はい、【万象解毒】」
「んゃぅぅぅぅぅっ!?!? あ、あたたかいの入ってきて、きもちいぃぃ!!」
獣人ちゃんが小さな身体をビクンと震わせて、可愛いあえぎ声をあげた。
俺の極上の解毒パワーによって、幼い身体に溜まっていた過去の疲れや栄養失調が、一瞬でパーフェクトに浄化された。毛並みもツヤッツヤの高級犬種レベルである。
「はぁ、はぁ……。うそ、首がかるいの……! からだも、ぽかぽかするの……!」
獣人ちゃんは自分の首を何度も触り、それから嬉しそうに俺の胸に飛び込んできた。
「おにいちゃん、すごいの! わたしを助けてくれたの! わたし、ミィナって言うの! お兄ちゃんについて行くの!」
「うんうん、ミィナちゃんよろしくね。じゃあ、お家に帰ろうか」
「ま、待てぇ! その奴隷は俺の商品だぞ! タダで連れていくな!」
奴隷商人が顔を真っ赤にして掴みかかろうとしてきた。
「……そこの見苦しい豚。トウマ様に気安く触ろうとしないでくださる?」
後ろに控えていたイザベラさんが、冷徹な微笑みを浮かべて前に出た。エルフ王妃の圧倒的なプレッシャー。怒るとメチャクチャ恐い。
「ひえっ!? あ、あなたは……エルフの国のイザベラ王妃様!? なぜ奴隷市場に!?」
「トウマ様は私の国の恩人です。この娘を譲らないと、あなたが違法奴隷売買の罪でどうなるか、わかりますわよね…?」
「も、申し訳ありません!差し上げます!差し上げますから!どうか勘弁してください!」
奴隷商人はその場にスライディング土下座をして、涙目でガタガタと震え出した。
「トウマ様!かわいい妹ができましたね! 可愛いお洋服をたくさん買ってあげましょう!」
「可愛いお洋服もたくさん買ってあげましょう!」
「うむ、賑やかになって私も嬉しいぞ!」
「おにいちゃん、みんな優しいの! わたし、幸せなのぉ!」
ミィナちゃんは俺の腰にしがみつき、尻尾をちぎれんばかりにブンブン振っている。 こうして俺は、4人目の美少女・ミィナちゃんをハーレムにお迎えしたのだった。
一方その頃、元ギルド『聖なる光』の跡地では…
「ガルガさん! 毒沼の掃除がキツすぎて、もう腰が限界です!」
「あいつの『解毒』がないから、毒沼の瘴気で顔中ブツブツだ! 痛いよぉ!」
「クソッ、俺は元Sランクの勇者なんだぞ! なんでこんな毎日ドロドロのウ○コみたいな毒を片付けなきゃいけねえんだ! トウマ、頼むからここから出してくれぇぇぇ!!!」
なんか元ギルドの連中が泣き叫びながら毎日泥まみれで労働してるらしいけど、可愛い獣人ロリちゃんに尻尾でパタパタと仰がれながら、エルフ母娘と巨乳女騎士にハグされている俺には、まーーーーったく関係のない話だった。




