第52話 ポンコツ女神の降伏からの全界一括解毒
「あ、あぁ……ッ! 主様……トウマ様ぁぁぁッ……!」
『世界の意志』であったはずの女神――今はその神格を【神毒】で完全に書き換えられ、手のひらサイズの「光るミニ女神」へとリフォームされた彼女が、涙目で俺の胸元にすがりついていた。
「わ、わたくしは……世界をリセットしようとしていた愚かな存在でした……っ! トウマ様の甘美な毒で脳が蕩けちゃって、もうトウマ様なしでは世界を維持することすらできませんわ……っ!」
プルプルと震えながら俺の服のボタンに必死にしがみつく姿は、先ほどまでの冷酷な絶対神の威厳など欠片もない。
「おにいちゃん、この神様、なんだかちっちゃくてすごく可愛いです!」
犬耳のミィナが目を輝かせ、指先でちょんちょんとミニ女神の頭を突つく。
「ひゃいっ!? な、生意気ですわよ獣人! わたくしは神――ひぇん、主様ぁ、助けてくださいまし~っ!」
「ミィナ、食べたらダメだからね。」
ミィナに突つかれてパニックを起こし、俺の首元へ潜り込んでくるミニ女神。完全にポンコツ化している。
「ふむ……世界のシステムそのものが俺に服従したということは、だ。」
俺はミニ女神を指先でつまみ上げ、世界核へと視線を向けた。
「この『世界核』を通じて俺の【神毒】を流し込めば、世界中に散らばっている『呪い』『病気』『貧困』『不条理』……すべての悪意を一括で解毒できるよな?」
「え……? せ、世界中を一括で、ですか……!?」
セレフィナちゃんが息を呑む。
「世界中に満ちる不条理や悪意は、もともとこの世界のシステムが吐き出した『毒』だ。なら、根源であるシステムを支配した今、すべてを俺たちの都合の良いように書き換えることができるはずだ。」
俺は不敵に口元を吊り上げ、世界核に向けて右手を開いた。
「ちょっと待ってくださいトウマ様! 世界規模の解毒なんて、神であっても不可能な領域――」
帝国皇女シャルロットが叫びかけるが、俺は一切の躊躇なく、親指と中指を重ねた。
――【万象解毒)――『全界概念統一』】
パシィィィィィィィン……!!!
世界始まって以来、最も高く、最も澄み切った指パッチンの音が、次元の壁を突き抜けて世界全体へと響き渡った。
次の瞬間。
世界核から放たれた温かい桃色の光が、神域の海を越え、大陸を包み、世界中の空を覆い尽くした。
魔物が蠢く危険なダンジョンは、美味しい食材や温泉が湧き出る『極上観光エリア』へとリフォームされ、人々に苦しみを与えていた不治の病や呪いは、一瞬で『肌が綺麗になるデトックス現象』へと書き換えられた。
さらに、荒れ果てた貧困地帯の畑には黄金の果実が実り、世界から「絶望」という概念そのものが消滅していったのだ。
「す……凄すぎます……! 世界中の魔導反応が……すべての『悪意』が、トウマ様の祝福の魔力へと塗り替えられていきます……っ!」
ヴィオレが、手元の魔導端末を見て震える声で報告する。
「ふぅ。これで、世界中の害虫も不条理も綺麗さっぱり消えたな。」
俺は肩に乗ったミニ海竜と、胸元で「しゅきぃ……っ」と蕩けているミニ女神を撫でながら、満足げに息を吐いた。
「トウマ様……! 本当に、本当に世界を救ってしまわれましたのね……っ!」 エレノア、イザベラさん、アバちゃん、フィオナ、レイラ……ハーレムメンバー全員が、愛おしさと崇敬が入り混じった熱い眼差しで俺に抱きついてきた。
「さあ、世界のゴミ掃除も終わったことだし――別荘へ帰って、『盛大な宴と褒美タイム』にするか。」
「「「はいっ!! どこまでも、トウマ様についていきますわーーーっ!!!」」」
第52話を読んでいただき、ありがとうございました!
トウマの神毒で、世界中の病気や不条理、危険なダンジョンまで一括で「温泉&グルメ観光地」へと書き換え完了です! ポンコツ化したミニ女神様もすっかりデレていますね。
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明日も21:00に更新します!




