第46話 帝国皇帝の戦慄、俺はみんなと解毒パーティー
「あぁ……トウマ様……もう動けません……っ」
『虚無の孤島』から『世界樹の別荘』へ帰還した翌朝。 別荘の最上階にあるメインベッドで、白銀の髪を散らしたダークエルフのフィオナが、蕩けた瞳で俺を見上げていた。
昨日、帝国の暗部を完全壊滅させた後、別荘の地下ワインセラーから回収した古代のヴィンテージワインを開け、ヒロインたちと祝勝会という名の濃厚な『解毒パーティー』を執り行っていたのだ。
「トウマ様の『神毒』、昨日はいつも以上に甘くて、濃くて……魂までドロドロに溶かされちゃいました……」
始祖の王女アバちゃんが、ロリータドレスの胸元をはだけさせたまま、俺の腕にすがりついてスヤスヤと寝息を立てている。その横では、第一王女のセレフィナちゃんとその母、イザベラさんが、幸せそうな寝顔で俺の左右の脚を抱きかかえて離さない。
「やれやれ……。朝から身動きが取れんな。」
まさに至福の日常。俺を「無能」と見下して追放した元Sランクギルドのガルガたちが借金に追われ、死のダンジョンで自滅して泡を吹いていたことなど、もはや遠い昔の出来事のようだ。
一方、その頃――。
『万象の毒』から遥か北方に位置する、大陸最大のミリタリー国家『神聖ゼノビア帝国』の玉座の間。
「……本当なのか、バルド卿。」
重厚な黄金の玉座に鎮座する帝国皇帝ゼノビア三世が、震える声で眼下の密偵に問いかけていた。
「はっ……。我が帝国が誇る裏の最終兵器『帝国の暗部』、ならびにルシアン大公率いる極秘部隊……『虚無の孤島』にて全滅いたしました。」
「全滅だと……!? ルシアンの『神威の無敵結界』はどうした!? あらゆる攻撃も干渉も防ぐ、絶対防御の概念兵器だぞ!?」
「それが……」
密偵は額から大量の冷や汗を流しながら、恐る恐る報告を続ける。
「トウマという男が指を鳴らした瞬間……結界そのものが『魔力を吸い上げる装置』に変換され、ルシアン大公は干からびて昏倒。さらに本拠地の呪毒はすべて『リゾート施設』へと変換され、幹部全員がトウマへの絶対的な服従と愛に目覚めて自滅いたしました……!」
「な……何なんだその男はぁぁぁッ!?」
皇帝ゼノビア三世は玉座から立ち上がり、絶叫した。
「世界を滅ぼすと言われた『毒の始祖』すらも手駒にし、帝国の絶対防御すら指先一つでオモチャに変える……! 化け物だ……! あんな奴に戦いを挑んだら、我が帝国そのものがピンク色のスパ施設にリフォームされてしまうぞ!!」
威光を誇っていた帝国は、今やトウマの一言で世界地図から消されかねない恐怖に震え上がっていた。
「直ちに……直ちにトウマ殿へ親書を送れ! 争うつもりは一切ない! むしろ我が帝国の全財産と、最愛の第一皇女を捧げてでも、懇願して和親条約を結ぶのだぁぁぁッ!!」
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「ふぁぁ……おにいちゃん、おはよう!……っ」
別荘のテラス。 目を覚ました犬耳のミィナが、パタパタと尻尾を振りながら俺の膝の上に飛び乗ってきた。
「おはよ、ミィナ。今日もいい天気だな。」
「はい! ミィナ、おにいちゃんのために朝ごはんのお肉をいっぱい焼いたよ!」
無邪気に笑うミィナの頭を撫でていると、ヴィオレが恭しく一礼して近づいてきた。
「トウマ様、神聖ゼノビア帝国の皇帝より、冷や汗で濡れたような超極秘の親書と、大量の貢ぎ物が届いております。」
「帝国? ああ、あの暗部を裏で操っていた国か。」
俺はチラリと書状に目を落とす。そこには『どうか我が国を滅ぼさないでください』という、皇帝の悲痛な命乞いと、和親の証として皇女を差し出す旨が書かれていた。
「やれやれ……。俺はただ、この別荘で美少女たちと穏やかに過ごしたいだけなんだがな。」
俺は膝の上のミィナを抱き上げる。
「まあいい。向こうが大人しく降伏してくるなら、受け入れるとするか。」
第46話を読んでいただき、ありがとうございました!
暗部を全滅させられた帝国皇帝が、トウマの規格外すぎる【神毒】恐れ、ソッコーで平伏・降伏してきちゃいました。
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明日も21:00に更新します!




